「ローマ人の物語 ハンニバル戦記 中」★★★★☆ | Jiro's memorandum

Jiro's memorandum

泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「ローマ人の物語 ハンニバル戦記 中」(塩野七生)
 
 
ハンニバル大躍進の第二ポエ二戦役が中心の内容。
 
 
ハンニバルというと、恥ずかしながらアンソニー・ホプキンスしか思い浮かばないくらい、知識がなかった。
 
スペインから、アルプスを越えてイタリアに入り(しかも何十頭もの象も一緒に)、完全アウェーで連戦連勝(圧倒的勝利も多数)。
 
リーダーひとりで、組織というのはこんなにも強くなるものなのか、と感心しきり。
 
 
ハンニバル、とにかくすごい。


しかしながら、盛者必衰。新旧交代はいつの時代でも起きる。
 
 
 
以下、備忘
 
 
ローマ人のあいだではこれ以降、どんなに妨害されてもやりとげてしまうことを、「何であろうと、ハンニバルは通過する」という一句で言い換えるようになる。
 
 
天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである。
 
 
このエピソードはローマ人の心の中に後のちまで残り、子どもを叱るときに母親は、「戸口に、ハンニバルが来ていますよ」と言うようになる。
 
 
第二ポエニ戦役の舞台に、もう1人の天才的な武将が登場する。私は、アレクサンダー大王の最も優れた弟子がハンニバルであるとすれば、そのハンニバルの最も優れた弟子は、このスキピオではないかと思われる。そして、アレクサンダー大王は弟子の才能を試験する機会をもたずに世を去ったが、それが彼の幸運でもあったのだが、ハンニバルの場合は、そうはならなかったのであった。