イ・ビョンフン監督のこと | 気になる映画とドラマノート

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イビョンフン監督は、「ホジュン」「商道(サンド)」「ソドンヨ」「チャングムの誓い」「イサン」で監督や演出などを担当している。
そのうち、わたしがまだ1話も見ていないのは「商道」だ。
四作品を見て、この監督の強い関心がどこにあるかわかったと思えることが二つある。この二つのモチーフは、イサンまでのどの作品にも共通して、時代と年齢と性別、社会的立場のヴアリエーションを加えながら、作品に繰り返し繰り返し描かれ追求されている。
まず一つ目は、主人公は、知力と道義心において、最高レベルの能力と品格の持ち主であり、さてでは有能かつ道義心堅牢とは具体的現実的に、どんな危機的状況に直面した時、どんな対応をするのが品性気高い対応なのか、これを演出によって、強固なリアリティをもって現前できるかどうかが、イビョンフン氏の課題であったと思える。
そして、さらに大事なのは、この天才的で尋常ならざる知力と道義心の持ち主もまた、この人生のシャバ苦ともいうべき困難を前にしては、倒れんばかりの苦境と悩みを抱える存在であり、しかしそれでも人は打ち勝ちがたい困難を乗り越えて行かねばならぬしいけるんだ、という「希望」のリアリズムを能うかぎり生き生きと信じられるように、(続く