この記事では、不登校やひきこもり状態にあるお子さんに対して、親としてどのように関わることが大事なのかについてお伝えしています。

 

お子さんが学校に行きづらくなって、家に閉じこもるようになると、親としてとても心配されると思います。

 

対応において必要な「超基本」についてお届けします。

 

この記事でわかること

▶︎ 関わりのポイント

▶︎ 傾聴のコツ

▶︎ 困ったときの対応

 

子どもたちにとって親の存在はとても大きなものです。そのため親御さんの関わりは重要になりますが、どう接していいかわからない方も多いと思います。

 

基本のキから始めることで対応のコツを掴んでいただけたら嬉しいです。

 

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この記事を書いた人
▫️不登校・ひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️これまで280組以上の親子のサポートを行う

 

▶︎まず最初に行うこと

 

今みなさんはどのような不安を感じているでしょうか。

 

・不登校になって勉強のことは大丈夫だろうか

・将来の進学(高校や大学)のことが心配

・友達と楽しい思い出を作ってほしいけれど、一人で大丈夫だろうか

・ゲームやスマホに依存してしまうのではないだろうか

・不規則な生活になって昼夜逆転になってしまうのではないだろうか

 

お子さんが急に学校に行きづらくなって混乱するのは当然のことです。あたふたして、何をどうしていいかわからなくなります。

 

ときにお子さん本人にあたってしまうこともあると思います。お子さんが大変なことはわかっているけれど、どうして学校に行けないのか、と怒りの気持ちも湧いてきます。

 

誰だって自分の子を不登校にしようと思って子育てをしてきたわけではありません。元気に育ってくれたらと思って育ててきたわけです。学校に行けなくなるなんて考えたこともなかったと思います。

 

だからまずご自身が感じている思いを、しっかりと受け止めましょう。パートナーがいらっしゃったら、一緒に考えてみるのです。

 

自分たちはどんな不安を感じているだろう、どんなことに混乱しているだろう。思いのままに書き出してみましょう。

 

▶︎整理することで見えてくる思いがある

 

不安感が強いとき、焦ってしまうものです。まずご自身の気持ちを書き出し、どんなことに不安を感じているのかについて知る機会を設けます。

 

不安を書き出してから、それらを見つめ直してみましょう。そこに書かれている不安はきっとお子さんも感じていることになります。

 

お子さん自身も「学校に行かないといけないのにどうして行けないんだろう」「自分は将来ひきこもりになってしまうんだろうか」「高校も大学も行けなくなるんじゃないだろうか」そんな不安を抱いています。

 

不登校において、実は親も子も抱えている不安に大きな違いはありません。整理することで同じ不安を抱えていることに気づくことができます。

 

▶︎共感性を大事にする

 

 

同じ不安を抱えていることがわかると自然と「共感性」に変化が出てきます。「高校が不安だったら行かないといけない」と思っていたのが「そうだよね、不安になるよね」というようにです。

 

お子さんも解決がほしいのではなく、今の不安を一緒に抱えてくれる存在がほしいのです。それが一番身近な親だと心から安心することができます。

 

辛い、苦しい、悲しい、残念、そんな思いに「共感」を示すようにします。「そうだよね、辛いよね。苦しいよね」この一言が「自分は一人じゃないんだ」という安心感に繋がるようになります。

 

▶︎もし共感できないときは

 

 

それでも親と子の思いが全く同じということでもありません。親は学校に行ってほしいと思っているけれど、お子さんは行きたくないと思っていることもよく起こります。

 

「そうだよね行きたくないよね」と言うとそれは嘘になってしまいます。このときは「受容」を大事にします。「行きたくないという気持ちがあるんだね」というようにです。

 

受容はコミュニケーションにおいて「最も重要なもの」と言っても過言ではありません。コミュニケーションがうまくいかないときは、受容がなされていないからと言ってもいいくらいです。

 

ここでどうして受容が必要かというと、実はお子さんも本音として「学校に行かない」と思っているわけではないからです。

 

本当は行かないといけないと思っている。けれど「何か」があって行くことができません。この「何か」は簡単にわかるものでもありません。お子さん本人もわかっていないことの方が多いです。

 

けれど実際に行けていない自分に何かしら理由づけが必要だと思います。それが「行きたくない」「行かない」という意思表示です。「行かないんだから行けなくて当然」という論理が成り立ちます。

 

積極的に行きたいわけではないと思いますが、皆が学校に行っているときに一人家にいることはお子さんにとっても望んでいることではないのです。

 

だからこそまずその気持ちを丸ごと「受容」することが必要になるのです。

 

▶︎受容と共感を繰り返す

 

特に不登校の初期に重要なことは受容されることと共感されることです。この2つがあることでお子さんの中に「自分を受け入れてくれる場所がある」という「安心感」を育てることになります。

 

お子さんが不登校状態になると「親として何て声をかけたらいいか」と悩まれると思います。

 

