ハンニバル | KURI of the DEAD

ハンニバル

トマス・ハリス原作の“ハンニバル・レクター”シリーズの第2弾。最終エピソード。監督は『エイリアン 』『ブレードランナー』のリドリー・スコット。出演はアンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア。


【STORY】
バッファロー・ビル事件から10年後。事件の犯人を逮捕したクラリス・スターリングはFBIの捜査官としてキャリアを積んでいた。ある日、クラリスはヴァージニアで指名手配された麻薬売人を銃殺し、マスコミからバッシングを受け責任を追及される。そんな彼女に目をつけたのは、レクターに顔の皮膚を剥がされた過去を持ち、彼を恨み続ける大富豪メイスン。メイスンはレクターをおびき出すため、司法省のポール・クレンドラーを利用し彼女をレクター捜査へ復帰させる。その頃レクター博士は、イタリアのフィレンツェでフェル博士と名前を変えて司書の仕事についていた。クラリスの動向を見守り続けていたレクターは、彼女に手紙を出す…。


【REVIEW】
羊たちの沈黙 』『レッド・ドラゴン 』『ハンニバル・ライジング 』と合わせて“ハンニバル・レクター”シリーズは4作あるが、この作品はエピソードでいうと4番目。製作順でいうと2番目にあたる(以前の『レッド・ドラゴン』は除く)。
えげつないシーン多いため、日本では劇場公開時R-15指定された作品。


羊たちの沈黙 』から10年。その続編ということで、あのレクター博士とクラリスがスクリーンに戻ってきた。
レクター博士を演じるのは、前作に続きアンソニー・ホプキンス。彼しかいないって。クラリス役には、前作のジョディ・フォスターが「グロい」という理由で断ったため、ジュリアン・ムーアが演じた。個人的にはジュリアン・ムーアがどうこうではなく、前作と同じキャストで製作に臨んでほしかったと残念に思う。

さて前作において、とんでもない手法で脱出に成功したレクター博士。順風満帆でイタリアに滞在していた。なぜか博学ぶりを発揮し、司書の仕事にありついていた。この10年間、レクター博士はイタリアにいながらもクラリスの動向を見守り続けていた。レクター博士はクラリスにわざと証拠を残した手紙を出す。そこには“クラリス、今も羊たちの悲鳴が聞こえるか?”と記されていた。


一方、クラリスはキャリア10年の中堅捜査官として活躍中。しかしヴァージニアでの捜査で子どもを抱いたままの麻薬の売人を射殺し各方面から非難を浴びる。FBI内部からも問題視され休職する羽目に。
そんな彼女に目を付けたのは大富豪のメイスン・ヴァージャー。彼はその昔、主治医としてレクター博士を雇っていたが彼にとんでもない自己快楽の方法を伝授され、自らの顔の皮をはぐなどの大怪我をする羽目に。
メイスンを演じるのは、あのゲイリー・オールドマン。怪我のメイクで顔がわからないだけでなく、身の毛もよだつメイクである。この役を引き受けたゲイリー・オールドマンに一体何が起こったのか…。
メイスンは、大富豪ならではのコネクションを活用し、司法省のポール・クレンドラーを使ってクラリスをレクター捜査の任務につけるのである。


その頃イタリアでは、フィレンツェのパッツィ家がライバルであるメディチ家当主のロレンツォ・デ・メディチらを暗殺しようとした事件「パッツィ家の陰謀」でおなじみのパッツィ家の末裔リナルド・パッツィ刑事が司書として働くフェル博士が殺人鬼レクター博士であることに気づく。情報提供者には多額の報奨金が支払われることに欲を出したパッツィ刑事は、レクター博士である証拠をつかもうとかれに近づく。
だがしかし、レクター博士に感づかれ、処刑された先祖と同じ手法で惨殺されてしまうのである。腹を裂かれた状態で首をロープで巻かれて窓から突き落とされる殺害手法。首を吊った勢いで内臓が飛び出すという無残なもの。観光に来ていた日本人の団体がそれを見ていて騒ぎ出す光景は実に呑気で微笑ましいが、同じ日本人として少し恥ずかしい。


そんなこんなで、レクター博士を追いかけるクラリスだが、これはメイスンが仕掛けた罠で、クラリスに近づいたレクター博士はメイスン宅に捕えられる。メイスンは専用に調教された殺人豚でレクターを殺害しようとしていた。レクターを奪還しようと救出に乗り込むクラリス。彼女の助けもあって殺人豚の危機から脱するレクター博士。そしてさすが天才精神科医だけあって、メイスンの主治医をそそのかしてメイスンを殺人豚がいる囲いの中へ放り込む。メイスン死亡。ゲイリー・オールドマンいいとこなし。


この一連のごたごたで肩に銃弾を浴びたクラリス。意識のないクラリスを抱きかかえ、レクター博士は湖畔の隠れ家へ。その後、意識を取り戻したクラリスは食堂へと向かうが、そこには驚愕の光景が。メイスンとともにレクターを追い詰めようとしていた司法省のポール・クレンドラーがそこに座っており、しかも彼の頭はパッカーと開いており、露出した脳みそを食材にレクター博士が料理をしていたのである。何ということを!
このシーン、テレビ放映されたときはカットされており、韓国ではぼかしが入れられたという。
ちあみに頭パッカーのポール・クレンドラーを演じるのは、あのレイ・リオッタ。この役を引き受けたレイ・リオッタに一体何が起こったのか…。


ラストは、レクター博士を追いこむクラリス。キスをしようとした隙にレクター博士の手に手錠をかける。タイミング良くこの家に向かうパトカーのサイレンの音。レクター博士は「おもしろいことをしてくれるな」といいながら、自分の腕を切断し逃亡(たぶん)。冷蔵庫に髪を挟まれたクラリスは追いかけることができず。クラリスはこの後どうやって湖畔まで走ってこれたのだろうか。


逃げ延びたレクター博士は飛行機に搭乗。食事をしようと持参した箱を開ける。中にはまた脳みそ。好きだねぇ。とにかくレクターとクラリスの「愛の物語」はこれにて終了である。
私ごとだが、レクター博士が持参した食べ物が入った箱のデリカブランドの撮影の仕事をしたことがあり、ちょっと感動したことを付け加えておこう。


ちなみに、この映画のラストは原作と異なる。原作はレクター博士に洗脳されたクラリスが二人で愛の逃避行を行うという、これまたアブノーマルなラストのようだが、それはそれで非常に興味深い。


いろんな意味で「やらかした」と思われる作品である。



●関連作品・記事
ハンニバル・ライジング
レッド・ドラゴン
羊たちの沈黙


【MARKING】
オススメ度:★★★★★★6
えげつない度:★★★★★★★7
最後は誰の脳みそ?度:★★★★★5
禍々しい度:★★★★★★6


【INFORMATION】
・原題:HANNIBAL
・製作年:2001年
・製作国:アメリカ
・監督:リドリー・スコット
・製作:ディノ・デ・ラウレンティス、マーサ・デ・ラウレンティス
・脚本:デヴィッド・マメット、スティーヴン・ザイリアン
・原作:トマス・ハリス
・出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア、ゲイリー・オールドマン、ジャンカルロ・ジャンニーニ、フランチェスカ・ネリ、フランキー・フェイソン、レイ・リオッタ、イヴァノ・マレスコッティ、ヘイゼル・グッドマン


KURI of the DEAD-hannibal




















にほんブログ村 映画ブログ ホラー・サスペンス映画へ
↑ランキング参加中!
 よかったら押してやってくださいm(_ _)m

人気ブログランキングへ

↑こちらもよかったらm(_ _)m