芸能契約解除通知の書き方 ~芸能契約解除の内容証明郵便~ | 弁護士 河西邦剛のブログ

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タレント側から芸能事務所との契約を解除する際の内容証明郵便を芸能契約解除通知と呼んだりします

 

 

実は芸能契約解除通知というものが正式に存在するわけではありません

ですが最近「解除通知はどう書けばいいのですか!?と相談を受けることが多いので今回は芸能契約解除通知について書いてみようかと思います

 

 

キラキラPoint 1キラキラ

「契約解除します」だけでオーケー?

 「平成〇年〇月〇日付け芸能契約を解除します」の一文があれば、実際多くの裁判において解除の効果が認められています。

 弁護士が送る場合には、民法、労働基準法、特商法、独占禁止法等を個別の事案に合わせて指摘することで実効性を高めることができます。また裁判例を指摘するのも有効です

 

 

キラキラPoint 2キラキラ

手書きでも構わない

 パソコンで作成したか手書で作成したかで解除の効果が変わるということは基本的にはありません。実際に過去の裁判例ではアイドル本人の手書の内容証明郵便で解除を認定した判決もあります(平成27年(ワ)第1759号東京地方裁判所判決)

 

 

キラキラPoint 3キラキラ

HP上からの削除を求める

 書面のなかで契約解除をしたのだからHP上の掲載を削除するように求めます。

 弁護士が送る場合には肖像権侵害に基づく損害賠償請求を示唆することよりHP上からの削除について実効性を高めます。もっとも損害の額や請求の方法には工夫が必要になります

 

 

キラキラPoint 4キラキラ

妨害行為の差止を求める

 芸能契約解除通知を送付したあとも、元いた事務所が移籍先の芸能事務所や取引先に活動制限や嫌がらせをしてくる可能性がある場合には、これらが独占禁止法に抵触し違法になることを示唆します

 

 

キラキラPoint 5キラキラ

名誉毀損発表に対する警告

 芸能事務所側が「素行不良なので解雇した!」「タレントに契約違反があった!」というようなWEB発表をしてくることがありますが、これらについては名誉毀損発言に該当し刑事、民事上の責任が生じることを示唆して、事務所側の名誉毀損発表を予防します

 

 

キラキラPoint 6キラキラ

やってはいけない最悪な芸能解除通知

 

内容証明郵便が逆効果になるケース

 芸能界を引退するのであれば一方的な内容証明郵便を送りつけてもよいのですが、移籍先の事務所が実は決まっていたり、今後も芸能活動を続けていく場合には解除通知を送ることが逆効果になることがあります(詳しくはコチラ

 

 特に経験の浅い弁護士が代理して一方的な内容証明郵便を送ると、今いる事務所には居場所がなくなり、結局HP上からも消されず移籍もできない・・・という最悪な状況になりがちです

 

発送後の戦略が最重要

 芸能契約解除通知は送って終わりということではありません。その後、交渉するのか、交渉するとしてどういう方針で交渉するのか、仮処分や訴訟を想定するのかという、送った後の戦略を想定しながら解除通知は送る必要があります

 

 内容証明を送ったせいで逆にトラブルが深刻化したという事例は少なくないのが現状です。特に芸能トラブルの経験の浅い弁護士は本当にやりがちで、こういったケースでは私がセカンドオピニオンで相談を受けることも少なくありません汗汗

 

 内容証明の発送後の戦略については法律論ではなく弁護士としての実績や経験がないと見込みが立たないので、芸能契約に実績のある弁護士に相談したほうがよいでしょう

 

 解除通知を送ってよいか迷う場合には解除通知を送り逆にトラブルになる前に一度弁護士に相談してみてください

 

 

最近写真があまりないでまたコレですね♪

コンサート好きなので気に入っています笑