不登校 スマホやゲームのルール

 

この記事では「不登校中の生活の仕方」についてお届けしています。今回のテーマは「スマホやゲームの時間」についてです。

 

特に中高生になるとスマホをの所持率が高くなります。それによって一日中触っている状態が続くことがあります。こういった状況にどのように対応すればいいかのヒントを掴んでいただけたら嬉しいです。

 

この記事でわかること

▶︎子どもたちの心理

▶︎親子で話すルールづくり

▶︎上級者テクニック

 

この記事の著者:なかがわひろか
▫️不登校・ひきこもり専門カウンセラー
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️自身も中学時代に不登校を経験

 

▶︎どうしてスマホやゲームに依存するのか

 

まず最初に考える必要があるのは「どうしてスマホやゲームを長時間してしまうのか」についてです。

 

頭ごなしに使用することを咎めたり、なんとなく長時間はダメだからという理由で叱責するのはあまり良い対応ではありません。

 

お子さんはどうしてスマホやゲームをしてしまうのでしょうか?

 

不登校中の子どもたちがスマホやゲームに依存してしまうほど利用するのは「現実の自分を直視するのが怖い」という背景があります。

 

私たちに置き換えて考えてみましょう。つ状態になり休職することになったとします。同僚たちは今日も頑張って朝から遅くまで仕事をしています。しかし自分は家にいて何もすることができません。

 

2、3日であればのんびり過ごすこともできるかもしれません。しかし1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月と経つとどうでしょうか。

 

きっと「自分は社会からはみ出してしまった」という感覚を持つと思います。起きている間ずっと社会の一員として働けていないことに直面することになります。

 

これは想像以上に苦しく辛いことです。子どもたちも同じ心境になります。学校に行けていない自分は勉強も遅れ、高校も大学も行くことができない。就職もできず、一生ひきこもったまま恋人も作ることができず過ごすことになる。

 

子どもたちがスマホやゲームを長時間使用してしまうのは、こういった現実と向き合うことから「逃避するため」だと言えます。子どもたちとて決して楽しんでやっているというわけではないのです。(むしろ楽しんでいるならば心理的にかなり元気になってきたと判断できます)。

 

ある方はこう言いました。「ゲーム実況の動画は楽しんで見ているわけじゃない。けれど毎日10時間以上も観るのは、そうでもしないと苦しくなってしまうから」と。

 

やりたくてやっているわけではないけれど、何もしないでいると考え過ぎて苦しくなってしまう。だから一日中スマホやゲームを触り続けるようになります。

 

▶︎ゲーム障害・ネット依存とは何か

ここで近年話題になることが多い「ゲーム障害」について説明します。ゲーム障害とはゲームに熱中することで、利用時間が長くなり、日常生活に支障が出る疾病です。

 

夜遅くまでゲームをすることで、朝起きられなくなり、そのことにより学校に行きづらくなることもあります。気持ちにも乱れが生じ、イライラしたり、怒りっぽくなることもあります。

 

またネット依存も同じように、スマホなどネットの利用時間が長くなることで、ゲーム障害と同じような症状をきたすものになります。

 

厚生労働省の調査によると、中高生のネット依存は2017年時点で93万人いると言われます。おそらく現在は100万人を超えていると考えられます。ゲーム障害・ネット依存により記憶などを司る前頭葉に機能障害が起こると言われています。

 

ネット依存の統計

(出典:厚生労働省

 

ゲーム障害・ネット依存が不登校に背景になっていることもありますし、不登校になることでゲーム障害・ネット依存が進むこともあります。

 

実際に診断を受けるのは、より厳密な定義に基づくので、ただ長時間やるだけで診断がなされるわけではありません。

 

ただここでも大事なことはどうして依存してしまうのかという点です。初めから依存するわけではなく、だんだんと依存状態になります。

 

ゲーム障害・ネット依存まではいかずとも、長時間使用してしまう背景には、子どもたちが抱えている日々のストレスをうまく消化できないことであったり、孤立感が隠されていることがあります。

 

ゲームを長時間やる=依存症だ、となるのではなく、どうしてその状態に至るのかという点を考えることを第一に考えるようにしましょう。

 

▶︎親子で考えるスマホやゲームのルールづくり

スマホやゲームのルールを作っていくにあたり、いくつか注意点があります。

 

1.  楽しんで取り組めているかの確認

2. お子さんの意見を聴く

3. 現実的な提案を行い、再度お子さんの意見を聴く

4. 1ヶ月ほどをかけながら修正しルールを固めていく

5. 決めたルールは守る

 
1.  楽しんで取り組めているかの確認

気持ちが落ち込んだとき「食欲」「睡眠」そして「趣味」への意欲が減退することが挙げられます。

 

先に挙げたように、現実からの逃避で行う場合、決して楽しめているわけではありません。没頭しないとやっていられないので、やらざるを得ない状態になります。

 

依存の状態とは決して楽しいわけではないのです。こんなことをやっていてはダメだと思いながらもせざるを得ないのでやってしまうのが依存状態です。アルコールや薬物依存も同じで「こんなことをしていてはいけない」ことはわかっています。それでもやめられないのが依存となります。

 

お子さんがスマホやゲームを「楽しんで」取り組めているのならば、趣味を楽しめる状態になっているということです。この場合であれば、ルールづくりは比較的スムーズに行うことができます。

 

だからといって親の一方的な思いでルールを押し付けるのは逆効果です。まずお子さんの思いを「聴く」ことから始めます。

 

 

2. お子さんの意見を聴く

 

お子さんがスマホやゲームに対してどのような思いを持っているのかをじっくりと聴きます。

 

【お子さんの話の聴き方については以下の記事を参考ください。】

 

オンラインで大事な友達がいて、そこで話をしながらゲームをするのがとても楽しいかもしれません。またその友達の相談に乗っているかもしれません。

 

将来ゲーマーになって生計を立てたいと思っているかもしれませんし、やることがないのでやっているだけかもしれません。

 

まずお子さんの思いを確認しましょう。親の意見は「受け止めてから伝える」が大原則です。

 

 

3. 現実的な提案を行う

じっくりと話を聴いた上で親の提案を行います。しかし注意が必要です。例えば「1日1時間まで」というのは学校に行っている間であれば必要かもしれませんが、ずっと家にいる場合は現実的ではありません。かといって4時間も5時間もやるのはそれこそ依存に近づく可能性があります。

 

現実的な落とし所としては2~3時間が妥当ではないでしょうか。朝起きて1時間ほど、お昼にもう1時間、夜にまた1時間くらいが良いのではないかと考えます。

 

「あんまり長時間はやはり良くないと思うから、まずは1日3時間までからはどうかな?」というように提案します。

 

おそらくこの時間数であればお子さんも受け入れやすいのではないかと考えます。

 

親の提案を伝えてそれを守らせるというのはあまり意味がありません。提案を伝えたら「どう思う?」と必ずお子さんの意思も確認します。

 

このように聞かれるとお子さんも意見を言いやすくなります。「いや4時間はやりたい」と交渉するかもしれませんし「わかった」と受け入れることもあります。

 

もしさらに時間を延ばす提案をしてきた場合はその場合は親御さんも条件を出して良いと考えます。例えば問題集を1ページやったら15分延ばしていい、というようにです。お手伝いを条件としても構いません。

 

そしてさらにそれについて確認し、合意を得るようにしていきます。

 

 
4.  1ヶ月ほどをかけながら修正しルールを固めていく

スマホやゲームのルール作りで失敗しがちなのは「一度決めたものが絶対」としてしまう場合です。

 

実際にやってみると3時間では足りないから、とずるずる延ばすようになることもあります。また「勉強に使っているから」とスマホの時間を無制限に長くしてしまうこともあります。

 

1ヶ月ほど取り組みながら、ルールを加えたり、減らしたりと調節していきます。つまり最初の1ヶ月はお試し期間で、正式なルールにするのはその期間が終わってからです。

 

1ヶ月も取り組んでいると習慣化しやすくなります。当初想定できていなかったことが出てきたり「昨日は1時間しかしていないから、その分を今日やりたい」というイレギュラーな条件も提示されます。

 

それらについて再々度話し合いながら、ルールを固めていきます。

 

 

5. 決めたルールは守る

 

