震災とツムラの漢方薬
現在、ツムラは茨城工場の震災被害のため、汎用される漢方薬の供給に影響が出ているようである。ツムラのホームページでは、「2011年5月上旬には全製造工程において操業を再開する」と記載されている。6月には供給体制が整う見込みらしい。現在のところ、現場では長期処方を避けることで対応している。
漢方はかなりの種類があるが、多く処方される漢方はよほどの専門医でない限り限られている。普段処方されない漢方薬は今でも十分な在庫があると思われる。(6月までならば)。
以下、汎用される漢方で不足した際、代替可能な漢方の紹介である。証が微妙に異なり飲み心地が変わったり、期待した効果がないこともあるかもしれない。
①ツムラ1(葛根湯)
感冒の定番といえる漢方薬。肩痛にも良い。ただ漫然と投与すると電解質異常が生じることがある。
ツムラ127(麻黄附子細辛湯)またはツムラ45(桂枝湯)
あるいは、ツムラ127とツムラ45の併用療法。
②ツムラ2(根湯加川辛夷)
この薬は急性副鼻腔炎などに使う。慢性期でも悪くはなかろうが、慢性期はむしろツムラ50(荊芥連翹湯)の方が良いと思う。患者さんによると、この2つは、あまり効果は変わらないという意見が多い。
ツムラ104(辛夷清肺湯)
③ツムラ9(小柴胡湯)
かつて肝炎に広く使われていたが、今は間質性肺炎の注意喚起が出て以降、処方数が激減している。間質性肺炎は癌を併発しているとか重度の肝硬変があるなど、かなり衰弱している人でしか生じないと思うが、万一起こった場合、あまりにも大きな疾患なので処方し辛い。ツムラ9は風邪や肺炎の回復期にも非常に有効である。
ツムラ10(柴胡桂枝湯)
④ツムラ12(柴胡加竜骨牡蛎湯)
効能は過去ログ参照。精神科では人気のある漢方。
ツムラ35(四逆散)とツムラ26(桂枝加竜骨牡蛎湯)の併用。
⑤ツムラ14(半夏瀉心湯)
悪心、嘔吐、食思不振、下痢などに有効。漢方は概ね便秘に効く薬が多いが、これは下痢にも有効である。
ツムラ120(黄連湯)
⑥ツムラ17(五苓散)
けっこう使われている漢方ではないかと思う。水の循環を良くする。吐き気、浮腫、めまいなどに有効。利尿作用もあり、また二日酔いにも良い。
ツムラ114(柴苓湯)またはツムラ117(茵蔯五苓散)
⑦ツムラ19(小青竜湯)
アレルギー性鼻炎の定番。非常に評判が良い(過去ログ参照)これが足りないなら、西洋薬のアレグラやザイザルで十分ではないかと。
ツムラ119(苓甘姜味辛夏仁湯)またはツムラ127(麻黄附子細辛湯)
⑧ツムラ23(当帰芍薬散)
婦人科系の漢方。月経困難、不妊症、更年期障害などさまざまな症状に使われる。精神科でも補助的に使われないわけではない。
ツムラ106(温経湯)
⑨ツムラ24(加味逍遙散)
精神科ではあまりにも有名。神経症に処方される。ツムラ24とツムラ12は熱烈なファンがいる。
ツムラ67(女神散)またはツムラ106(温経湯)
⑩ツムラ29(麦門冬湯)
過去ログ参照。痰の多い気管支炎や気管支喘息に劇的に効くことがある。これで治らないような慢性の咳は、百日咳など静かに流行っている感染症なども考慮する。マイコプラズマも同様。
ツムラ93(滋陰降火湯)
⑪ツムラ41(補中益気湯)
精神科でも慢性倦怠系の人には定番。結構人気のある漢方である。過去ログにも何度か出てきているので興味ある人は検索してほしい。更に体の弱い人はツムラ48(十全大補湯)を使う。十全大補湯で良いような人はツムラ41ですら重いという。
ツムラ108(人参養栄湯)これは高価な漢方である。「にんじん」と書いてる時点で高い。
⑫ツムラ43(六君子湯)
極めて有名な漢方。名前からして良いといったところ(笑)。胃薬系である。
ツムラ75(四君子湯)
⑬ツムラ48(十全大補湯)
上記参照。
ツムラ108(人参養栄湯)
⑭ツムラ60(桂枝加芍薬湯)
過敏性腸炎の人にお勧め。この漢方はなんと下痢にも便秘にも有効である。若い頃から過敏性腸炎でいつも下痢をしていたような人は、加齢とともに便秘傾向になりやすい。このような人にピッタリだったりする。
ツムラ99(小建中湯)
⑮ツムラ68(芍薬甘草湯)
こむらがえりに有効。この薬に限らず、カンゾウが入っている薬は電解質異常を来たすことがあるので注意が必要。この芍薬甘草湯はけっこう評判の良い漢方である。
ツムラ35(四逆散)
⑯ツムラ96(柴朴湯)
気管支喘息や気管支炎に使われるが、いわゆる神経症のヒステリー球にも使われるので、比較的精神科で使われる漢方なのではないかと思われる。
ツムラ16(半夏厚朴湯)またはツムラ35(四逆散)、あるいはこの2つの併用。ツムラ16は精神科で比較的処方される漢方である。
⑰ツムラ100(大建中湯)
過去ログ参照。
ツムラ99(小建中湯)またはツムラ32(人参湯)、あるいはこの2つの併用。
⑱ツムラ134(桂枝加芍薬大黄湯)
