2007-01-12 18:49:35

プロピタン

テーマ:プロピタン
一般名;フロロピパミド
ブチロフェノン系抗精神病薬。1965年発売。現在はエーザイおよびサンノーバから販売されている。剤型は50mg錠と細粒がある。薬価は安く、50mg錠で16.7円。細粒についてもこのくらいになっている。錠剤は薄い黄色の円形の形状であり、表面にエーザイを示すεのマークのような文字と112の数字が書かれている。なぜ112なのか謎であるが、エーザイの会社の判別番号なのであろう、というか僕はそう思った。

剤型についての感想だが600mgまで処方できるのに50mg錠しかないのは、まるっきりやる気がないのではないかと。会社に。処方する身にもなってほしい。一応600mgまで処方可能なので、600mgまで処方すれば200円近くかかるが、これは古い薬にしては安くはない。ただ、この薬物の特性から、600mgまで処方されることはあまりないのではないかと思われる。ちょっと気になったので、ジェネリックが存在するのか、去年くらいに調べたことがあった。やはりと言ってはなんだが、ジェネリックはなかったのである。現代社会では、もはやあまり処方されていない薬なのであろう。

ブチロフェノン系の抗精神病薬としては、少し変わっている薬物と言える。なぜなら、ブチロフェノンにしてはあまりにも力価が低いから。普通、数百ミリ単位で処方するブチロフェノンは珍しい。僕は、15年前くらいにそこそこ処方していたことがある。とにかく副作用は少ないので、年配の患者に処方していたのである。しかし今思えば、僕は2000年頃まで、プロピタンについてよく理解していなかった。

うちの病院に2000年5月に来た時、プロピタンの処方がやたら多く、なんという変な病院だろうかと最初は思った。処方に関してだけど。それに、うちの病院には、当時リスパダールすら採用されてなかったのである。しかし全般に患者さんが落ち着いており、しかも副作用も少ないので、時間が経つにつれてプロピタンは非常に良い薬だと思うようになった。従来継続中の患者さんに加え、今でも新規にプロピタンを処方することがあるのである。

うちの病院での当時のプロピタンの処方量だが、150~300mgくらいが多く、たまに450mg処方されていたが、450mg以上の処方は非常に少なかった。プロピタンについて等価換算表を見ると、プロピタン200mgがリスパダール1mgと同等とされているがそんなことはない。僕が言うのだから間違いない。プロピタンの最高量600mgがリスパダール3mgに相当するならば、プロピタンは極めて非力な抗精神病薬になる。少なくとも臨床的には副作用が少ないだけで、もう少し力があるような気がしている。このような等価換算表をみると、あたかも力価が低いから、副作用も少ないように見える。普通、プロピタンは錐体外路系副作用が少なく、鎮静、睡眠作用が強いと言われるが、僕は鎮静作用も少ない感覚がある。少なくとも、眠さを強く訴える人は少ない。

プロピタンは古い薬物なので、薬物プロフィールの円グラフも見つけることができなかったが、以下のような特徴を持つとされている。

D2   +
α1  ++
mACh +++
5HT2 ++++
H1 ++


相対的に、5HT2遮断作用が強いことが特徴なのである。たぶんプロピタンの副作用が少ないことは、単に力価が低いだけでなくSDA的な薬物だからであろう。結局、リスパダールが採用されていなくても、プロピタンで十分だった。非定型抗精神病薬が錐体外路系副作用が少ないと言う定義なら、プロピタンはそれに含めても良いくらいなのであるが、陰性症状への効果は、ジプレキサやエビリファイに劣るような感覚がある。現在でも、うちの病院ではプロピタン100mgだけとか、50mgだけというシンプルな処方が存在する。それでも以前に比べ、プロピタンの処方数は減少している。

プロピタンを処方する方からの感想だけど、患者さんが「よどんだ」感じにならないのが良い。フェノチアジン系の薬物や、セレネース、リスパダールの大量、ベンゾジアゼピンを多く服用しているケースでは、いかにも「私は精神薬を飲んでいますよ」といった顔になる。プロピタンにはそれがない。非常にクリアで、多分、認知に対する副作用も少ないのではないかと思われる。

薬物プロフィール的には、体重増加の副作用があってもおかしくないであろうが、体重に対しての増加作用もかなり少ないと感じる。これはたぶん、基本的にブチロフェノンだからだろう。以前うちの病院で勤めていた薬剤師さんと、時々一緒に飲むのだが、「プロピタン、良い薬ですよね」と言う話が今も出てくる。最近、プロピタンによる治療で、一生忘れないような経験をした。これは「3人目の女性患者」という項に改めたい。

参考
QT時間延長

コメント

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1 ■リスパダール…割れない時

エビリファイへの興味は残しつつも、すっかりプロピタンのファンになってしまったものでサルベージさせてください。

リスパダールを少量0.25mgとか使いたいのに粉末では不便だなぁ、というときにプロピタン50mg1錠なんて便利な使い方かなぁ?なんて思いました。液は高いし。実際のところはわかりませんが、メーカーはリスパダールを作る際にプロピタンをお手本にしたというウワサを聞いたことがあります。

2 ■プロピタン50mg

僕の患者さんでプロピタン50mgだけという入院患者さんがいます。まったく副作用もありません。僕の感覚では、
プロピタン100mg=リスパダール1mg~1.3mg
といったところです。

だからリスパダール0.25だと、25mgくらいなんでしょうね。プロピタン50mgというのは本当に飲む意味があるんだろうか?といった感じです。

いつだったか、国際学会でプロピタンは非常にSDA的な薬物であるという話題が出ていたらしいです。MRさんの話ですが。今、プロピタンが処方されている病院は少ないような気がします。最近でも、アンプリット150mgの患者さんを紹介しようとしたら、むこうの精神科医にアンプリットは何か他の向精神薬のジェネリックだと勘違いされたほどです。

3 ■プロピタン

力価的にはコントミンと同じくらいなんですね。まあ多分リスパダールでも0.5mgくらいからでしょうねぇ。^^;

リチウムに軽くブーストかけるような用途ではあまりブチロフェノンは使われないようですが、コントミンよりは多分頭がハッキリするように思いました。コントミン50mgてそれだけで離人感でますもの。

高プロラクチンや肥満の副作用はひょっとしてリスパダールより少ないのでは?