例えば3時間以上やったら「その分は翌日から減らす」などとルールを決めたら、厳守することです。

 

ルールは実は守る方よりも、守らせる方が大変です。お子さんはいろんな手を使って時間を引き延ばす作戦を考えます。

 

ルールをその都度変更していると、形だけのものになってしまいます。決めた確定したルールは守ることです。もし破ったらその分のペナルティもきちんとその都度与えます。

 

これは親御さんも同じです。子どもには制限を与えているのに、親は無制限にテレビを観たり動画を観たりするのは公平ではありません。

 

ルールを決めたなら、親も守る。ルールを破ったら親もペナルティを受ける。その代わりお子さんがきちんとルールを守っていたらその都度声に出して「よく守れているね」と労います。

 

ルールを作ってもうまく機能しないと嘆かれる方も多いですが、ルールは守らせる側の方がはるかに大変なのです。ルールを破ったらペナルティ、守ったら労うを大事にしていきましょう。

 

▶︎どうしてもルールを守れないときの上級者対応

スマホやゲームのルールに関しては、一番大事なことは親子で話し合いながら最適な方法を見出すことです。これができるならこれに越したことはありません。

 

ただいくら話し合っても難しい場合があるのもまた事実です。その場合は強制的に道具を取り上げたりすることも必要になります。

 

しかしながら、強制的な対応はお子さんの怒りにつながります。暴力行為に発展することもあります。

 

できればこれはしてほしくはないけれど、どうしても難しい場合の「上級者テクニック」をお伝えします。

 

上級テクニック1. ゲームを「義務」にする

「勉強を1日3時間やろう」と言われたら、誰だって嫌です。どうして嫌かというとそれは「義務」になるからです。そのためダラダラとただ時間をやり過ごすだけで結果的に成績は上がらなくなります。

 

大人の仕事でも同じですよね。仕事が義務になると8時間の労働は途方もなく長く感じます。しかし逆の発想を持つと、スマホやゲームも「義務」にしてしまうと、嫌になる可能性があります。

 

そのためあえて「1日3時間は必ずスマホかゲームをやるようにすること」としてしまうのです。

 

最初はお子さんも喜びます。そんなの努力しなくてもできると思います。しかし「やらないといけない」となると段々と負担を感じるようになります。

 

これまで夢中になって時間を忘れて取り組んでいたものが「まだ1時間しかやっていない」と時間を気にするようになります。

 

趣味として取り組んでいたものが、仕事になると段々と楽しくなってしまう状態に似ています。

 

「必ず3時間はやるように。毎日やった時間をチェックするようにすること」とあえて義務化してしまうのです。そうすることで「楽しくない」気持ちを誘発し、時間を減らすことができます

上級テクニック2. ご褒美制度を導入する

お手伝いをしたら、テストで良い成績を取ったらお小遣いをあげる、という制度を設けているご家庭もあると思います。

 

そういったご家庭にお聞きしたいのは「もしお小遣いを無くしたらお子さんはお手伝いや勉強をするでしょうか?」ということです。

 

小遣いという「ご褒美」があるから頑張っていたことが、なくなったら、おそらくその行動は減っていくと考えられます。私たち大人が給料もないのに仕事をするか?というのと似ています。

 

これを逆手にとって考えてみるのです。毎日スマホやゲームを3時間以上やったら100円をあげる、というようにです。

 

楽しいことをやってお小遣いをもらえるなら、とお子さんは喜んで取り組むでしょう。その頃にこう言ってみるのです。「100円を50円にするね」と。

 

これまでと同じことをやってももらえるものが半分になりました。そしてさらに半分、採取的に0にします。

 

最初は好きでやっていたことが、ご褒美が設定されることで「ご褒美のためにやっている」にすり替わります。次にご褒美を減らし、無くすことで、「ご褒美のためにやる」という動機づけがなくなってしまうことになります。

 

これによってスマホやゲームへのやる気を削いでいくという方法が考えられます。

 

実際にアメリカのある地域では、若者等の騒音問題に悩んでいたということがありました。小売店の店主が「毎日騒いでくれたら1ドルあげるよ」と言いました。若者は喜んで毎晩騒ぎます。しかしあるとき「すまないお金がないから50セントにしてほしい」と言います。そして「ついにお金が無くなったから払えなくなった」と言います。

 

すると元々はただ騒ぎたかった若者が「お金がもらえるから」騒ぐようになり、それがなくなると騒ぐ意味がなくなったと、騒がなくなったということが起こりました。

 

ご褒美は諸刃の剣です。ご褒美があることでご褒美がないと勉強はお手伝いをしない、ということも起これば、望ましくない行動を減らすという方向にも使えるのです。

 

▶︎原則は話し合いを大事にしましょう

 

スマホやゲームのルール作りの原則は親子の話し合いです。親子の話し合いは非常に重要なものです。一方的に押し付けるルールはお子さんからの反発を招き、形だけのものになります。

 

しかし話し合って修正しながら作ったルールはお互いに守りやすくなります。話し合いによってルールを守ることが一番乗理想です。

 

どうしてもルールがうまく作れない場合においては、上級テクニックも活用してみましょう。

 

【親子の基本的な関わり方はこちらをご覧ください】

 

▶︎お子さんを受け入れることから始まる

 

不登校の基本原則と同じですが、お子さんがスマホやゲームをやらざるを得ない思いを受け止めることが、最初の一歩になります。

 

頭ごなしにやめさせようとしても、それは徒労に終わりますし、喧嘩の要因にもなります。せっかく楽しんでやっているゲームも、喧嘩の要因になるのならば心から楽しむことはできません。

 

お子さんの思いを受け止め、可能だったら一緒にもやってみるのです。お子さんが何を楽しんでいるのかを知ることも大事なことです。

 

勝手にルールを押し付けるのではなく、話し合いを繰り返しながら、「一緒にルールを作る」発想を持ってみましょう。

 

【不登校の対応の基本についてはこちらの記事👇もご覧ください】

 

▶︎お子さんへの接し方に困ったら

 

「話し合いもできないし、ルールもうまく作ることができない」ことに悩まれている方は、一度ご相談ください。OFFICE NAKAGAWAでは無料相談を行っています。

 

どこにも相談するところがない、親としてどう対応していいかわからないときは一度ご利用ください。課題を整理し、より良い方法を考えていきましょう。

 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

初めまして、不登校・ひきこもりカウンセラー(公認心理師)なかがわひろかです。

 

今このブログをお読みいただいている方は、お子さんの不登校のことで日々悩んでいらっしゃると思います。

 

私はあるひきこもりの青年と出会ったことをきっかけに「心の問題で悩む人たちの助けになりたい」と思い心理相談室OFFICE NAKAGAWAを2011年に立ち上げました。これまで12年以上にわたって親子のサポートや8050問題にも取り組んでいます。

 

学校に行けなくなったとき、お子さんも親御さんもどうしていいかわからなくなると思います。

 

私が得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、またそのご家族のケア

2. 心理療法を応用した学習サポート

3. 親子の関わり方

今が一番辛い時期だと思います。でもきっと脱け出すことができます。どうやったらいいのかという「具体的な方法」について一緒に考えていきましょう。

 
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不登校対応に疲れた親御さんへ

 

この記事では、不登校中のお子さんに「対応するのに疲れた」「もうどうしていいかわからない」と感じている親御さんに向けてのメッセージをお届けしています。

 

この記事でわかること

▶︎疲れるのは「真剣に向き合っているから」

▶︎疲れたときにやってみること

▶︎第三者を活用することの意義

 

この記事を書いた人
▫️不登校・ひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️自身も中学時代に不登校を経験する

 

▶︎疲れるのは全力で向き合ってきたから

10kmのマラソンをだらだら走っていても、それほど疲れることはありません。しかしタイムを意識して真剣に走ると、息も上がります。ゴールしたときにはフラフラにもなるでしょう。

 

疲れるのはそれだけ「真剣に」取り組んだからです。手を抜いていたらそこまで疲れることはありません。

 

不登校状態のお子さんとの対応においても同じです。これまで皆さんはお子さんのために何ができるかと一生懸命に取り組んでこられました。

 

けれどすぐに結果が出るわけではありません。一生懸命に話を聴こうと思っても、お子さんが拒否することもあります。

 

