晩秋の大覚寺、仁和寺を訪ねて | 京都検定ファンBLOG

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ペンネーム:京田辺のアラ古稀一休

 

 学生時代の同窓会で、晩秋の大覚寺仁和寺を散策しました。メンバー中の寺院ゆかりの方のご厚意のおかげで、普段見られない場所などを見ることが出来ました。季節は師走の上旬でやはり紅葉は殆ど散っていましたが、わずかな残りモミジを楽しみました。
 大覚寺の明智門は、一般の観光客が入場する大門の西側にあり、明智光秀亀山城を移築したものだそうです。
 時代劇のロケでさかんに使用されていたようです。必殺シリーズでも奉行所として撮影されていたようです。両側のなまこ壁が特徴です。


 

大覚寺は、嵯峨天皇の離宮を皇女正子内親王が寺院に改めた真言宗門跡寺院であり、また華道嵯峨御流の家元でもあり、明智陣屋の玄関にも生花が置かれていました。


 

一般の見学コースでは入れない庭湖館の衾には琵琶湖の風景が描かれていました。


 

そして一般客が出入りする大門玄関には、狩野永徳による「松に山鳥図」が飾られていました。


 

宸殿には狩野山楽筆の「牡丹図屏風が周囲に飾られていました。美しさに時間を忘れるほど見とれていました。


 

 

 大沢の池は周囲の紅葉も終わりかけで、静けさや寂しさを醸し出していました。


 

 

 「勅封心経殿」は、嵯峨天皇が飢饉や疫病を収めるために、弘法大師の勧めで般若心経を写経し勅封されているお堂ですが、60年ごとの戊戌(ぼじゅつ;つちのえ・いぬ)の年に開封されるようです。今年がその年に当たり、戊戌の法会が10月~11月に行われ、皇室の方々が次々と参拝されたようでした。なお、この法会は、今年が20回目だそうですから、1,200年前に始まったようです。


 

 

 次に同じく門跡寺院世界遺産仁和寺」を見学しました。こちらは玄関で華道御室流の生花に迎えていただきました。


 
 

 至る所で名残のモミジが癒してくれました。


 
 

 宸殿などに修理の足場などが組まれていたため、尾形光琳、乾山屋敷より移されたといわれる茶室遼寧亭」を見学させていただきました。内部には京都迎賓館の和室と同じく高価な中継ぎ表の畳が敷かれていました。


 
 

 宸殿北側の「遼廓亭」から、光格天皇ゆかりの茶室飛濤亭」に至る途中にも、モミジが緑の苔に美しく映えて、楽しませてくれました。


 

 

 茶室飛濤亭」は、にじり口がなく、立ったままで入れるようになっていました。天皇が茶室に入られる時、にじり口があると頭を下げるような姿勢になるからとのことでした。


 
 

 最後に秋の特別拝観で、金堂裏堂にあり建立より372年を経て初公開の「五大明王壁画」を見学しました。通常は見ることが出来なく、僧侶でもロウソクの薄暗い明りでしか見られなかったようです。そのため、色が鮮やかに残っており、非常に美しい壁画でした。
そのうち降三世明王図を、現場では撮影禁止のため、パンフレットから撮影しました。TVでは何度も放映されていました。


 

 今回は紅葉が終りかけた時期の散策でしたが、普段は入れない部屋や見学できない茶室なども訪れることが出来、最後に特別拝観の五大明王壁図も見られたため大いに満足して帰路につきました。