ラミクタールの中毒疹の随伴症状 | kyupinの日記 気が向けば更新

ラミクタールの中毒疹の随伴症状

ラミクタールは現在、4剤型が発売されている。成人用としては25mg錠と100mg錠で、いすれも角が丸くなった正方形で概ね円形に近い。表面には25、100と用量の記載がある。(もちろん大きさも違う)。

また、小児用に2mg錠と5mg錠があり、5mg錠のみちょうど25mgのジェイゾロフト錠のように細長い形状になっている。

2011年3月の震災時、避難所では結構けいれん発作があったという。これは種々の理由があるが、てんかんの診断を受けていない人でも、例えば連日飲酒していた人が突然、酒を飲まなくなると痙攣が起こることがある。また、高齢者には意外にてんかん患者さんが多い(有病率が高い)ことも関係している。


また、てんかんの診断を受けていて服薬をしている人でも、着の身着のままで避難してきた人では薬がなかった人もいたと思われる。避難所はストレスフルであるし、ろくに眠れないため、痙攣が起こりやすい条件が揃っている。(不眠はてんかん発作のリスクになる)。

震災地では、早期にDMATが活躍し、とりあえずデパケンRが大量に使われたようである。デパケンRは未だになぜ痙攣に効くのかよくわかっていない薬だが、副作用が比較的少ないことや広い範囲のてんかんに有効であるため使われたものと思われる。

なお、DMATは災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Teamから来る。これは阪神・淡路大震災時に医療の対応が遅れたために亡くなった人が少なからずいたことから創設されている。

震災時に、ラミクタールを100~200mg服用していて、大きい剤型のラミクタールが手に入らないことがあったらしい。小児用の2mg、5mg錠は在庫にあったため、これらを毎日大量に服用していた人もいたらしい。(一般的に、1日100mg服用している人に、ラミクタール5mgを20錠処方したらレセプトで減点になる)。

今回は、ラミクタールを開始後、怪しげな湿疹が出現した際に(この時点で中止すべきだが)、深刻な中毒疹に発展しかねない所見を挙げる。これはグラクソの注意喚起のパンフレットにも記載されている。

①38度以上の高熱が出る。
②全身がだるい。
③目が充血する。
④唇がただれる。
⑤喉が痛い。


湿疹が出た上に上記のような随伴症状がある時は、すぐに主治医や薬剤師に相談すべきである。

なお、日本でラミクタールが発売されて以降、医師が最初からラミクタールを50mg投与し、スティーブンス・ジョンソン症候群が生じた例もあったらしい。処方ルールは厳格に守るべきだし、急ぐ必要はあまりないのでゆっくり増量することが重要である。

参考
ラミクタールとスティーブンス・ジョンソン症候群
ラミクタールと重篤な中毒疹