必死になって関わろうとしているのに、お子さんには思いが届かない。だからやがて疲れてくるようになります。

 

まず大事なことは頑張って向き合ってきたご自身のことを受け入れてあげることです。何もしてこなかったわけではありません。そんな方がこのブログを読むことはないのですから。

 

ご自身を労ってから疲れたときに実践してみてほしいことを4つにまとめました。

 

【疲れたときにやってみる4つのこと】

1.  休息を取る

2. 整理する

3. 過去のお子さんと今のお子さんを比べる

4. 第三者の意見を聴いてみる

それぞれについて順番に見ていきましょう。

 

【不登校の親の心理については👇もご覧ください】

 

1. 休息を取る:まずは一日だけ休んでみましょう

 

お子さんとの対応を「休む」ことは親として抵抗がある方もいらっしゃいます。「休むことで、対応が遅れてしまうのではないか」「もっと他にできることがあるんじゃないか」焦る気持ちも出てくると思います。

 

まず「一日だけ」休むことを意識してみましょう。本を読んだり、サイトを見たり、講演会に行ったり、誰かに相談するのを一日だけお休みにします。

 

ついいつも読んでいる体験者のブログや、サイトに目を通してしまいがちですが、情報を集めるのをやめて、一度不登校について考えることから離れてみましょう。

 

ほんの少しで良いので頭の中に隙間を作ってあげるのです。近くのカフェに行ってちょっといいコーヒーを飲んで、ぼーっとしてみるのです。この余白の時間が頭の中に小さな隙間を作ってくれます。

 

頭がお子さんのことでいっぱいになっているとき、視野は狭くなりがちです。いろんな情報を集めたことで不安が煽られます。早く早く学校に行かせないといけない。そう思うようになります。

 

一日だけ、いやほんの数時間だけ、情報を遮断する時間を取るようにしてみてください。たったこれだけのことでも、頭に余裕が生まれ、余裕が生まれることで視野が広がるようになります。

 

数時間でもお休みを取ることができたら、定期的に取ることを意識がけるようにしてみましょう。毎週水曜日はカフェに行く、と決めてしまうのもいいですね。

 

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2. 整理してみる

お子さんが学校に行きづらくなってから、きっとたくさんの本やサイトを読み、講演会にも行かれたと思います。スクールカウンセラーや民間の相談所に行かれたこともあると思います。

 

これまでお子さんのために取り組んできたことを一度書き出してみましょう。そしてそこから学んだことも整理してみます。

 

「講演会で傾聴の重要性を知ったので、話をじっくりと聴くようにした」というようにです。

 

きっとその量はかなりのものになるのではないでしょうか。それだけ親として何ができるかと必死になってもがいてきた証しです。

 

一方で、まだ取り組めていなかったり、お子さんを見ている中で「課題」と考えられるものも書き出してみましょう。

 

整理をすることで見えてくるのは「これまで取り組んだこと」の中で「効果があったもの」「なかったもの」そして「これからやっていくこと」です。

 

効果があったものは続ける

これまで取り組んで「これはやって良かった」と思えるものは今後も継続します。例えば「子どもの話を聴くことでイライラすることが減ったように感じる」と感じたことは今後も続けます。

 

一方であまり効果がなかったと思えたものは保留、もしくは無くすようにします。「塾を進めたけれど乗り気にならなかった」「学校の先生に迎えてに来てもらったけれど行けなかった」などです。

 

ここで「保留」と書いたのには意味があります。お子さんの心の状態によってタイミングが悪かっただけ、ということもあります。

 

ある程度元気になってくると勉強に気持ちが向かうようになります。そのタイミングで塾や家庭教師の提案は効果的になることがあります。お子さんの様子を見て再提案するために「保留」することも検討してみましょう。

 

【傾聴の基本については👇もご覧ください】

 

 

これからやっていくこと

ここまで整理をすると、必ずしもすべての対応が意味がなかったわけではないことに気づかれると思います。

 

親御さんがお子さんのために取り組んできたことは、すべてが無駄なわけではありません。じっくり話を聴いてくれたことで、お子さんは安心感を持って生活できていることもあります。

 

学校にすぐに行けるわけではないけれども、家の中の生活には小さな変化は訪れている可能性があります。

 

ではその小さな変化を見極めるにはどうしたらいいでしょうか?

 

3. 不登校が始まった頃と今を比べる

お子さんが学校に行きづらくなったときの様子を思い浮かべてみましょう。きっとその頃は表情も暗く、食欲もなく、睡眠もぐっすり眠れていることはなかったと思います。

 

髪の毛もボサボサで、身なりも気にしない、お風呂にも入らない、昼夜逆転もあり、一晩中ゲームばかりすることもあったのではないでしょうか。

 

その状態と今のお子さんを比べたときに何か変化はないでしょうか。お手伝いをするようになったりはしていないでしょうか。

 

良い変化というのは実は小さな変化の積み重ねで起こります。そして小さな変化というのはよくよく目を凝らさないと見過ごしてしまいやすくなります。

 

意識して見ようとしない限り、小さな変化は見えないものなのです。その変化をわかりやすく見るために、不登校が始まった頃と今とを比べてみましょう。

 

4. 第三者の意見を聴いてみる

もし変化がない、もしくは悪くなっているとしたら、それは対応を見直すきっかけになります。

 

親御さんがもっとも疲弊するのは状態が悪くなっているときです。何をやっても意味がないと無気力になるのも、効果を感じることができないためになります。

 

この場合は、家族以外の人の意見を聴いてみることが効果的です。学校の先生であったりスクールカウンセラーであったり、NPOなど無料で相談に乗ってくれるところもあります。

 

第三者の目を入れることで、新たな視点が生まれます。このことが現状を変えていくきっかけにもなります。

 

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▶︎疲れたなあと思ったらやってみること

ここまでの流れを整理してみましょう。不登校のお子さんの対応に疲れたと思ったときは以下のことを実践してみましょう。

 

1. 休息を取る

2. 整理する

3. 過去のお子さんと今のお子さんを比べる

4. 第三者の意見を聴いてみる

 

【不登校対応に迷われた方はこちらもご覧ください】

 

▶︎どうしても辛いときはご相談ください

「第三者の意見を聴いてみたけど良い提案がなかった」「信頼して相談できる人がいない」そんな方のために私は存在します。

 

無料相談も実施していますので、一度ご活用頂けたら嬉しいです。今の辛さを軽減し、頭の中を整理することによって新たな方法が見えてくるようになります。

 

ご相談を継続するかどうかは一度私を知っていただいてからじっくり検討いただけたらと思います。

 

「こんなことで相談しても良いのだろうか」「秘密は守られるのだろうか」「無理な勧誘があるんじゃないだろうか」というご不安もあると思います。

 

どんな些細なことでも結構ですし、守秘義務は徹底しております。またその後の有料相談を強制することは一切ございません。ちょっと心を軽くするため、という気持ちでご連絡いただけたら嬉しいです。

 

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あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

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今このブログをお読みいただいている方は、お子さんの不登校のことで日々悩んでいらっしゃると思います。

 

私はあるひきこもりの青年と出会ったことをきっかけに「心の問題で悩む人たちの助けになりたい」と思い心理相談室OFFICE NAKAGAWAを2011年に立ち上げました。これまで12年以上にわたって親子のサポートや8050問題にも取り組んでいます。

 

学校に行けなくなったとき、お子さんも親御さんもどうしていいかわからなくなると思います。

 

私が得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、またそのご家族のケア

2. 心理療法を応用した学習サポート

3. 親子の関わり方

今が一番辛い時期だと思います。でもきっと脱け出すことができます。どうやったらいいのかという「具体的な方法」について一緒に考えていきましょう。

 

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不登校は「怠けているのではないか?」という意見も聞かれます。このブログでは不登校とは甘えではなく、毎日が葛藤の中に置かれている状態であることをご説明します。

 

お子さんのことをより深く理解したい方、学校の先生やお子さんを取り囲む方へのご説明のヒントにしていただけたらと思います。

 

この記事でわかること

▶︎不登校が怠けではない理由

▶︎子どもたちの毎日の心理

▶︎子どもたちをありのままに受け入れること

 

この記事を書いた人:なかがわひろか
▫️不登校・ひきこもり専門カウンセラー
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️自身も中学時代に不登校を経験

 

▶︎不登校は怠けているんじゃないか?

