28日後... | KURI of the DEAD

28日後...

生物を凶暴にさせるウイルスに感染した“感染者”たちとの戦いを描く、ダニー・ボイル監督によるサバイバルムービー。


【STORY】
とある動物研究所で、生物を凶暴化させるウイルスに感染している実験動物のチンパンジーが、進入した動物愛護活動家たちの手によって開放
されてしまう。チンパンジーが活動家の一人に噛み付くと、その活動家は突然狂ったかのように凶暴になり、仲間を次々と襲いはじめる。一方、交通事故で昏睡状態だったメッセンジャーのジムは、ロンドン市内にある病院の集中治療室で意識を取り戻す。ところが、病院には人の気配がまったくない。不思議に思って病院の外に出てみると、街にも人影が見あたらない。すべての人間が消滅してしまったかのような状況のなか、ジムはあてもなく街をさまよう。突然凶暴化した感染者に襲われたジムは、武装したグループに助けられる。そして、人類を襲った恐怖のウイルス

について知らされる。


【REVIEW】
まずこの映画は、一般にいわれている「ゾンビ映画」なのか?という話だが、ロメロ原理主義的思想からいうと当然「ノー」である。また、劇中でも“感染者”と呼ばれていることから、ゾンビではないことは伺えるが、まずこの感染者たちは「死者が蘇ったものではない」というこ
と。そして「餓死する」ということ。以上の点からも、ゾンビの要件を満たしてはいない。まあ、広い意味ではゾンビも感染者という考え方が

できるが。


だがしかし、ゾンビ映画へのリスペクトは感じ取れる。ゾンビ映画を新しい観点からアレンジしたものという捉え方もできるだろう。過去の名作に依存しただけの、ぐだぐだゾンビ映画よりは断然ゾンビ映画らしい作品。


スーパーマーケットのくだりは『ゾンビ 』を連想させ、後半の感染者との争いが人と人との争いに変わっていくところは『死霊のえじき』を彷彿とさせる。ロメロへの尊敬の念が込められているようだ。恐ろしい存在なのは人間を襲う感染者ではなく、人そのものなのだと。


しかしこの映画、冒頭のスケール感と前半のスピード感は非常にすばらしいのだが、中盤ややもたついたかと思ったら、そのままのテンションで終盤を迎えるという少し残念な展開になってしまっている。テーマや設定は非常に好きなのだが。もうちょっと何とかなったのではないか?


ともかく、ウイルスに感染するという設定で、もしかしたら現実に起こるかもしれないというリアルさを表現したことが、大ヒットにつながったのだろう。続編の『28週後 ...』も本作の流れを理解していると、非常に観ごたえのある作品になっている。


この映画は、この映画の世界観として楽しめるシリーズであろう。


●関連作品

28週後 ...』

ゾンビ映画の歴史をちょっとだけ考えてみる件



【MARKING】
オススメ度:★★★★★★★★8
えげつない度:★★★★★★6
動き速すぎるよ度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★★★7


【INFORMATION】

・原題:28 DAYS LATER...

・製作年:2002年
・製作国:イギリス、アメリカ、オランダ
・製作:アンドリュー・マクドナルド
・監督:ダニー・ボイル

・脚本:アレックス・ガーランド
・特殊メイク:アラン・ヘゴック

・出演:キリアン・マーフィー、ナオミ・ハリス、クリストファー・エクルストン、ミーガン・バーンズ、ブレンダン・グリーソン、レオ・ビル、リッチ・ハーネット


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