- 本書は『名前のない女たち』シリーズで「企画AV女優」の
- 赤裸々なまでな「生と性」を丹念に取材したことでも有名な
- 中村淳彦氏がここでも「地を這うような」取材力を活かし、
- 韓国人売春婦たちの実像に迫ります。
個人的にアダルト業界に精通し、
そのジャンルではトップランナーで
あると思っている方が筆者の中村淳彦氏であります。
そんな中村氏が今度はその取材力と筆力を活かして
あぶりだしていくのは昨今何かと話題に上る韓国という国の
「売春」事情であります。
日本の性風俗産業と比較し、さらにはソウル、東京・鶯谷などの
現地取材を通して描くのは生々しいまでの女性のリアリズムと、
韓国という国のダークサイドであります。
かつてチャーリー・チャップリンは
「刑務所を見れば、その国の文化水準がわかる。」
という発言を残しておりますが、更に加えるならば、何らかの形で
性風俗産業に従事し、春を鬻いでいる女性たちからも、
表のデータでは決して出て来ることのない『本質的な』部分が
出てくるのでした。
中村氏の話によると、売春産業に従事する女性は推計37万人、
韓国国内での売買春逮捕者は年間最大7万6000人、海外遠征する
売春婦は約10万人で、そのうち5万人が日本で仕事をするという事で、
本書には詳細なデータも合わせて掲載されているわけですが、
こういう数字を眼前に突きつけられると言葉もありません。
繰り返しになるかもしれませんが、古今東西性風俗や売春で
生きる女性には多かれ少なかれ、みななにがしかの『事情』を抱えて
いるわけですが、その証言の一つ一つや掲載されているある女性の
日記を読むにつけ、改めてその思いが強くなりました。そして、
最後に中村淳彦氏の丁寧な仕事ぶりに敬服いたします。
- 日本人が知らない韓国売春婦の真実/宝島社
- ¥1,296
- Amazon.co.jp
←1クリックお願いします。