 

「遅くまで起きて、お昼過ぎまで寝ている」「家にいるときはゲームばかりやっている」「家のことも何もしようとしない」そんなお子さんの状態を見て「不登校は怠けているんじゃないか?」と疑問に思われることもあると思います。

 

また祖父母や親戚からも「甘やかしているんじゃない?」と指摘を受けることもこれまであったのではないでしょうか。

 

確かに好きな時間に寝て、起きて、好きなことをやり、家のことも家族任せの様子を見ると怠けているようにも見えます。

 

「怠けさせたらいけないから、厳しく接したほうがいいんじゃないか?」「無理矢理でも学校に行かせるように登校刺激したほうがいいのだろうか?」親としての対応にも迷われるでしょう。

 

ここでは「怠け」とは何かについて考え、その上で「不登校は怠けているわけではない」という点について説明します。

 

▶︎不登校の大原則とは

「怠け」はこのように言われます。

 

なすべきことをしない。働かない。ずるける。(goo辞書

 

ここで着目する点は「しない」「働かない」という点です。つまり「怠ける」には「意思」があると考えられます。

 

意思を持って、自分はその行動(学校に行く、働く、勉強する)を「しない」ことが「怠ける」という意味になります。

 

では不登校はどうなのか。不登校の基本的な考え方は学校に「行かない」のではなく「行けない」状態であるということです。

 

強い意思を持って「学校に行かない」場合は、「怠けたい」という思いが背景にあることもあります。一方でやりたいことがあり、学校に行っているのが勿体無いので、意欲的にやりたいことをやることもあります。

 

しかし不登校は「行かない」ではなく「行けない」なのです。つまり「行けるものなら行きたいけれど、それができない状態」と言えます。

 

積極的に行きたいわけではないけれど、皆が行っているので行かないといけないとは思う。しかしそれができない。それが不登校のリアルな思いになります。

 

不登校を考える際にはまずこの心理に着目する必要があります。しなくちゃいけないけれどもできない。子どもたちが抱えているのは怠けたい気持ちではなく「葛藤」なのです。

 

▶︎不登校が怠けではない5つの理由

この原則をもとに、不登校が怠けではない理由は次のものが挙げられます。

 

【不登校が怠けではない5つの理由】

1.  好きなことをやる気力が湧かない

2. 家にいても楽しそうではない

3. 学校や勉強、進路のことを気にしている

4. 気持ちに波がある

5. 同級生のことを強く意識する

 

 

 
1. 好きなことをやる気力が湧かない

 

「怠け」の場合は、やるべきことをやらないという意思があるため、好きなことには意欲的に取り組みます。

 

しかし不登校の特に始まり出した頃は、抑うつ状態が強く、「何かをやろう」という気持ちが乏しくなります。

 

それまで好きだったゲームやネット、漫画など好きなことにも意欲が湧きません。休んでいても頭の中では学校のことを気にしています。学校のことを考えるだけで一日が過ぎているといっても過言ではないのです。

 

 
2. 家にいても楽しそうではない

好きなことをやる気力が湧かないため、気持ちも晴れやかになることがありません。家の中でも笑顔が減り、会話も途切れがちになります。

 

部屋に閉じこもることも増え、昼夜逆転になることもあります。もし「怠け」であるならば、もっとのんびりと自由な時間を過ごすことができます。

 

しかし内心では「学校に行かないといけないのに、どうして自分にはできないのか」の思いが強くあります。

 

 
3. 学校や勉強、進路のことを気にしている

このまま学校に行けなかったら成績や進学はどうなるのか。その不安も常に持っています。楽しい動画を観ていてもふと学校のことがよぎります。

 

そこから学校に行けていない自分が、この先どうなるのか見通しが立たず、気持ちが減退していきます。

 

 
4. 気持ちに波がある

行かないといけないのに、行けないことで、イライラが溜まってきます。些細なことで急にキレたり、泣き出したりすることがあります。

 

夜中に布団にくるまって、ずっと自問自答を繰り返すこともあります。かと思うと急に多弁になり、朝まで親を相手に話をすることもあります。

 

心が休まっていないため、気持ちの波にお子さん本人も翻弄されます。

 

 
5. 同級生のことを強く意識する

特に中学生にとって、同級生との関係性はもっとも重要なものになります。部活をやったり、勉強をしたりしている同級生と自分との違いを強く意識します。

 

考えないようにしていても、SNSなどで情報を得ることもあります。楽しそうにしている同級生、進路のことを考えている同級生、テストに文句を言っている同級生。

 

そんな同級生と自分を比べ、自分は何もできないと感じたり、一方で少しでも勝てているところを必死になって探すようになります。

 

【お子さんとの上手な対話法についてはこちらもご覧ください】

 

▶︎四六時中学校のことを考えている

 

不登校状態になると、子どもたちはここにあげたようなことを常に四六時中考えることになります。

 

周りから見ると学校にも行かず、好きなように寝て起きて、自由に生活しているように見えるかもしれません。

 

しかし頭の中では常に(常にです)今の自分のこと、学校のこと、勉強のこと、進路のこと、同級生のことを考え続けています。

 

気楽そうに見えるのは外側だけで、頭の中はずっと不安と悩みが渦巻いている状態なのです。

 

怠けている子はこうはなりません。意思を持って怠けているので、好きなことにも意欲的に取り組みますし、他と自分を比べることもしなくなります。

 

ここまで述べておわかりいただけたように、不登校は怠けではないのです。

 

▶︎むしろ怠けられるようにする

私はむしろ「怠けられるようにする」ことが大事だと考えています。毎日葛藤の中にいると心は休まることはありません。

 

しかし少しずつ周りが自分の状態を受け入れてくれることによって、葛藤に向き合えるようになります。

 

完璧主義になっていたところや、もう少し緩めて考えてもいいところが見えてくるようになります。

 

葛藤状態がほぐれてきたときに、やっと心は休めるようになります。休息することができると、心に余裕を持てるようになります。やがて暇を感じるようになり、好きだったことにも取り組めるようになります。

 

つまり「怠ける状態」になれるということです。怠けられるようになるのは、葛藤状態がほぐれ、心がリラックスできているということです。

 

リラックスすることができると、学校の捉え方も悲観的だったものから変化していきます。「学校なんて二度と行きたくない」と考えていたのが「放課後くらいだったら行ってみようかな」と思えるようになります。

 

不登校は怠けているわけではありません。むしろしっかりと休息することで「怠けられる状態」を目指していくものなのです。

 

【親子の基本的な関わり方はこちらをご覧ください】

 

▶︎上手に怠けられる方法を知る

人生フルパワーで何事も全力に生きていくことは理想かもしれません。しかしハードに使い続けた車のタイヤが摩耗するように、全力を続けているといつかパンクしてしまいます。

 

ときに気持ちを抜きながら、上手に怠けることができるようになること。人に迷惑にならない程度にさぼることを身につけること。実はこれがこれからのお子さんの人生を生きていく上で必要な力になります。

 

不登校は怠けで起こるものではありません。むしろ怠けることができないからこそ、限界まで追い詰められて引き起こされるものです。

 

怠けられないから、心と身体が疲弊していきます。むしろ上手な怠け方を身につけられるようにしていくことが不登校状態を解消する一助になります。

 

「子どもは怠けているようにしか見えない」と思われた方は、今日の記事をお読みいただいた上で、お子さんの様子をもう一度よく見てみましょう。

 

お子さんに笑顔があるでしょうか。趣味を楽しめているでしょうか。気持ちの波は穏やかでしょうか。

 

もしこれらの状態が見えないようであれば、お子さんは無理をして日々を過ごしています。心の中で学校に行かないといけないのに行けていないことへの強い葛藤を抱いています。

 

お子さんの心の奥深くになることを知ることで、怠けの捉え方が変わってきます。むしろ上手に怠けられるようになることを目指していくことの重要性をとらえていきましょう。

 

▶︎お子さんを受け入れることから始まる

怠けではないことが十分にご理解いただけたら、まず行うことは一つであることに気づかれると思います。

 

