元日の岩屋神社と笠原寺 | 京都検定ファンBLOG

京都検定ファンBLOG

京検ブログは、京都検定合格者と京都ファンによる、
魅力あふれる京都をテーマとした情報交換の場。
皆様からの投稿情報をお待ちしております。
 / 四季折々の京都の情報
 / 私だけが知っている、ちょっとした京都情報
 / 京都観光の体験記
 / 京都研究の発表など

ペンネーム:山科のNanibah

 

 岩屋神社初詣に行ってきました。一の鳥居は車道にあります。

 


 普段は静寂な場所なのですが、元日とあって、参道には長い行列ができていました。ここは地元の人に愛される歴史の古い神社なのです。

 

 

 御祭神は天照大神素戔嗚尊の誓約から生まれた五皇子の長男である天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、その妃の栲幡千々姫命(たくはたちぢひめのみこと)、その皇子の饒連日命(にぎはやひのみこと)の三柱です。天忍穂耳命は勝利の神、栲幡千々姫命は織物の神、そして安産、子宝の神、饒連日命は病気平癒、交通安全の神とのことです。饒連日命は大宅氏(物部氏)の祖神であったとも言われています。岩屋神社の起源はかなり昔にさかのぼるようです。

 


 

  岩屋神社の奥之院には大きな二つの岩、陰巌陽巌が磐座として祀られています。それは奈良時代以前の石座信仰の名残だそうですが、宇多天皇の時代に陽巌天忍穂耳命陰巌栲幡千々姫命、岩の前の小さな祠は饒連日命として祀られるようになったとのことです。
 奥之院は岩屋山の中腹にあります。岩屋神社の参道にはあんなに多くの参拝客が並んでいたのに、奥之院へ行く山道には人影がありません。まるでもののけ姫の森のような雰囲気で、獣や精霊がひそんでいるかもしれません。獣や精霊の眠りを妨げないように、静かに山道を上りました。

 


 冷たい空気を吸い、せせらぎの音を聞きながらひたすら上っていくと、前方に赤い鳥居群が見えます。

 


 神秘的で幻想的な雰囲気です。

 

 

 鳥居群をくぐって、ずんずん上に行くと、山型の巨岩がそびえたっているのが見えました。下方の岩は陰巌、上方の岩は陽巌です。気のせいか、岩が微笑んでいるような気がしました。このような神秘的な世界を見せてくれた巨大な陰と陽の岩に手を合わせて、感謝しました。

 

 

 山を下りてから、岩屋神社の隣の笠原寺(りゅうげんじ)に寄ってみました。笠原寺は真言宗智山派のお寺で川崎大師京都別院です。1979年に笠原尼が開山されたとのことで、1日尼僧修行が体験できるお寺としても知られています。私のように岩屋神社から流れてきた参拝客が大勢いました。

 


 

 大本堂の前で若いお坊さんに「よかったら、お参りしてください」と誘われて、中に入りました。大本堂では新春護摩焚きが行われていました。みなさんといっしょに護摩焚きを見ながら、僧侶の後について「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と唱えました。さらにいくつかのお経を唱えたあと、内陣にお参りしました。最後に、護摩祈祷の読経を聞きました。護摩焚きの火が燃え上がり、お堂に太鼓の音と僧侶の読経が響き渡ります。真言宗の護摩祈祷はまるでジャズのセッションのようで、自然に身体が揺れ、気分が高揚していきます。トランス状態に近い感じかもしれません。祈祷でエネルギーを得たような気がしました。そのあと、外に出て甘酒をいただきました。温かくとろりと甘い甘酒を飲んで、さらに元気が増しました。
 岩屋神社笠原寺のおかげで、霊的で楽しい元日を過ごすことができました。良い一年が迎えられそうです。