体内時計 | kyupinの日記 気が向けば更新

体内時計

子供の頃、家には目覚まし時計がなかった。嘘みたいだが本当の話だ。母親が自分の体内時計で、きっちり同じ時間に起きていたので問題なかったのである。

自分は、どうかというと、今でも目覚まし時計はほとんど必要ない。

というのは、毎日、目覚まし時計が鳴る数分前に目覚めるからである。数分どころか、数秒以内の正確さである。このメカニズムは多かれ少なかれ誰にもあると思うが、たいしたものだと思う。

そう思う大きな理由は、いかなる時間に寝ても、全く同じ時刻に目が覚めるからである。つまり、トータルの睡眠時間に関係していない。


いつだったか、朝5時頃、突然、病棟から電話があり起こされて指示を出した。いかなる内容だったか覚えていないが、当直医がいるのに、院長に電話があるということは重要なことだったのであろう。

その日は体内時計が狂ったのである。目覚まし時計を自分で眠りながら切り、そのまま寝ていた。

嫁さんは、元々体内時計が出来が悪く、やはり目覚めず一緒に寝ていた。これはその電話のベルで一緒に起こされたこともある。結局、夫婦で同じように別々に目覚まし時計を止め、完全に寝過ごしたのである。

なお、設定の起床時刻は、自分の方が嫁さんより15分ほど早い。これは朝食を食べないため。

その後、事務長から電話があり、やっと目を醒ました。時刻は、

なんと9時半!

あまりに驚き、高速で着替え30分以内には病院に着いた。外来患者さんたちが待っていたからである。

当時、自分の病院は自分しか勤めておらず、代わりに診てくれる人などいなかった。その頃、入院患者、外来患者、全員を自分1人で診ており、よく死ななかったものだと思う。

なお、日本人の睡眠時間は、徐々に短くなっており、近年の睡眠時間は、

平日  7時間14分
土曜日 7時間37分
日曜日 7時間59分


と言われる。日本人は休日に寝溜めするようなパターンになっているが、自分はこれができない。睡眠時間が決まっているからである。2度寝すれば良いがこれも苦手。

数年前から5時間睡眠で生きていけるが、若い頃はむしろ一般の人より睡眠時間が必要な方であった。5時間で良いというが、どこか麻痺しているような感じもしている。これは本人にしかわからない感覚だが。 

一般に不眠は、女性の方が男性より多いらしい。過眠も(調べたわけではないが、)女性の方が多いような気がする。

中学生~高校生で妙に眠がる人(いつも眠い子供)は、成人になり、双極性障害を発症することがある。これはよく病歴を聴いていると、たまに聞くことができる。

一般に酷い眠さを訴える人は、若い人に多い傾向はあるようである。

夜明るすぎることは不眠の原因になる。それはメラトニンを強い光が抑制することも関係している。その意味で、明るすぎるLEDは不眠の原因になるので、リビングなど家庭で寛ぐ場所にはLED以外の照明を使った方が、睡眠バランスを崩さないと思う。

うちでは、リビングだけは旧来の蛍光灯による照明のままだ。(20年くらい使用している。一度LED照明に買い換えることも考えたが、気が変わりやめた。)

参考
メラトニン
光療法と睡眠相後退症候群
LED電球の種類と明るさについて
軽くカルチャーショック
野茂英雄
双極性障害の周期的傾眠について(8)