それは「受け入れる」ということです。お子さんは日々葛藤の中にいます。そのため心の元気を失い、生活リズムが狂い、周りから見ると「怠けている」ように見える状態になります。

 

そのお子さんの状態を受け入れることから始まります。うまく説明できない葛藤があるということを知り、まずお子さんが安心して葛藤の中に身を置ける状態を作ることが第一歩になります。

 

この状態のときに、「どうして学校に行けないのか?」「学校に行かないと大変なことになる」と言ってもお子さんは追い詰められた気持ちになります。

 

お子さんも十分に理解しています。だから葛藤するのです。うまく説明できない心の動きがあることを丸ごと受け入れることで、お子さんは自分の思いと向き合うようになるのです。

お子さんの思いに共感し、受容すること。まずはここから始めましょう。

 

 

【不登校の対応の基本についてはこちらの記事👇もご覧ください】

 

▶︎お子さんへの接し方に困ったら

 

「これは怠けなのだろうか?それとも苦しんでいるんだろうか」と迷われたときは、一度ご相談ください。OFFICE NAKAGAWAでは無料相談を行っています。

 

どこにも相談するところがない、親としてどう対応していいかわからないときは一度ご利用ください。課題を整理し、より良い方法を考えていきましょう。

 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

初めまして、不登校・ひきこもりカウンセラー(公認心理師)なかがわひろかです。

 

今このブログをお読みいただいている方は、お子さんの不登校のことで日々悩んでいらっしゃると思います。

 

私はあるひきこもりの青年と出会ったことをきっかけに「心の問題で悩む人たちの助けになりたい」と思い心理相談室OFFICE NAKAGAWAを2011年に立ち上げました。これまで12年以上にわたって親子のサポートや8050問題にも取り組んでいます。

 

学校に行けなくなったとき、お子さんも親御さんもどうしていいかわからなくなると思います。

 

私が得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、またそのご家族のケア

2. 心理療法を応用した学習サポート

3. 親子の関わり方

今が一番辛い時期だと思います。でもきっと脱け出すことができます。どうやったらいいのかという「具体的な方法」について一緒に考えていきましょう。

 
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この記事では、「不登校の状態とその要因」についてお伝えしています。不登校のことをまだよく理解できていないという方にとって入門編としてご活用いただけます。

 

この記事でわかること

▶︎不登校の定義

▶︎不登校の要因

▶︎不登校の5つのステップ

 

この記事を書いた人
▫️不登校・ひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️12年に渡って数々のご家族をサポート

 

▶︎不登校とは?

 

文部科学省は毎年学校基本調査を行い、不登校の統計を発表しています。そこで言われる「不登校」とは以下の状態を指します。

 

長期欠席者(年間30日以上 の欠席者)のうち『何らかの心理的,情緒的,身体的あるいは社会的要因・背景により, 登校しないあるいはしたくともできない状況にある者』ただし,病気や経済的な理由に よる者を除いた者

 

「なるほど、30日以上休むと不登校になるのだな」「うちの子は通知表を見ると欠席日数が少ないから不登校ではないのかな?でも放課後しか行っていないのにどういうことだろう?」と思われた方もいらっしゃると思います。

 

例えば「校門タッチ」と言われるような校門まで行き、先生にプリントをもらう、という場合も「学校には登校した」と見なされます。また保健室や別室で1時間自習をした、という状態も同様です。

 

文部科学省の統計では、あくまで「まったく学校の敷地内に足を踏み入れていない状態もしくはオンライン授業も出ていない状態」を欠席として、その状態が30日以上ある児童生徒のことを「不登校」と定義しているということです。

 

つまり以下のような場合は欠席とはなりません。

 

・校門タッチや、放課後登校、別室や保健室登校

・オンラインによる授業参加

・イベント(運動会や音楽会、文化祭など)を見学した

・適応教室や学校と提携しているフリースクールへの出席

 

そのため、通知表を見ると欠席日数が思っている以上に少ない、ということが起こります。その代わり早退や遅刻の数が多くなっていると思います。

 

【不登校の数(2022年度)文部科学省

2022年度不登校の統計

 

この定義を持って算出された、小中学校の不登校数(2022年度)は299,048人となっています。ここに高校生の60,575人を合わせると359,623人となっています。

 

この数字だけではピンと来ない方もいると思いますので、もう少し身近な数字に置き換えてみます。

 

【2022年度不登校の数】

小学校:105,112人  59人に1人

中学校:193,936人 17人に1人

高校 :  60,575人 50人に1人

 

いかがでしょうか。中学校の場合17人に1人が不登校状態にあると考えると、クラスに2人いる掲載になります。

 

そして冒頭にお伝えしたように、この数はあくまで「30日以上まったく学校の敷地内に足を踏み入れていない」、「オンラインでも授業を受けていない」かつ「適応教室にもフリースクールにも行っていない」数になります。

 

しかし別室教室だけに行ってすぐに帰ってくる、というお子さんを心配されない親御さんはいません。

 

校門タッチや別室登校などを含めると、この数は少なくとも1.5倍以上になると考えます。つまり今の日本には50万人以上の不登校、もしくはそれに準ずる子どもたちがいるということになります。

 

▶︎学校に来させる、から「休んでいい」時代に

 

 

以前は不登校になると「学校にどうやったら行かせられるか」に主眼が置かれていました。そのため朝学校の先生が家まで迎えに来て、部屋まで入り連行するかのように生徒を連れていくということも行われていました。

 

しかしながら、2018年の文部科学省の通達により、大きな変革を迎えたのです。その通達にはこのように書かれています。

 

「不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること。」文部科学省

 

この言葉が大きな転換点となりました。この文言が通達されたことで「学校に来させる」から「それだけがゴールではない」という認識に大きく変化したのです。

 

2013年時点に比べて不登校の数が小中学校で2.5倍に増えているのはこのことが大きな要因になっていると考えられています。

 

私自身は、無理やり学校に行かせることには反対の立場を取っています。その意味で「登校する」という結果「のみ」を目標にしないという方針には大いに賛同しています。

 

ただ、危惧しているのは「タイミングによっては、登校を提案することも大切ではないか」という点です。

 

休息を取ることで、お子さんの気持ちもだんだんと落ち着いてきます。家庭内では規則正しく過ごすことができ、そしてだんだんと「暇」を感じるようになります。

 

そのタイミングにおいては「ちょっと行ってみる?」と提案することは有効なことが多いのです。

 

あくまでここで言われていることは「登校するという結果のみ」に固執しないということです。登校することの意義までが否定されているわけではないという点には注意が必要です。

 

ちなみにこの通達はこのように続きます。

 

「また、児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること(下線は著者)文部科学省

 

不登校の時期を経験することで、児童生徒が自分とじっくり向き合う時間である一方で、勉強の遅れなどが生じることもリスクも存在します。

 

学校に通うこと「だけ」がすべてとは考えません。ただ学校と「うまく付き合えるようにしていくこと」までが否定されるものではないということです。

 

お子さんの状態によって、「ちょっと刺激があってもいいかな」というタイミングが訪れます。再登校という視点はなくすのではなく、選択肢に常に置いた上で対応することが重要です。

 

 

\不登校の関わり方は👇をご覧ください/

 

▶︎不登校の要因にはどのようなものがあるだろう?

