必見 小出裕章参考人の全身全霊をかけた凄まじい原発批判 。 | 旅するとんぼ玉~まあちゃんの備忘録。

旅するとんぼ玉~まあちゃんの備忘録。

「日記に書いておこう」的事柄を日々記録しています。

原子力に関して、私がもっとも信頼している学者「京都大学原子炉実験所 小出裕章助教」が、
2011年5月23日参議院行政監視委員会に参考人招致されました。

その時の動画がありました。
にゃん子さんのブログで見つけました。

最初から最後まで、ご自分の言葉で力強く語られています。
期待通りの・・いや、期待以上の発言をなさいました。
私は涙が出ましたよ。

日本人は、みんなこれを見るべきです。

小出裕章参考人の全身全霊をかけた凄まじい原発批判


動画を見ない人のために、少し書き起こします。
動画を見た人も、書き起こしを読むとさらに響いてきます。

「まず、私自身は原子力に夢を抱いて、原子科工学科に入った人間です。
なぜそんなことになったかというと、原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。
原子力は無尽蔵にある・・と、石炭や石油は枯渇してしまうから将来は原子力だと言うことを信じて足を踏み入れた人間です。
ただ、入ってみて調べてみると、原子力は貧弱なエネルギーだと気付きました。(略)
(詳しくは動画を見てください)」

貧弱なウラン資源の図。
(小出裕章著 隠される原子力核の真実より抜粋しました)
$旅するとんぼ玉~骨董屋の娘・・もとい女房の言いたい放題。

「日本は高速増殖炉もんじゅだけでも一兆円以上の金を捨ててしまいました。
現在の裁判制度なら一億円の詐欺をしたら一年実刑になるんだそうです。
では、一兆円の詐欺をしたらどれくらいの実刑を食らわなければならないのでしょうか?
・・・一万年です。
原子力安全委員会、経産省通産省等々行政にかかわってきた人が何人いるか知らないが、仮に百人だとしたら一人一人百年ずつ実刑を科さなければならないわけで。
それほどのことをやってきて、いまだに誰も責任を取らないという・・原子力とは大変異常な世界だと私は思うのです。」

もんじゅの話の際に使用した、高速増殖炉実用化の見通しの図。
(これも小出裕章著 隠される原子力核の真実より抜粋しました)
$旅するとんぼ玉~骨董屋の娘・・もとい女房の言いたい放題。

「次は福島の事故について申し上げます。
原発というのはご存じのように、大変膨大な放射能を取り扱う技術です。
広島の原爆ときに燃えたウランの量は800グラムです。どなたでも手で持てる量です。
それくらいの量が燃えて、広島の町が壊滅したわけです。

では、原発でいったいどのくらいのウランを燃やすのか言うと、
1つの原発が1年動くと1トンのウランを燃やすと・・それほどのことをやっているわけです。
つまり、それだけの核分裂生成物放射性物質を作り出しながらやってるということです。

原発は機械です。機械がときどき故障するのは当たり前のことです。
機械を動かすのは人間です。
人間は神ではありません。時に誤りを犯す・・当たり前のこと。
私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願っても、破局的事故の可能性は常に残ります。
そこで、原子力を推進する人たちはどういう対策をとったかというと、
破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定するのはおかしい。だから「想定不適当」という烙印を押して無視してしまうことにした。

私はパニックを避ける唯一の手段というは、正確な情報を常に公開するという態度だろうと思います。
それではじめて行政や国が、住民から信頼を受ける。そしてパニックを回避するんだろうと、私は思ってきたんですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。
常に情報を隠して危機的な状況でないということを常に言いたがるというものでした。
SPEEDIという100億円以上のお金をかけて25年もかけて築きあげてきた事故時の計算コードそれすらも隠してしまって住民には知らせないことをやったわけです。 」


「現在進行中の福島の原発事故の本当の被害って一体どれだけになるんだろうと考えてしまうと、私は途方に暮れてしまいます。
失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適応するなら、福島県全域と言ってもいいくらいの広大な土地を放棄しなければならなくなると思います。
それを避けようとすれば、住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども、そうなると住民の被曝を強要させるということになります。

一次産業はこれからものすごい苦難に陥ると思います。
農業漁業を中心として物が売れないということになると思います。
そして、住民達は故郷を追われて、生活が崩壊していくということになると思います。
東京電力に賠償させるという話もありますが、東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。
何度倒産してもたぶん足りないだろうと思います。
日本国が倒産しても、あがないきれないほどの被害が出るのだろうと思っています。」

「最後になりますが、ガンジーが七つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っているのだそうです。

1番目はじめは、「理念なき政治」です。この場にお集まりの方々は政治に携わってる方々ですので、十分にこの言葉をかみしめて頂きたいと思います。
そのほか、「労働なき富」、「良心なき快楽」、「人格なき知識」、
道徳なき商業」これは、東京電力はじめとする電力会社に、私は当てはまると思います。
そして「人間性なき科学」これは私も含めたアカデミズムの世界が、これまで原子力にまるごと加担してきたということを私はこれで問いたいと思います。
最後は「献身なき崇拝」・・と、宗教お持ちの方はこの言葉もかみしめて頂きたいと思います。」


小出裕章著 隠される原子力核の真実
$旅するとんぼ玉~骨董屋の娘・・もとい女房の言いたい放題。 最もおすすめの本。
隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ/小出 裕章

¥1,470
Amazon.co.jp

小出裕章(こいで ひろあき)
1949年東京生まれ、東北大学工学部原子核工学科卒、同大学院終了。
1974年に京都大学原子炉実験所助手になる。
2007年4月から教員の呼称が変わり、現在助教。
専門は放射線計測、原子力安全。
伊方原発訴訟住民側証人
助教という地位に甘んじながらも脱原発の立場を貫く反骨の科学者熊取6人組の一人です。