ボンジュール!アシシです。

今日はカメルーンの青年海外協力隊の中で随一のサッカー好きである、しほと君を訪ねに首都ヤウンデからバスで2時間の田舎町、エボロワまでやって参りました。

夕方5時くらいから、近所の学生や土木関連の仕事をしている10代20代のカメルーン人男性達が、それぞれの学校や仕事を終えて、芝が生えた空き地に集まってきます。

世界一蹴の旅-集合写真
左から3番目がしほと君。3人揃って2006年バージョンのホームユニです。


フルコートの半分くらいの広さで、9対9くらいに分かれて、片方のチームが上半身裸になって、いざキックオフ。

世界一蹴の旅-ムキムキ黒人
胸筋ムキムキ・腹筋ワレワレのみなさん。やはりアフリカ人のフィジカルは凄いです。


日が暮れてボールが段々と見えなくなってくると、人がどんどんと減っていき自動的に試合終了なんですが、1時間弱球を蹴り合って、日本代表(と言っても3人ですが)vsカメルーン代表のフレンドリーマッチは0対0のスコアレスドローに終わりました。。

というのも点が入らなかったのには、わけがあるんです。理由はこちら。

世界一蹴の旅-超小さいゴール


ゴールが横幅1mにも満たない極小の枠だからです。。

こういう超小さいゴール、アフリカ大陸のいろんなところの空き地でよく見かけます。フルコート並みの大きいゴールを樹の幹でポストとバーを組み立てて作ってるところもありますが、大概小さいです。何もない空き地で障害物をポストに見立ててゴールを作って試合する場合も、フットサルゴールよりも幅を小さめに設置してやることが多いです。

ゴール前に人がいたら絶対入らない感じですが、そこはちゃんと暗黙のルールがあって、キーパーのポジションは無しで、ゴール板に人が張り付くのは禁止になっているようです。

ただ、速攻ではなく遅攻になると、こんな感じになります。

世界一蹴の旅-ゴール前の競り合い
何だかんだいってゴール前に人が密集し、まず点が入りませんw


今日はお互いゴールを割れませんでしたが、しほと君いわく、普段はこの小さいゴールでも結構点が入るそうです。針の穴を通すようなシュートはアフリカ人の得意技だそうな。

逆にこういう試合形式で経験を積んでると、いざフルコートで試合すると、みんなペナルティエリア外からのミドルシュートとか打てないんだろうなと。。そういえばこの前行ったカメルーンのローカルリーグでも、ミドルは大概宇宙開発(※)ばかりでしたw

※宇宙開発とはミドルシュートを思いっきりふかすことを指します。ゴールレンジとは全然違う方向にロケットのようにバキューーンと舞い上がってくので、「宇宙開発」と例えられてます。

プレミアリーグなどで昔からプレーしてるプロ選手は違うかもしれませんが、アフリカ大陸で育ったサッカー選手は総じてミドルシュートが苦手なのかもしれません。単なる仮説ですが。。



この日一緒に試合したみんなのプレースタイルは、先月コートジボアールの高校で試合したメンバーと非常に似ていました(過去日記参照)。

とにかく繋ぐ繋ぐ(・∀・)

ダイレクトではたくパスサッカーではないのですが、凸凹したピッチでまず正確なトラップをして、ルックアップする。パス&ゴーが身体に染み付いてる選手が多く、面白い具合にパスが繋がるシーンも多かったです。んで、パスコースがなければ、バックパスをして組み立て直す。視野が広い奴は、豪快なサイドチェンジも繰り出してました。

世界一蹴の旅-壁越え
コントロール効かず、サイドの壁を越えちゃって試合中断、ってのもありましたがw


コートジボアールの高校のクラブチームに所属してる選手が、究極のパスサッカーを体現してたのはわかる気がするんです。だってコーチがそういう教育方針で指導していれば、そうなるのは自明なわけで。

しかし、こんなカメルーンの人口10万人の片田舎で繰り広げられる素人の草サッカーでも、フォワードにボコーンとロングパスを当てにいくことは一切せず、ディフェンスラインから細かくパスを繋いでいき、みんな相当な個人技を持ってはいるんだけど、それをドリブルで表現するのではなく、お洒落なトラップや唸るようなスルーパスで体現してるのは、正直驚きでした。



アフリカ大陸を踏む前、僕のざっくりとした先入観は、アフリカ人=フィジカル強い=個人技凄い=組織より個人技のサッカーみたいなイメージを持ってましたが、それは間違いでした。



特にカメルーンの場合、国の英雄、エトーが長年在籍してたバルセロナの影響ってかなり大きいんだと思います。あの華麗なパスサッカーに憧れてサッカーしてる若者が非常に多いんじゃないかと。

アフリカ大陸全土でサッカーをして、全ての国のプレースタイルを把握したわけではありませんが、少なからず西アフリカ、中央アフリカで黒人と4~5回球蹴りに興じた経験から僕なりに感じたのは、「サッカー選手の意識における近代化」はアジアよりもアフリカの方が確実に進んでいるのではないか?ということ。

サッカー施設や芝の競技場などの近代化はまだまだ全然進んでいませんが、サッカー文化の底辺を支える「町の草サッカー」プレーヤーの志向するプレースタイルは、発展途上国とは思えないほど進化していました。

これに指導者や環境の近代化が追いついてくれば、フィジカルで他を凌駕するアフリカンサッカーが将来、世界を席巻する日もそう遠くないんじゃないでしょうか?

いや、もしかすると「その日」が来年2010年に訪れることになるのかもしれません。。



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