 

「どうして不登校になるのか?」と疑問に思われる方も多いと思います。特に学校に通えていた親御さんは「どうして行けないのか本当にわからない」という気持ちを抱かれることが多いです。

 

文部科学省の調査によると、不登校の要因は以下のものが挙げられています。

▫️小中学校の不登校の要因(上位5つ):文部科学省(2022)

①無気力・不安(51.8%)

②生活リズムの乱れ・遊び・非行(11.4%)

③いじめを除く友人関係をめぐる問題(9.2%)

④親子の関わり方(7.4%)

⑤学業の不振(4.9%)

 

「無気力・不安」が毎年ダントツの1位を記録しています。しかしここで考えないといけないことがあります。それは「何もなくいきなり無気力になることはない」ということです。

 

一生懸命に頑張ったけれど、人間関係や勉強などが報われないことで「やっても無駄だ」という思いになります。

 

生まれたときから学校に行けない子はいません。やっても無駄だった、という思いが無気力さにつながることを知っておく必要があります。

 

不登校の要因

この図の上部分の「表面化」の部分が、文部科学省が挙げている「不登校の要因」と考えると、その背景にはさまざまな思いが隠されています。

 

 

1. 心理面

勉強へのやる気がなくなったり、趣味を楽しむことができなくなったりなどの心の要因です。

 

特に好きなことに取り組むことができなくなるのは大きなサインになります。心が疲弊している状態となります。

 

心理面の背景には、ここに挙げているような他の要因が関わっていることが考えられます。

 

 

2. 身体面

起立性調節障害と呼ばれる、朝起きたら貧血のような状態になり、起きることができなくなるものや、過敏性腸症候群のように緊張したりストレスを感じるとお腹を下しやすくなってしまうものなどがあります。

 

不登校というと心理面の要因が強調されがちですが、実は背景には身体的な病気が隠れていることがあります。

 

そのため、まずは小児科など病院に相談に行くことが重要です。そこで原因がはっきりしないときに「心理面の影響が大きい」と考えることになります。

 

 

3. 社会面

主に人間関係を指します。クラスメイトとの関係性はもちろん、そこから発生するいじめや、学校の先生との関係性も関わってきます。

 

クラスメイトとの関わりは一番のストレス要因になります。問題がないように見えても、気を遣いながら関わるため、疲れている場合があります。

 

また学校の先生との関係性というものも、念頭に置く必要があります。いい先生ではあるけれど熱血さがストレスになったり、他の生徒さんを大声で叱りつけるのが強い負担になることもあります。

 

特に思春期の場合、不登校には何かしらの人間関係が関わっていると考えておくことが必要になります。

 

 

4. 個人面

自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(LD)などの発達障がいや、非常に繊細な性格傾向であるHSP(Highly Sensitve Person)が背景にある場合もあります。

 

また誰にも相談していないけれど、LGBTQ+αを抱えているケースもあります。

 

個人面の特性が、社会面に影響を与えて、身体面、心理面に影響を与えることも十分に考えられるものとなります。

 

 

5. 家庭環境

親子関係に不具合があったり、夫婦関係が悪かったり(離婚したり)、また虐待が背景にある場合もあります。

 

親に相談したいけれど、話を聴いてくれない、夫婦がしょっちゅう喧嘩をしている、また暴力や暴言など身体的や心理的な虐待、一切関わろうとしないネグレクトなどが虐待の種類となります。

 

ただ家庭環境に影響がある場合、家庭から避難するために学校に行く場合もあります。不登校にならないこともあるため、実は見過ごされやすい要因の一つでもあります。

 

誤解のないようにいただきたいのは、不登校を親の責任に押し付けてしまうのは間違いであるという点です。

 

明らかな虐待がある場合を除いて、親だけに原因がある考え方は私は賛同していません。要因は学校にもあるし、人間関係にもあるし、当人の特性にもあります。

 

家庭環境が要因の一つだからといって、家族だけに責任を押し付けることはあってはならないことなのです。

 

 

【不登校のお子さんとの向き合い方はこちらもご覧ください】

 

 

▶︎要因は一つに絞られない

 

ここに挙げた要因は、一つだけが影響しているわけではありません。お子さんの特性によって虐待が起こることもありますし、コミュニケーションがうまく取れず孤立し、心理的に負担を感じるということも十分に考えられます。

 

犯人探しをすることが大事なのではありません。いろんな要因を考えながら、改善を加え続けることが重要な対応になります。

 

学校と家庭が対立することには意味はありません。それよりもお互いに情報を共有しながら、お子さんのタイミングによって今は休ませるべきなのか、それとも提案をしてみた方がいいのかを一緒に考えていくことが最もお子さんのためになることです。

 

▶︎不登校の5つのステップ

お子さんが学校に行きづらくなったとき、今後どのように進んでいくのか不安を感じられると思います。不登校の5つのステップについてお伝えします。

 

不登校の5つのステップ

 

 
1. 抑うつ期

食欲が落ち、うまく寝付けなかったり、朝起きづらくなったり、趣味を楽しむことができなくなることをサインとして、行きしぶりが起こる時期です。

 

家の中で笑うこともなく、反応が鈍くなります。かと思うとイライラしやすくなったり、急に泣き出すこともあります。

 

【この時期のサイン】

◻︎お腹が痛い・頭痛がすると言う

◻︎眠れない、熟睡感がない

◻︎朝が起きづらい(夕方には元気になる)

◻︎ゲームやネットなど趣味の時間が減る

◻︎イライラし、感情的になりやすい

◻︎会話が減る

 

これらのサインの中で特に重要なことが「食欲・睡眠・趣味」の3つです。これらの状態が悪くなってくると、身体・行動・気分・考え方も悲観的になりやすくなります。

 

この時期に必要なことは、まずサインが出ていないかを確認することです。不登校が始まり出す頃には必ずサインが出ています。今のお子さんが置かれている状況を知ることを第一に考えます。

 

 
2. 休息期

抑うつ期の状態を見て、学校に行ける状態ではないと判断できる場合は、無理をさせないことです。

 

まずは遅刻早退などで様子を見つつ、どうしても辛そうであれば、休息を取ることを考えていきます。

 

最初は一週間休んでみて、そこから一週間ごとに様子を確認し、その間に先生やスクールカウンセラー(民間のカウンセラーも活用できます)に相談しながら状態を共有するようにします。

 

「学校に行かせた方がいいのではないか」という思いが湧いてくるかと思います。その場合は、親御さんがこれまでお会いされてきた「メンタルダウンをした人」を思い起こしてみましょう。

 

例えばうつ病で休職した方に、「ちょっとでも出社したら?」とは言わないと思います。まずはしっかりとした休息を取り、状態が良くなってからお試し出社をし、徐々に勤務時間を増やしていくことになります。

 

子どもたちも同じです。まずは十分に休息を取ります。要因が何であれ、お子さんが日々の生活や学校に疲れているのは事実です。昼夜逆転してもいいので、寝たいだけ寝て、心と体をしっかりと休めます。

 

ただずるずると進むことは避けたいので、最低でも週に1回は今の状態を話す機会を作ります。話す相手はまずは先生です。その後専門家というように広げていきましょう。

 

 
3. 安定期

休息が十分に取れるようになると、家庭での生活が落ち着いてくるようになります。この時期には昼夜逆転をしている場合は生活リズムを整えるようにします。

 

また家事など家の中でできることを増やしていきます。勉強への焦りも出てくると思いますが、勉強はもう少し後です。朝起きて、ご飯を食べて、夜眠るという生活ができるようにしていきます。

 

 
4. 登校準備期

勉強を始めるとしたこの時期になります。家庭での生活が十分落ち着いてきたら勉強のことを一度話し合ってみましょう。

 

お子さんも学校のことを再び考える時期になります。勉強のことも当然に気にしていますので、まずは一緒にやってみることから始めてみましょう。

 

 

👇こちらの記事でもお子さんとの対話について述べています

 

最初から継続的に勉強することはできませんが、続けることで徐々に時間も増えるようになります。

 

親子だけで勉強のフォローが難しい場合は、家庭教師や塾なども検討してみましょう。

 

 

【OFFICE NAKAGAWAの学習サポート詳細は👇からどうぞ】

 
 
5. 再登校期

最初は部活だけ、放課後だけというように学校に行き出す時期が再登校期です。別室や保健室登校、体育祭などのイベントに出席するようになります。

 

お子さんが学校に行き出すとつい「毎日行ってほしい」と思いがちですが、それはもう少し辛抱しましょう。

 

週に1回から始め、少しずつ時間を増やしていきます。大人の場合のお試し出勤です。目標としては一週間のうち6~8割が行ければ十分という思いを持っておきましょう。

 

あえて「週に1日には休んで買い物に行こう!」と決めても構いません。最初はその休みを活用しますが、徐々にそれをやめ、学校に行く頻度が増えていくようになります。

 

再登校した場合は、学校の先生にもしばらくの間は様子を伝えてもらうようにしておきます。不登校は行きつ戻りつを繰り返しながら、だんだんと慣れていくようになります。

 

毎日行ったと思ったら、しばらく休むということもあります。しかし俯瞰してみると、お子さんなりに考えながら通えるようになります。

 

