クライマーズ・ハイ
試写会で観ました。
1985年8月12日、
群馬県の地方新聞社・北関東新聞社の遊軍記者で、
翌日の朝刊作りに追われていた悠木和雅は、
19:36分発の電車で谷川岳に向かう予定だった。
目的は過去780人もの死者を出している難所・衝立岩へのアタック。
パートナーは販売局員の安西耿一郎。
悠木が出かけようとしたその時、
テレビは、群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落、
死者520人の大惨事を伝える。
白河社長の鶴の一声により、
悠木が全権デスクに任命される。
地元で起こった大事件。
未曽有の大事故を報道する紙面作り―闘いの日々が幕を開けた。
この事故、はっきり覚えています。
クラスメートのお父さんが、この飛行機に乗るはずだったのが
変更になったと言ってたのが印象的でした。
この事件のドキュメンタリーも
題材にしたドラマや舞台も見ました。
今でもこの事件には深い関心がありますが、
「魍魎の匣 」「突入せよ! あさま山荘事件 」が私の好みに合わなかった
原田眞人監督ということでちょっと心配。
そして原作は、これも私にはいま一つだった映画、
「半落ち 」の横山秀夫氏ということで心配でした。
冒頭、堤真一氏と高島政宏氏の芝居芝居した芝居に
ますます不安になったのですが、
全体的には結構良かったです。
中曽根さんの公式参拝とか、
忘れていたこともあり、
何よりもう記憶が薄れかかっている
事件の真相に迫るドキドキ感を
新鮮に体現できました。
事故当時、作家の横山氏は
地元紙の社会部記者として取材に奔走したそうなので
新聞社の緊迫感と臨場感がありました。
ただ、人間関係がセリフだけだったのでわかりにくかった。
最初だけでも字幕があったらよかったと思いました。
私だけかな?f(^^;)
他にも、わかりにくいところがいくつかあり、
例えば、乗客名簿の9歳の少年の名前で悠木がリアクションするのですが
その前のシーンで彼の子供とのシーンがあるので
関係あるのかと思ってしまいました。
「魍魎の匣 」や「金融腐蝕列島 〔呪縛〕」でもそうでしたが、
この監督はアドリブっぽいシーンを入れたりするのが好きみたいで
それがいつも逆にわざとらしかったりするのですが、
今回はそのぐだぐだ感が生きてたように思えました。(笑)
クライマーズ・ハイとは、
登山時に興奮状態が極限まで達し、
高さへの恐怖感が麻痺してしまう状態だそうで、
スクープの可能性に目がくらみ、
突進してしまう記者の状態と重ねています。
この作品は日航機事故をモチーフにしてますが、
この事故を描きたかっただけではないというのは
わかりました。
ただ、あの事故はやはり大きすぎて
私には悠木の山のエピソードがいらないような感じを受けました。
それにしても胸が痛む事故です。
524名のうち生存者は女性4名。
今、どうしてらっしゃるんでしょうか。。。
ストーリー ★★★
映像 ★★★
音楽 ★★★
総合評価 ★★★