しかしこの時期に大事なのは語ることではありません。それよりも「受容」し「共感」することの方が重要になるのです。

 

対応に困っている方ほど、まずこの2つを意識するようにしてみましょう。

 

ちなみにこの2つは今対応に行き詰まっている方にもおすすめになります。まずこの2つを実践できるように意識してみましょう。

 

▶︎対話が十分にできたら「率直力」を活かす

 

お子さんとのコミュニケーションが十分にできるようになったら、親の意見も「率直に」伝えるようにしましょう。

 

学校に行ってほしいと思っているならば「学校に行ってほしいと思っているよ」と正直に伝えるようにします。

 

本当は行ってほしいと思っているのに、「行かなくていいよ」というとお子さんは疑うようになります。

 

お子さんと向き合う中で大切なことは「嘘のないコミュニケーション」です。そのために必要なものが「率直力」になります。

 

しかし率直力をうまく発揮するのは難しいものです。ポイントがありますのでそちらを意識した上で意見を伝えるようにしてみましょう。

 

▶︎率直力の3つのポイント

 

ポイント1:人格否定は絶対にしない

これは当然と言えば当然のことです。いくら率直と言っても、お子さんの人格を否定したり、罵ったりするのは間違いです。

 

「本当にダメな子だね」というのと「この部分はもう少しできるようになってほしい」は相手への届き方が全くことになります。

 

率直力は相手を傷つけるために行うものではありません。自身の思いを的確に相手に届くように伝える能力のことを指します。

 

自分だったらどう言われたらいいだろうか。この視点は忘れないようにしましょう。

 

ポイント2:本当に伝えたい思いを掘り下げる

例えば「学校に行ってほしい」という思いがあったとします。しかしただそれを伝えてしまうと「どうして行ってほしいと思うの?」と聞かれたときに言葉に窮してしまいます。

 

どうしてその意見を伝えたいと思うのか、徹底的に掘り下げる必要があります。そのために「どうしてそう思うのか?」と何度も自問してほしいと思います。

 

もうこれ以上掘り下げられない、というところまで落とし込んだ思いが本音の思いです。その思いをお子さんに伝えるようにします。

 

ポイント3:アイメッセージで伝える

アイメッセージとは「自分を主語にして伝えるメッセージ」を指します。アイメッセージの「アイ」は英語の「I」です。

 

「あなたのためを思って」という言い方は「あなた」を主語にした「You メッセージ」です。これはなかなか相手に届きません。「自分のことは自分で考える」と言われたらそこまでになります。

 

「私はこのように思うよ」と自分を主語について伝えるようにします。そしてその後に「あなたはどう思う?」と意見を尋ねるようにします。

 

こうすることで親としての意見を伝えてくれた上で自分の意見も聴こうとしてくれているとお子さんは感じられるようになります。

 

▶︎率直力は一日してならず

 

自分を主語にして伝える言葉というのは意外に難しいものです。つい「学校に行かないと困るよ」「進学に影響するよ」と一般論を口にしてしまいがちです。

 

しかしお子さんが聴きたい言葉は、ネットで溢れている言葉ではなく、親としてどう思うのかという意見です。

 

ご自身が考える思いとはどのようなものか、掘り下げることを意識してから伝えるようにしてみましょう。

 

▶︎まずは自分を振り返る

 

不登校や引きこもりの対応において必要なことは、話しかける言葉よりも、まずご自身がどう今の状態を捉えているかを把握することから始まります。

 

そのために最初にお伝えした「整理」が有効になります。そしてもしよろしければカウンセラーをご利用いただくことも一考ください。専門家に相談することでより深く自己を分析することができるようになります。

 

不登校対応は不安ばかりが先に立つものです。しかしそんな中でも方法は見出すことができます。これからの親子関係を築き上げるきっかけになるものでもあります。

 

一人で辛いときは、いつでもお声がけください。一緒に考えるカウンセラーがここにいます。一緒に取り組んでいきましょう。

 

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■-Profile-■
初めまして、なかがわひろかです。
 
私は中学2年生の頃に不登校を、そして新卒で入社した会社でパニック障害を患ったこと経験があります。
 
この頃の経験をきっかけとし「心の問題で悩む人たちの助けになりたい」と思い心理相談室OFFICE NAKAGAWAを2011年に立ち上げました。これまで280組以上の親子のサポートや8050問題にも取り組んでいます。
 
学校に行けなかった頃「どうして自分は行けないんだろう」と思いました。パニック障害を療養中は「自分はもう社会から爪弾きにされたんじゃないか」と思いました。
 
きっとお子さんたちも同じような思いを持たれていると思います。そして親御さんも同サポートしていいかわからず、絶望の淵に立たされます。
 
私が得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、またそのご家族のメンタルケア

2. 心理療法を応用した学習サポート

3. 親子の関わり方

今が一番辛い時期だと思います。でもきっと今の状態から脱け出すことができます。どうやったらいいのかという「具体的な方法」について一緒に考えていきましょう。