▶︎3歩進んで2歩下がる、でも1歩進んでいる

不登校対応はどれだけ良い対応を取ったとしても、右肩上がりに順調に進むわけではありません。

 

調子がいいときもあれば、ガクッと落ち込むこともあります。しかし、これは覚えておいてください。

 

不登校を経験したからと言ってお子さんの成長が止まっているわけではないのです。

 

お子さんなりにストレスの向き合い方や、気持ちの折り合いというものをつけられるようにお子さんも成長しています。

 

一年前のお子さんと、今のお子さんはやはり違うのです。学校に行けない=成長しない、ということにはなりません。

 

むしろ行けなかった経験を積むことで、これからの人生にとって大事なこと(心のケアの方法や、力を抜いて生きること)を学びます。そしてそれは親御さんも同じです。このことは忘れないでくださいね。

 

【不登校の親の心理については👇をご覧ください】

 

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もし誰にも相談することができないと思われたら、そんなときはぜひお声がけください。いい相談相手がいないときのために私が存在します。

 

「でもどんな人がカウンセラーか不安だなあ」と思われる方も多いと思います。まずは無料相談(30分)をご活用ください。そこで私の人となりを見ていただいてからじっくりと今後のご相談をお考えいただけたら嬉しいです。

 

 

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お子さんの不登校が始まったとき、親御さんも真っ暗闇の中に落とされたような気持ちになります。

 

しかしどんな方でもそこから脱け出すことができます。はじめはみなさんどうしたらいいかわからない状態でご相談にお越しいただきました。


不登校だからと言って何も諦めないでください。「今、ここから」できることを考えていきましょう。

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ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。
 
得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、またそのご家族のケア

2. 心理療法を応用した学習サポート

3. 親子の関わり方
 

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この記事では、不登校やひきこもり状態にあるお子さんとのより良い対話に向けての「傾聴」の基本についてお伝えしています。

 

傾聴について悩まれている方は今日から実践できる方法を身につけていただけたら嬉しいです。

 

この記事でわかること

▶︎どうして傾聴が必要か

▶︎傾聴のポイント

▶︎今日からできる傾聴のコツ

 

この記事を書いた人
▫️不登校・ひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️12年以上に渡り親子のサポートを行う

 

▶︎どうして傾聴が必要だろうか

 

傾聴とは「相手の話を共感し、受容しながら聴くこと」を指します。簡単にいうと「しっかりと話を聴く」ことです。

 

ただ「しっかり」というのがどのような状態かのイメージが難しいかもしれません。傾聴をより詳しくお伝えすると以下のような要素を含みます。

 

1. 安心して話せる場所がある

 

2.   話したいことを邪魔せず聴いてくれる

 

3.   共感や受容される場所がある

 

4.   話すことで頭の中が整理される

 

5.   整理されることでなにをすべきかが見える

 

これらがなされている状態が「傾聴されている状態」だと言えます。

 

これらの状態の背景にあるのはお子さんの「安心感」です。安心があることで、心の中に「余白」を生み出すことができます。この余白があることで心に余裕が生まれ「何かチャレンジしてみよう」という気持ちを生み出すことができるのです。

 

つまり傾聴ができることは、お子さんが自分の力で動き出す大きなきっかけになるのです。

▶︎親にとっての傾聴の重要性

 

傾聴の効果はお子さんだけに表れるのではありません。話を聴く親御さんにとっても必要なものになります。

 

お子さんの思いに耳を傾けることで、これまで聴くことのできなかったお子さんの「深い思い」を知ることになります。

 

これまでいくら考えてもピンと来なかったことが、ありありと感じ取れるようになります。お子さんの深い思いを聴くことでお子さんがどんな不安を抱えているのか、今のお子さんの葛藤を知ることになります。

 

お子さんが学校に行きづらくなると親御さんは「学校の重要性をよく理解していないのではないか」と思われます。そのため学校の必要性を説きます。

 

しかしお子さんの思いを傾聴することで、お子さんが学校のことを想像している以上によく考えていることがわかります。ひきこもりの場合は、仕事をすること、自立することを毎日悩みながら生きていることがわかります。

 

傾聴することによって、それまで見えてこなかった本当のお子さんの姿が浮かび上がるようになります。

 

それではここからは傾聴の具体的な方法について見ていきましょう。

 

▶︎傾聴のポイント

 

 

1.  聴く体制を作る

2. 相槌を打つ

3. 共感する

4. 受容する

5. 要約と確認

6. 沈黙に対応する

7. 質問する

8. 率直力を活かす

9. 対話を繰り返す

 

1. 聴く体制を作る

 

テレビを観ながら、スマホを使いながら話を聴かれても真剣に聴いてもらえているとは思えません。

 

まず「これからあなたの話を聴きます」という姿勢を見せることが重要です。テレビを消し、スマホも遠ざけます。途中で横槍が入らないように、他の家族にもしばらく話しかけないようにお願いしておきます。

 

とはいえ、かしこまった感じにすると緊張感が生まれます。向かい合うのではなく斜めに座るようにし、真正面を向かない体制を作ります。

 

親子の対話はカウンセリングではありません。そのためお茶やお茶菓子を用意して話すも雰囲気を柔らかくする効果があります。

 

あまり堅苦しくならないように、しかし邪魔が入らないような場所を用意するようにします。

 

2. 相槌をうるさくならないように打つ

 

全く無反応で話を聴かれてもお子さんは話しづらくなります。かといって「うんうん、そうか、なるほどなるほど」と矢継ぎ早に相槌を打たれると話を急がされているような気になります。

 

基本的に相槌は声に出さなくても構いません。態度で「うんうん」と頷くだけでも効果的です。緊張しやすいお子さんの場合「なるほどね」と口を挟むことで話を止めてしまうこともあります。

 

相槌については、普段から自分が話を聴いてもらう時に意識するようにしてみましょう。どんな風に聴かれたらゆったりと話すことができるでしょうか。

 

「そうかそうか、それでそれで?」と聴かれると結構プレッシャーを感じますよね。優しい目つきでうんうんと頷いてくれるだけでも十分だったりします。

 

一点気をつけたいのは目線です。お子さんの目を真正面からじっと見ると威圧感を抱かれることになります。

 

ちょっと目線をずらすイメージです。お子さんの鼻あたりを見る感じがちょうどいいです。目線は時折クロスする程度で十分です。

 

3. 感情の言葉に注意する〜共感の重要性〜

 

 

お子さんから「学校に行かないと、って思ったらしんどくなるんだよ」という発言が出たとします。

 

「しんどい」というのはお子さんの気持ちが出ている言葉です。この感情の言葉が出てきたら必ず掴み取ることが必要です。

 

どうやったら掴み取ったかと言うとその言葉を「繰り返す」状態です。「そっか、しんどいんだね」というようにです。

 

私たちは人に何かを話したいとき、必ず「気持ちが揺れている」状態です。嬉しいことであっても悲しいことであっても、何かしら心が揺れている状態です。

 

その気持ちを誰かに受け止めてほしい。だから話すのです。

 

だからこそこの感情の言葉には注意が必要になります。感情の言葉は「一語で表せるもの」です。

 

「嬉しい」「悲しい」「寂しい」「辛い」「楽しい」というものです。この言葉はカウンセリングにおいても一回の面談で一度出るかどうかというほど登場の頻度が少ないものです。

 

だからこそ着目することに意義が生まれてきます。

 

感情の言葉をちゃんと受け止めてくれたとお子さんが感じられたとき、そこには「共感」が生まれた状態だと言えます。

 

 

共感のポイント

共感という言葉が出てきたので整理しておきましょう。共感とは「あたかも自分も感じているように感じること」になります。

 

「そうか、しんどいよね」と感情の言葉に反応することでお子さんは「共感してくれた」と感じやすくなります。

 

共感は聴き手が「共感していますよ」と伝えることが大事なのではありません。あくまでお子さん本人が「共感してもらっている」と感じられることが大事になります。

それを感じやすくしてもらうのが「感情の言葉に反応すること」なのです。

 

チャンスはそう何度もあるものではありません。だからこお子さんの方に意識を向けて話を聴くことが必要になります。

 

そのときの姿勢はまさにお子さんの方に「傾いて」いると思います。だから「傾聴」と言うのです。傾聴は姿勢も重要になるのです。

 

 

