ヒルズ・ハブ・アイズ | KURI of the DEAD

ヒルズ・ハブ・アイズ

エルム街の悪夢 』でおなじみウェス・クレイヴン監督の名作『サランドラ』を、『ハイテンション』のアレクサンドル・アジャ監督でリメイクしたスプラッター作品。


【STORY】
警官を退職したボブは、家族を連れてトレイラーで砂漠を横断していた。立ち寄ったガソリンスタンドで、店主との世間話で行き先を告げると、近道を教えてくれた。店主の言葉通り、近道を進むと何者かの罠により突然車はパンクして立ち往生してしまう。そしてその一帯は、核実験場に近い場所で、放射能によって奇形と化した食人一家が住んでいた。追い詰められたボブ一家と襲い掛かる食人一家の生き残りをかけた壮絶な殺し合いがはじまる…。


【REVIEW】
登場する食人一家が「核実験による被爆で奇形と化した」という日本にとってナイーブな問題で、一時は劇場公開中止に追い込まれた問題作。


オリジナル版はウェス・クレイヴンが監督を務めた『サランドラ』。オリジナルのストーリーを踏襲しつつも、オリジナルにはないキャラクターやサブストリーを絡め、オリジナルをはるかに凌駕した残酷描写で、リメイクがオリジナルを上回るという稀なケースを生み出した作品。


全編にわたる、陰湿感・不快感・緊張感は、あの不朽の名作『悪魔のいけにえ 』を彷彿とさせる。


不条理に殺されていく一家は悲劇としかいいようがないが、この不条理さには作り手側の強いメッセージが感じ取れる。アメリカが起こした戦争という忌まわしい暴挙、そして今も核を廃絶しないアメリカへの警告であろう。

しかし、ただ殺されていくだけでなく、恐ろしい怪物に立ち向かおうとする勧善懲悪の図式は、いかにもアメリカらしく、ここにも国家の暴挙に屈しないというメッセージが込められているように思う。


しかし、アメリカの砂漠地帯のガソリンスタンドに寄ってトラブルに巻き込まれる設定多すぎない?


まあそれはいいとして、問題作ではあるが、傑作である。設定・演出・残酷描写、どれもすばらしい。


だがしかし。


今回は、DVDで観たのだが、カットされてない? 残酷描写が。アメリカ版も観たから何となくそんな気がするのだが、いまいち記憶が曖昧。カットされているとしたら残念。


えげつないシーンが特に苦手な人は、相当な覚悟を持って観てほしい作品。


●関連作品

ヒルズ・ハブ・アイズ2

P2



【MARKING】
オススメ度:★★★★★★★7
えげつない度:★★★★★★★★★9
ジョギリショック度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★★★★★★9



【INFORMATION】

・原題:THE HILLS HAVE EYES

・製作年:2006年
・製作国:アメリカ
・製作総指揮:フランク・ヒルデブランド
・製作:ウェス・クレイヴン、ピーター・ロック、マリアンヌ・マッダレーナ
・監督:アレクサンドル・アジャ

・脚本:アレクサンドル・アジャ、グレゴリー・ルヴァスール
・オリジナル脚本:ウェス・クレイヴン

・出演:アーロン・スタンフォード、キャスリーン・クインラン、ヴィネッサ・ショウ、エミリー・デ・レイヴィン、ダン・バード、ロバート・ジョイ


hillshaveeyes



















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