魅惑の昭和歌謡 『恋人ジュリー』 三田明
三田明は、作曲家・吉田正のいわゆる吉田門下の一人。
昭和38年(1963年)、16歳、『美しい十代』(作詞:宮川哲夫 作曲:吉田正)でデビュー。
可愛いイケメンで、たちまち若い女性のアイドルとなり、橋幸夫、西郷輝彦、舟木一夫の御三家に加えて、四天王と呼ばれることとなりました。
『美しい十代』は、日活で浜田光夫主演で映画化されるまでになっています。
映画「美しい十代」での主題歌『みんな名も無く貧しくけれど』も三田明が歌っている。
このタイトル、いかにも高度成長期の金の卵がいかに多かったが分かります。
その後も、『ごめんねチコちゃん』、『若い翼』などヒットし、吉永小百合とのデュエット『明日は咲こう花咲こう』では、同名の映画でも共演しています。
三田明が大人の歌に挑戦したのが、昭和41年(1966年)『恋人ジュリー』。
まだ、沢田研二が出る前です。
ちなみに、沢田研二がジュリーと呼ばれるのは、顔立ちが女優ジュリー・アンドリュースに似ているからとか。
『恋人ジュリー』は、吉田正の作詞・作曲の歌謡曲ぽさが前面に出た曲です。
どこへ行ったのジュリー
いとしのジュリー
愛の灯ともして 祈ってる
きっと逢える いつか逢える
信じてる僕なんだ
窓うつ雨 つめたい風
こんな夜は君のこと
思い出させるジュリー
いとしのジュリー
逢わせてお願い マリアさま
突如消えた恋人ジュリー(どこの国の人だ?)
どこかで自分が来るのを待っている。
でも探す手段が見つからない。そんなもどかしさを感じます。
で、逢わせてと祈るのは神仏ではなく、マリア様ってところも、この頃の歌っぽい。
安達明『女学生』、ペギー葉山『学生時代』とかもミッションスクール的な歌詞がある。
三田明/吉田正は、続く『夕子の涙』でも、突然夕子さんが居なくって、三田明は飲めぬ酒を飲むこととなります。
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