【不登校の子どもの心理については👇もご覧ください】

 

4. 受容することの意義

 

しかしお子さんの話にいつも共感できるとも限りません。「学校に行きたくない」と言ったときに親は行ってほしいと思っているのに「そうだね行きたくないよね」というのは「嘘」になります。

 

共感がうまくできないと思ったときは「受容」を大事にします。受容とはお子さんの思いをそのままに受け止めることです。

 

「学校に行きたくないんだ」と言われたら「そうか、行きたくない気持ちがあるんだね」と返します。

 

受容は親子のコミュニケーションにおいて最も重要なものです。もしうまく対話ができていないときは受容を見直すだけでも効果があります。

 

コミュニケーションは「キャッチボール」に例えられます。受容がないコミュニケーションはお互いの投げたボールを受け取らず、自分の投げたいボールをお互いにぶつけ合っている状態です。

 

お子さんのどんな思いでもまず「受ける」ことを意識してみましょう。今お子さんとのコミュニケーションがうまくいっていない場合は、まずはここだけでも意識すると大きく変わってくる可能性があります。

 

 

【不登校の親の5つの心理段階について👇もご覧ください】

 

5. 要約して確認する

 

 

お子さんの話は取り留めなく、あっちに行ったりこっちに来たりを繰り返しながら話されます。

 

ひとしきりお子さんが話し切れたと思ったら、ここまでの話を要約し「この理解でいいかな?」と確認するようにします。

 

要約することでお子さんは自分が何を言いたかったかを整理することができます。そして確認があることで認識の間違いを正すことができます。

 

もし認識が間違っていたとしても、確認することで「いやそうじゃなくて」と言い直してくれます。こうすることで認識のずれをなくすことができます。

 

要約と確認はお互いの意識のずれをなくし、お子さん自身が思いを整理するためにも重要なものになります。

 

6. 沈黙に対応する

 

お子さんと話をしていると沈黙が生まれることもあります。沈黙にはいくつかの意味があると言われます。

 

【沈黙の意味】

▫️何を話そうかと考えている

▫️自分の中でこれまでの話を整理している

▫️話をしたくないと不満な思いがある

▫️何を話せばいいか困っている

▫️十分に話せてスッキリしている

 

話をしたくない場合は比較的わかりやすいです。お子さんの態度を見て明らかに不満そうである場合は「今不満を感じているかな?」と聴いてましょう。そこから対話が始まることもあります。

 

しかし不満ではなく頭の中を整理している様子であれば、しばらく待つようにしてみまっす。ゆっくり10秒を数えることを意識してみましょう。場合によっては数十分待つこともあると思います。

 

待てる限り待つことができることが理想です。

 

ただお子さんが困っている様子があったら、これまでの話を要約し、質問をするようにしてみましょう。

 

質問されることで話しやすくなることもあります。

 

7. 質問を遠慮しない

 

質問をしていいのかと迷われる方も多いです。話を聴いてからというのが前提ですが、気になることは尋ねた方がいいというのが私の考えです。

 

質問を行うことで、より知りたい情報を知ることもできますし、お子さんも質問されることで初めて気づくこともあるのです。

 

お子さんが話してくれそうであれば「どうしてそう思ったかな?」「何がそう思わせているかな」とはい、いいえでは答えられないような質問を投げかけてみます。これを「オープン・クエスチョン(開かれた質問)」と言います。

 

お子さんが話しづらそうにしているときは「はい、いいえ」で答えられる質問を行います。これをクローズド・クエスチョン(閉じられた質問)」と言います。

 

できるだけオープンクエスチョンができるのが理想です。かなり話しづらそうにしていない限りは積極的にオープンクエスチョンを意識するようにしてみましょう。

 

8. 率直力を大事にする

 

私は対話には「共感力」「受容力」そして「率直力」の3つが不可欠だと考えています。率直力とは「自分の思いをありのままに話す力」です。

 

率直力は質問の際にも生きます。例えばお子さんが不満そうにしていたら「今不満な気持ちがあるかな?」と率直に尋ねるようにします。この方が話は進みやすくなります。

 

率直力には3つのポイントがあります。

 

 

1. 人格否定はしない

これは大原則ですが、いくら率直だからと言っても何でもかんでも思ったまま言っていいことにはなりません。人格否定はやめ、お子さんが受け取りやすい言葉で話すようにします。

 

自分だったらどう言われたら素直に受け止められるだろうか。この視点での発言を意識しましょう。

 
2. 本当に伝えたい思いを掘り下げる

親として伝えたい思いがある場合、まずはご自身で掘り下げるようにします。どうしてそう思うのか?という問いを自分に投げかけてみましょう。

 

掘り下げた先にあるものが率直な思いです。その思いを伝えるのが率直力なのです。

 

 

3. アイメッセージで伝える

アイメッセージとは「自分を主語にして伝えるメッセージ」を指します。アイメッセージの「アイ」は英語の「I」です。

 

「私はこのように思うよ」と自分を主語について伝えるようにします。そしてその後に「あなたはどう思う?」と意見を尋ねるようにします。

 

こうすることで親としての意見を伝えてくれた上で自分の意見も聴こうとしてくれているとお子さんは感じられるようになります。

 

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9. 対話を繰り返す

 

 

ここまでが傾聴の基本になります。基本と言いますがこれができるだけでも相当に対話力はアップしているはずです。

 

あとはこれを繰り返します。お子さんと話をする機会を定期的に作り、ここまで述べた方法をもとに話を続けていきます。

 

傾聴は一回できたらそれで終わりではありません。お子さんと話をするたびに意識するものになります。

 

そう簡単にできるものではありませんが、日々の対話で意識することで必ず上手くなっていきます。時間をかけて取り組みながら、身につけていきましょう。

 

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今日からできること〜まずは3分を大事にする〜

 

傾聴は一朝一夕にできるものではありませんが、まず一歩を踏み出してみることが大切です。まずは3分でいいので、人を話すときにここに書かれていることを意識してみましょう。

 

お子さんとの対話においてはもちろんですが、職場の同僚やパートナーの方と話をする際にも意識するようにします。

 

短い時間から取り組み、少しずつ時間を長くしていきます。今日が3分なら明日は4分にチャレンジします。

 

こうやって続けることでより長い時間集中して話を聴くことができるようになります。

 

マラソンと同じでいきなりフルマラソンを走れるわけではありません。まずは1kmウォーキングから始まります。そこから少しずつ距離を伸ばし、最終的に42.195kmを走り切れるようになるのです。

 

傾聴ができることは、親子関係だけでなく、職場においても、地域においても、夫婦生活においても大きな影響を及ぼします。ぜひここに書かれていることを一つ一つ実践してみましょう。

 

きっと数ヶ月後にはお子さんとの関係性は激変することになります。

 

【不登校の関わり方についてはこちらもご覧ください】

 

どうしても難しいときは、一度ご相談ください

 

傾聴はトレーニングを行うことで格段にレベルアップしていきます。しかし「このやり方でいいのかな?」「聴いてるつもりだけど本当にできているのかな?」と悩まれる方も多いと思います。

 

当事業所ではお子さんとの対話に悩むお母さん、お父さんのお手伝いもしております。お子さんとの対話に悩まれる方は、一度無料相談をご利用ください。

 

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より良いお子さんとのコミュニケーションに向けて、一緒に取り組んでいきましょう。きっと今よりもお子さんも親御さんも率直な思いを話し合えるようになります。

 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

初めまして、不登校・ひきこもりカウンセラー(公認心理師)なかがわひろかです。

 

今このブログをお読みいただいている方は、お子さんの不登校のことで日々悩んでいらっしゃると思います。

 

私はあるひきこもりの青年と出会ったことをきっかけに「心の問題で悩む人たちの助けになりたい」と思い心理相談室OFFICE NAKAGAWAを2011年に立ち上げました。これまで12年以上にわたって親子のサポートや8050問題にも取り組んでいます。

 

学校に行けなくなったとき、お子さんも親御さんもどうしていいかわからなくなると思います。

 

私が得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、またそのご家族のケア

2. 心理療法を応用した学習サポート

3. 親子の関わり方

今が一番辛い時期だと思います。でもきっと脱け出すことができます。どうやったらいいのかという「具体的な方法」について一緒に考えていきましょう。

 

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