今回は、奴隷貿易が世界に与えた影響第3弾「生活革命、ファッション革命」についてです。


 18世紀、茶・砂糖・コーヒーなど奴隷貿易や植民地からの輸入品が市民にも広まりました。これを、一般的に生活革命と呼ばれています。


今回はこの生活革命を下記2点から黒人奴隷貿易が与えた影響について考えたいと思います。
 ①コーヒーハウスと喫茶の普及
 ②綿織物の普及

 
 さて、①コーヒーハウスと喫茶の普及についてです。
  
 ヨーロッパ最初のコーヒー・ハウスは、コーヒーが普及していたイスラム世界との交通の要所であったヴェネツィアに1645年に誕生したと言われ
ていますが、イギリスの最初のコーヒーハウスは、1650年、オックスフォードにユダヤ人が開いたものだといわれ、発祥の地であるオックスフォードでは、1654年に開業したクイーンズ・レイン・コーヒー・ハウスが現在も営業を続けています。さすが、イギリスですね(^^)


 下記の1657年のコーヒーハウスの新聞広告のように、コーヒーは健康飲料として広まり、18世紀初頭のロンドンには3,000軒を越すコーヒー・ハウスがあったと伝えられています。
 
 新聞広告:バーソロミュー通りの旧両替所の裏側で、コーヒーという飲み物を、午前と午後3時に販売します。コーヒーは、胃の穴をふさぎ、体
温を高めに維持し、消化を助け、精神を奮いたたせ、心臓の働きを活発化させる。また、目の腫れ、咳、風邪、体力消耗、頭痛、痛風、壊血病などに効果があります。
 
 コーヒーハウスの増えたのもコーヒー豆の供給地ができたことが重要なことで、そのコーヒー豆の大量生産は黒人奴隷貿易が大きく関与しています。


 コーヒー豆は西アフリカから購入した黒人奴隷によって生産されました。


 その生産地は今では最高級品質ブルーマウンテン(ジャマイカ)をはじめとして、産地(かっこ内は2009年の世界供給量の割合)としてはブラジル(33.1%)、コロンビア(7.1%)、メキシコ(3.5%)、ホンジュラス(3.0%)、グアテマラ(2.9%)とコーヒー豆生産量TOP10の5カ国を占め、黒人奴隷貿易の影響によって中南米で生産され、今では世界のコーヒーの約半分を占有しています。
 
 今の私たちのコーヒーがどこでも飲めるのも黒人奴隷貿易が大きく影響していると思います。


 さて、当時のコーヒー・ハウスでは客は男性ばかりで、酒は出さず、コーヒーやたばこを楽しみながら、新聞や雑誌を読んだり、客同士で情報交換もさかんにおこなわれ、ジャーナリズムが発展する温床のひとつともなっていました。
 
 『ロビンソン・クルーソー』の著者ダニエル・デフォーも1704年に新聞『レヴュー』を発行し、近代ジャーナリズムの火付け役となっています。
 
 こうしたコーヒー・ハウスでの談義や世間話は、近代市民社会を支える世論を形成する重要な空間となり、イギリス民主主義の基盤としても機能
したといわれています。


 また、「ロイズ・コーヒーハウス」には、船主たちが多く集まり、店では船舶情報を掲載した「ロイズ・ニュース」を発行していました。


 やがて、店で船舶保険業務を取り扱うようになり、これが保険会社ロイズ(ロイズ保険組合)の起源とされています。


 このロイズは黒人奴隷貿易船の保険金で大きな利益をあげ、現代ではロイズ保険組合として世界最大級の保険市場となっています。


 この非人道的な利益をあげたため、2004年、アメリカたばこメーカーR.J.レイノルズ・タバコ・カンパニーとともに黒人奴隷の子孫であるアメリカ人に訴訟を起こされています。


 このように黒人奴隷貿易によって、現代の①中南米のコーヒー産地、②ジャーナリズム、③民主主義、④保険市場に大きく影響を与えました。


 次に②綿織物の普及についてです。

 ヨーロッパの市民階級が徐々に裕福になっていく中、保湿・吸水性にすぐれ、肌ざわりもよく、安価で装飾に適した綿織物の人気は上昇していき、18世紀のヨーロッパに「ファッション革命」をもたらしました。
 
 この革命により、如何に大量の木綿原料を入手し、如何に綿製品を安価に大量に生産するかをめぐる競争や抗争は、18世紀以降の世界史を大きく
動かしました。


18世紀における

①大西洋貿易覇権やインドにおけるカーナティック戦争をはじめとする英仏間抗争

②アメリカ南部での綿花プランテーションの開始

③イギリス産業革命における技術革新

などは歴史に大きく影響を与えました。


 これらの歴史に対し、黒人奴隷貿易は

上記①では大西洋貿易の利益の根源であり、

上記②では黒人奴隷が労働力になり、

上記③ではイギリスが黒人奴隷利益が産業革命の発明の資金になり、黒人奴隷貿易が世界経済や歴史に大きく影響を与えたことがお分かりになると思います。



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