4 ■>>ブミ

たぶん、肥満は少ないと思います。高プロラクチン血症もあまり経験がありません。これを使っている人を知っているのですか?

5 ■プロピタン…想像です。

誤解を招く書き方になっていました。すいません。
>コントミンより…頭がハッキリするように思いました
というのは、本文を読んで僕が感じたことです。

使ってはどうかな?と思う人を知っているのです。症状はドグマチールのところで先生がコメントされていた軽い関係念慮(多分醜形恐怖が背景にあるかも)くらいで、コントミン50mgとか、ルーラン8mgとかを試されているようです。ルーランだとアカシジアが出るのにコントミンだと大丈夫(まあそういうこともあるでしょう)みたいですが、眠くてタルイそうなんでプロピタンいかがかな?と思ったのです。でも、普通の調剤薬局にはなさそうですね。^^;

6 ■>>ブミ

プロピタンは処方したことがない人もいると思うので、エビリファイ以上にリクエストして処方してもらえる可能性は低いのではないかと。知らない薬は、責任が持てないので相当に処方しにくいものです。プロピタンは150mg以下だとかなり軽い薬です。

この量だとパンチがないですね。(ドグマチールよりは効き味が違います。)

7 ■年上のお薬

ありがとうございます。近所のヒマそうな調剤薬局の顔見知りのお兄ちゃんに今日会ったので聞いてみたら、プロピタン在庫ありでした。ビックリ。(・o・)そこは、近くにある蔦がからんでるような古い病院の処方を受け付けるのでまだ現役なのかもしれません。

>>プロピタンは処方したことがない人もいる
確かに、僕よりプロピタンのほうが年上でした。(w

8 ■プロピタンの在庫

プロピタンが置いてあるというのは、つまり処方があるということなのでしょう。プロピタンは面白い薬ではあると思っています。

9 ■プロピタン処方されていた

人がいました。何年も前の資料を見ていたら弟が国○台病院に入院した時プロピタン600mg+インプロメン18mgでした。数ヶ月入っていましたが全く激躁が治らないまま帰されてしまいました。カイゼルさんもこの病院でプロピタン投与されていたと思うので好きな先生がいるのかもしれません。

10 ■>>ブミ

躁状態では、僕はそのような処方はあまりしません。インプロメンと言うのが謎です。

11 ■そもそも

躁状態と認識されていなかったのです。「私は神だ」状態で、虚心坦懐に見れば躁状態なんですが、10年以上分裂病と診断されていて怠薬でぶっ飛んだので、離脱もあって幻覚妄想状態以外には見てもらえなかったのでしょう。診察した医師は感情障害では大変有名な先生なんですが…。インプロメンは恐らくセレネースでEPSが出たので使ったようです。その他ヒルナミン400mgなども併用されていましたが3ヶ月で追い出されてしまいました。

12 ■>>ブミ

>>3ヶ月で追い出されてしまいました。

笑ってしまいました。確かに、こういう人はそうしてもらいところが確かにある。病識は乏しいし、スタッフに文句は言うし、他患者には干渉するし・・

13 ■神は困るんだよなぁ

今思えば彼は薬剤に過敏に反応する体質だったようで、陽性症状の大半が薬剤性だったように思います。「私は神だ」といいつつもカタトニー的に世界を怖がってもいました。家族としては、神をウチに戻されてもなぁ…と困惑するばかりでした。w

14 ■今はどんな風になっているのか

興味ある。

15 ■今は…

この後、いくつかの東京の病院を追い出され最も多量にメジャーを使った病院で死人のようになった状態で落ち着き(?)ました。それでも各種妄想・恐怖感などは消失していませんでした。僕はもともと分裂病ではないと思っていたので(親が死んでこの状態じゃ面倒みれない)白波の国へ送り出しました。

診断は双極性障害。1年程試行錯誤が続き、刃物振り回したりしていましたが薬剤で症状が強まることがわかり断薬、入院しているうちにすっかり躁的症状は消失し、うつや陰性症状というより知的障害のような雰囲気でほとんど話さなくなっています。現在はリーマス200mgとバッチフラワーで治療されています。僕は本人に会っていないので細かくはわからないのですが、脳が数年がかりで再起動に入ったかのような印象を持っています。主治医の言葉を借りると「まだクスリが脳にこびりついている」状態ということです。

16 ■リーマス200mg

バッチフラワーはともかく、僕的には、このリーマス200mgというのが時々遭遇する謎の処方なのです。

大正製薬はこの200mgでは意味がないようなこと
を言っています。しかし、この200mgでずっと安定している人も存在するのは確かです。このブログの下のエントリで出てきた少女もリーマス200mgでした。

http://ameblo.jp/kyupin/entry-10025006734.html

牛乳を飲んで、そのカルシウムで気分が安定するなら、リーマス200mgで安定してもおかしくない。(笑)

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