水に祟られ続けの歳月。 | 境界線型録

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I Have A Pen. A Pen, A Pen Pen Pen.

 

 この数年、私はたびたび水問題に対峙し、どうにかこうにか解決してしのいできたが、今日は打ちのめされた。敵は、便所のタンクに水を送るフレキパイプ。送水側継手のパッキンがダメになったらしく、今朝から水漏れしだし、午前遅く気がついたとき、その下にあったゴミ箱半分くらいの水がたまっていた。
 これは一大事とすぐに状況を分析し対策を練ったが、パイプの形状をよくよく見ると、かなり歪になっていて、特に送水側水栓との接合部が斜めになっていて、どうやらこのせいでパッキンが緩んでいるらしい、と思われた。とにかく漏れを止めないと水道代が嵩むから、ひとまず融着テープで応急措置を講じたが、ダメだった。これはかなり厄介な問題だとはっきりした。
 頭を抱え、とりあえず昼ごはんにしなければならないので、インスタントの酸辣湯麺を食べた。もちろん、中華三昧である。
 

 まずはパッキンを替えてみるかと、午後はポンコにまたがり近場のホームセンターへ走り、パッキンを探した。すぐに見つかったので、ついでにひと通り鑑賞して遊んだら、下付の上向き蛇口パイプがなんと千五百円で売っていたので衝動買いした。これは説明が難しいが、今の蛇口は下付の水平型で、その先端に浄水器を取り付けてあり、流しにあってとっても邪魔臭く、なんとか始末してやりたいと考えていたのである。で、ネットでも度々下付の上向きで短めの蛇口がないかなと探していたが、あることはあるけれど、意外に高額で、そこまで費用をかけて替えるほどのものでもないかなと諦めていたのだった。どうせ、近々水栓を丸ごと交換せざるを得ないだろうから。が、このままでは洗い物するのがとっても不便で、一日も早く水栓を替えてしまいたいという気分だった。そのせいで昨年もそんな日記がちょこちょこあった気がする。
 で、下付上向きの蛇口に交換したら、メチャクチャ快適で、もう水栓なんて金輪際交換したくないッという気になった。蛇口の形状と長さを変えただけで、こんなにも解放感あふれる流し台になってしまうのかッと私は感動したのである。想像内の出来事だったけれど、真の実感というのは常に想像を超えるのである。想像を超えない実感というのは、真ではないということだ。
 

 そのように流しでは成功したが、便所ではしたたかに打ちのめされた。
 原因ははっきりしていて、タンクに水を送るパイプが歪んでいるという一事に尽きる。給水口からタンクまでは十五センチほどだが、そこに二十センチくらいのステンレスの蛇腹パイプで繋いであるが、このマイナス五センチ分を誤魔化すためにパイプを曲げていて、それがかなり激しく歪んでいる。これまでその状態でたまたまパッキンが活きていたようだけど、今日パッキンを替える工事をすると、とうてい一人の手では正確にパッキンを当てることができそうになく、お手上げになった。
 ステンレスの蛇腹の管をフレキパイプというようで、昔の水道関係によく見られた。今でもスタンダードなのかも知れないが、基本的には接合部に対し真っ直ぐ宛がわれないと、水漏れの危険がありそうだということはわかりきっている。が、我が家の便所のタンクに繋がるフレキパイプは斜めにくっついていて、漏水して当然じゃんかという感じだった。よくもまあ、築三十年以上も漏れずに頑張ったものだと感心する。たぶん、たまたま良い感じで接合されていたのだろう。
 が、一度漏れてしまえば、そういう場合、修繕はきわめて困難ということにならざるを得ない。いや、できることはできるはずだけど、かなり面倒臭いだろう。もうパイプの寿命も尽きそうだし、そろそろパイプごと総取っ替えすべきか、と今悩んでいる。
 それにしても、水関係の問題が続きすぎで、ほとんど水に祟られているとしか感じられない。水に悪いことをした憶えはないけれど、祟りというのは身に憶えがなくても降りかかるのである。恐ろしいことだ。
 

 が、方法を間違えていたのかも、と、さっき思いついてしまった。
 すぐにでも再挑戦したいが、もう眠い。
 明日は、まず、今思いついた方法でリベンジを目指し、それでもダメだったら、パイプ代替のために大型ホームセンターへ走ることにしようか。下手すると、また今週も稽古をサボることになってしまうかも知れない。思いついた方法で解決されることを祈るより他に手はない。
 アメリカ国民がトランプを選択した気分のような感じだろうか。
 ま、世の中、ほとんどそんな感じだということなのだろう。
 明日のために、もう床入りしようかな。便所パイプ問題は私的には難解でかなりダメージを受けてしまったから、水の祟りを払拭する明日の戦いに備えて鋭気を養わなくてはならないし。