SSRIのうつと不安に効くメカニズム | kyupinの日記 気が向けば更新

SSRIのうつと不安に効くメカニズム

先日、古い製薬会社のパンフレットを整理していた際、SSRIの作用について記載されたものを発見。下敷き仕様になっており、表裏2枚しかないが、シンプルにわかりやすく書かれている。

 

このパンフレットは2007年10月明治製菓株式会社によるもので、おそらくデプロメールを想定していると思われる。

 

SSRIはセロトニンを相対的に効果を高める作用を持つが、うつと不安では脳への作用点が異なることがわかる。

 

 

むしろ裏面のこちらの方が、読者の方には参考になるのではないかと。

 

精神疾患には様々な精神症状が重層していることも多く、精神科医により診断(見立て)が異なる要因の1つである。上のパンフレットを見ると、診断が変わったとしても、「以前は誤診されていた」という表現は、少し違うのがわかると思う。

 

「パニック障害の50~60%にうつ病が併存」などいろいろな記載があるが、このうつ病というのはそのまま訳したからこうなるのではないかと思うが、昔の「うつ病」とはイメージが異なる。

 

昔の「うつ病」は内因性うつ病圏内を言うことが多く、昔風に言えばこの記載は、「パニック障害の50~60%にうつ状態が併存」という感じになる。その理由は、パニック障害は神経症であり、内因性疾患ではないからである。

 

未だにこのブログでは、パニック障害には「うつ病」が併存と言った記載は1度もないはずである。必ず「うつ状態」と記載している。(ただし引用例にはうつ病の表現もある)

 

個人的に、モーズレイなどでよく出てくる「双極性うつ病」というネーミングにもかなり抵抗がある。双極性障害は内因性疾患なので、うつ病という用語はパニック障害に比べずっと使いやすいはずだが、かつて「双極性うつ病」なんて言葉は聴いたことがなかったからである。

 

この場合、「双極性障害のうつ状態」くらいが記載しやすい。

 

参考

現在の境界型人格障害と広汎性発達障害

リフレックスはなぜ不安に効くのか?