ときどき本通道場では「片足黙想選手権」を開催している。小学校高学年と中高生のバランス感覚は、素晴らしいものがある。
動きの中で、しっかり軸ができている。腰がそれほど落ちていなくても、下半身が実に安定している。深く半身を切らなくても、脇がしっかり絞まっている。これらはすべて“型の効能”であると思う。
打撃系の格闘技は、頭の中でイメージしやすい分、他のスポーツからの転向者もすぐに上達しやすい。しかし、中高生の身体バランスの良さには、本当に驚かされる。これは、小さいころから嫌々ながらも、私に型をやらされてきたためであろうか。
軽い体重でも、ミットなんか蹴らせたら凄い破壊力だし、組手では一般部の強い人たちをスピードとテクニックで翻弄してしまう。
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現在、道場にはいろんな年代の人が集まっている。極真の空手は、世代を越えて親しまれている。自分勝手な考えだが、“格闘技”として人気を博した極真が“武道”として認められてきたのではないか。
昔、ある先輩から面白い話を聞いた。
「剣道の達人が、剣道のルールで竹刀を持って、今の全日本チャンピオンと戦っても勝てないだろう。でも、真剣ならわからないよ」
空手の世界でも、古い支部長・師範クラスの中には、「素手素面で顔を殴ったら強い」という人は大勢いそうである。(もちろん胡散臭い方もいらっしゃいますが)
それは単に“体力や組手のテクニックがある”こととは違ったところで、醸し出す凄みと言うか、その人の歩んできた道からくる強さと言うか・・・。構えたときの“威圧感”が違うのである。
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最近は、なぜかシャドーより型の方が好きである。コンビネーションを磨くよりも、一撃必倒を目指したい。
型は良い。ゆっくり自分のペースで出来るし、びっしり実戦さながらにも出来る。空手のエッセンスがたっぷり入った型である。型を見せただけで、強さが伝わるくらいになりたいものだ。私はまだまだ、極真ルールでも若い奴らを打ち負かしたいが・・・。
「常に武の道を離さず」