虚弱な人の腹部膨満、便秘に使う。
ツムラ51(潤腸湯)またはツムラ126(麻子仁丸)
参考
柴胡加竜骨牡蛎湯
附子
慢性倦怠のおばあちゃん(後半)
漢方はかなりの種類があるが、多く処方される漢方はよほどの専門医でない限り限られている。普段処方されない漢方薬は今でも十分な在庫があると思われる。(6月までならば)。
以下、汎用される漢方で不足した際、代替可能な漢方の紹介である。証が微妙に異なり飲み心地が変わったり、期待した効果がないこともあるかもしれない。
①ツムラ1(葛根湯)
感冒の定番といえる漢方薬。肩痛にも良い。ただ漫然と投与すると電解質異常が生じることがある。
ツムラ127(麻黄附子細辛湯)またはツムラ45(桂枝湯)
あるいは、ツムラ127とツムラ45の併用療法。
②ツムラ2(根湯加川辛夷)
この薬は急性副鼻腔炎などに使う。慢性期でも悪くはなかろうが、慢性期はむしろツムラ50(荊芥連翹湯)の方が良いと思う。患者さんによると、この2つは、あまり効果は変わらないという意見が多い。
ツムラ104(辛夷清肺湯)
③ツムラ9(小柴胡湯)
かつて肝炎に広く使われていたが、今は間質性肺炎の注意喚起が出て以降、処方数が激減している。間質性肺炎は癌を併発しているとか重度の肝硬変があるなど、かなり衰弱している人でしか生じないと思うが、万一起こった場合、あまりにも大きな疾患なので処方し辛い。ツムラ9は風邪や肺炎の回復期にも非常に有効である。
ツムラ10(柴胡桂枝湯)
④ツムラ12(柴胡加竜骨牡蛎湯)
効能は過去ログ参照。精神科では人気のある漢方。
ツムラ35(四逆散)とツムラ26(桂枝加竜骨牡蛎湯)の併用。
⑤ツムラ14(半夏瀉心湯)
悪心、嘔吐、食思不振、下痢などに有効。漢方は概ね便秘に効く薬が多いが、これは下痢にも有効である。
ツムラ120(黄連湯)
⑥ツムラ17(五苓散)
けっこう使われている漢方ではないかと思う。水の循環を良くする。吐き気、浮腫、めまいなどに有効。利尿作用もあり、また二日酔いにも良い。
ツムラ114(柴苓湯)またはツムラ117(茵蔯五苓散)
⑦ツムラ19(小青竜湯)
アレルギー性鼻炎の定番。非常に評判が良い(過去ログ参照)これが足りないなら、西洋薬のアレグラやザイザルで十分ではないかと。
ツムラ119(苓甘姜味辛夏仁湯)またはツムラ127(麻黄附子細辛湯)
⑧ツムラ23(当帰芍薬散)
婦人科系の漢方。月経困難、不妊症、更年期障害などさまざまな症状に使われる。精神科でも補助的に使われないわけではない。
ツムラ106(温経湯)
⑨ツムラ24(加味逍遙散)
精神科ではあまりにも有名。神経症に処方される。ツムラ24とツムラ12は熱烈なファンがいる。
ツムラ67(女神散)またはツムラ106(温経湯)
⑩ツムラ29(麦門冬湯)
過去ログ参照。痰の多い気管支炎や気管支喘息に劇的に効くことがある。これで治らないような慢性の咳は、百日咳など静かに流行っている感染症なども考慮する。マイコプラズマも同様。
ツムラ93(滋陰降火湯)
⑪ツムラ41(補中益気湯)
精神科でも慢性倦怠系の人には定番。結構人気のある漢方である。過去ログにも何度か出てきているので興味ある人は検索してほしい。更に体の弱い人はツムラ48(十全大補湯)を使う。十全大補湯で良いような人はツムラ41ですら重いという。
ツムラ108(人参養栄湯)これは高価な漢方である。「にんじん」と書いてる時点で高い。
⑫ツムラ43(六君子湯)
極めて有名な漢方。名前からして良いといったところ(笑)。胃薬系である。
ツムラ75(四君子湯)
⑬ツムラ48(十全大補湯)
上記参照。
ツムラ108(人参養栄湯)
⑭ツムラ60(桂枝加芍薬湯)
過敏性腸炎の人にお勧め。この漢方はなんと下痢にも便秘にも有効である。若い頃から過敏性腸炎でいつも下痢をしていたような人は、加齢とともに便秘傾向になりやすい。このような人にピッタリだったりする。
ツムラ99(小建中湯)
⑮ツムラ68(芍薬甘草湯)
こむらがえりに有効。この薬に限らず、カンゾウが入っている薬は電解質異常を来たすことがあるので注意が必要。この芍薬甘草湯はけっこう評判の良い漢方である。
ツムラ35(四逆散)
⑯ツムラ96(柴朴湯)
気管支喘息や気管支炎に使われるが、いわゆる神経症のヒステリー球にも使われるので、比較的精神科で使われる漢方なのではないかと思われる。
ツムラ16(半夏厚朴湯)またはツムラ35(四逆散)、あるいはこの2つの併用。ツムラ16は精神科で比較的処方される漢方である。
⑰ツムラ100(大建中湯)
過去ログ参照。
ツムラ99(小建中湯)またはツムラ32(人参湯)、あるいはこの2つの併用。
⑱ツムラ134(桂枝加芍薬大黄湯)
虚弱な人の腹部膨満、便秘に使う。
ツムラ51(潤腸湯)またはツムラ126(麻子仁丸)
参考
柴胡加竜骨牡蛎湯
附子
慢性倦怠のおばあちゃん(後半)