買い物を楽しみ、いよいよ目的の「バビグリンサヌール」に着くと、店の中からガイドブックに載っているおばちゃんと、全く同じ人物がやって来た。

「Finish~♪(終わりだよ~♪)」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」

「え!?」
「え!?」
どうやら豚料理は完売したらしい。
まだ17時ではないか!
店のかき入れ時は、これからではないのか!!

「Finish~♪」じゃねーよ。
しかし、どうやら本当に食べ物はないようだ。
仕方がないので、ガイドブックに頼り、ナシチャンプルで有名な「チャンプル・チャンプル」という店に行くことにした。
―20分経過

「チャンプル・チャンプル」はどこや…。
地図通り歩いても一向に見つからず、道行く人に尋ねるが…

どうやっても辿り着かない。

振り出しに戻り続ける。

世にも奇妙なバリ島物語の主人公にでも、なった気がした。
―さらに20分経過
「あきらめる」という大切さを知った。

しかし、「3度目の正直」という言葉を信じて、何とか夕食にありつこうと、フライドチキンで人気の「ジョグジャカルタ」へ流れ着いた。
店の定番のフライドチキンとご飯を頼み、それだけでは足りないだろう、と空芯菜を頼もうとすると…

首を横に振られた。


「じゃあ、カレーとかナシゴレンとかは?」

やはり店員は首を横に振る。
どうやら、この店にはフライドチキン以外のメニューはないらしい。

隣りのイスラム系の家族連れを見ると、満足そうに、やはりフライドチキン1つとご飯を頬張っている。

そう、ここは、フライドチキンとご飯で大満足する店なのだ…。
結局、ヴィラに戻った後、例のごとく1800円する高額なサテプレートを二人で分け合うはめとなったのだった。


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