知らなきゃ損する!弁護士の選び方・使い方blog―lawyers Watch―のLW管理人です。
当ブログに関して、法科大学院生(ロースクール生)・予備試験合格者の方からご意見を頂戴することもあります。法科大学院生(ロースクール生)・予備試験合格者の方は、つい先日は一週間にも及ぶ司法試験を受験されお疲れ様でした。
弁護士になるためには、法科大学院(ロースクール)を卒業するか又は予備試験に合格し、毎年5月に行われる司法試験を受験し、秋頃に司法試験の合格発表があり、12月から1年間研修を受けるという非常に長い道のりを乗り越える必要があるようです。
司法試験受験者の方は、司法試験が終わっても休むことは出来ず、すぐに就職活動を行うことになるそうです。弁護士業界のトップを走る最大級の法律事務所である四大法律事務所においては、過度の勧誘競争を避けるために紳士協定が結ばれており、司法試験の翌月である6月から就職活動が開始するようです。
合格発表前に就職活動をしても司法試験に落ちる可能性があるのではと思われるかもしれません。しかし、「四大法律事務所は若手弁護士でも凄い」
や「最強の弁護士事務所とは―四大法律事務所が最強である理由―」
でも取り上げたとおり、四大法律事務所に所属する弁護士は非常に優秀なエリートばかりであり、最難関の国家資格と言われる司法試験に合格して当然の実力者ばかりなのです。就職が内定してしまえば、初任給が1000万円を超えると言われる四大法律事務所ですから、当然ながらその就職活動は熾烈を極めることが容易に想像できます。
逆に言うと、6月から就職活動を行うことができるのは四大法律事務所ならではのスケジュールであり、応募が殺到せず優秀な弁護士を採用できる保証がない中堅以下の法律事務所においては秋に司法試験の合格が発表されてから採用活動を行うとのことです。
今回は、1週間後に迫った四大法律事務所の採用活動・就職活動事情を取り上げます。
1 四大法律事務所の採用傾向
ホームページ等において最近の弁護士一覧を見ていると、大学院卒業前に司法試験に合格している若い弁護士が増えていることに気付きます。これは、四大法律事務所における採用活動の重点が予備試験合格者に偏重しているためと思われます。
予備試験合格者とは、通常は法科大学院(ロースクール)に2~3年行かなければならないのをペーパーテストに合格することで省略した弁護士の方です。
この傾向については、ホームページにおいて予備試験合格者のみを対象にしたインターンプログラムが四大法律事務所で用意されていることからも読み取れます。これは、ウインター・アソシエイト等と呼ばれているようです。
また、何人かの弁護士から話を聞いたところによれば、必ずしも6月から早い順に採用を決定している訳ではなく、書類選考を通った司法試験受験者の方から内定を貰うかどうかを悩んだり、6月の就職競争が落ち着いた時期にES(エントリーシート)を提出するような人もいるようです。
6月~7月にかけて、四大法律事務所と司法試験受験者の両方がじっくりとお互いに良い方なのかを見極めるように採用活動・就職活動は進行するようです。
それでは、簡単に各四大法律事務所について言及したいと思います。
2 西村あさひ法律事務所
の採用活動・就職活動
四大法律事務所の中でもとくに大きく、スター弁護士を数多く抱える事務所です。他方で、スター弁護士の個性に応じて、若手弁護士は場合によって非常に過酷な労働環境を強いられることもあると噂されています。
年収については、完全歩合制ではないもののボーナス等もあると聞いたことがありますが、支払い方が違うということで他の四大法律事務所に比べて初任給はやや低いそうです。
3 アンダーソン・毛利・友常法律事務所
の採用活動・就職活動
2015年4月にビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所(外国法共同事業)と経営統合し、所属人数について万年四大法律事務所最下位だったのが、一躍業界第2位の法律事務所になりました。
年収については、2~3年目以降に歩合制が始まるようですので、実力重視ということでしょうか。名前に外国名が入っているとおり、その沿革から外資系企業がクライアントに多いようなので、採用・就職活動においては英語力が重視されているのではないでしょうか!?
大型経営統合直後ということであり、採用活動等についても元々のアンダーソン・毛利・友常法律事務所系とビンガム・坂井・三村・相沢法律事務所(外国法共同事業)系とで区別があるのかや、待遇にどのような違いがあるのか等については気になります。
4 森・濱田松本法律事務所
の採用活動・就職活動
四大法律事務所の中では、国内系の法律事務所であり、とくに訴訟案件等で最強の法律事務所と噂されます。
年収については固定給らしいですが、国内の名門法律事務所らしく同期が年功序列に従って一律に昇給していくという方針なのでしょうか。
近年は弁護士業界の景気が悪いという話を良く聞きますので、安定を求める司法試験受験者が増えているため、固定給で安定していることで人気を呼ぼうとしているのでしょうか。
5 長島・大野・常松法律事務所 の採用活動・就職活動
2015年5月7日に東京駅前のKITTEの上に事務所を移転した法律事務所です。丸の内エリアという最高の立地に事務所を構えたことで、今後ますます発展しようという意気込みを感じます。
年収については2~3年目に完全に歩合制になるということであり、能力と報酬については非常にシビアな考え方が伺えます。
昔は、2年目以降は若手弁護士であっても個室が与えられていたのがとても魅力的だったと聞いています。しかし、非常に地価の高い立地に移転するため個室制度の維持は難しそうに思えることが気になります。