「1%の努力」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「1%の努力」(ひろゆき)

 

直前に読んだ 「実力も運のうち 能力主義は正義か?」につながる部分が結構あって、興味深く読んだ。

 

「努力できる」というのは、生まれ持った一つの才能であり、努力が苦手な人は、努力では勝てないという前提で思考や工夫を凝らし、勝てる方法を探す(もしくは人生を豊かにする方法を探す)、という考え方は正しいと思います。

 

ただ、一生懸命頑張った結果、目標を達成したり、成功したりした時の達成感や充実感は言葉にできないものがあるし、その時に得た自信も生涯にわたるかけがえのない財産になる。

 

「頑張り」「充実感」「得た自信」は正比例の関係にあるように思う。

 

まずは知恵を絞るところで頑張る、実行に移った後もそこそこ頑張る、そして失敗してもまた考えて何度も再挑戦する、ということも重要であろう。

 

 

以下、備忘


 

天才は「1%のひらめき」をして、凡人は「99%の努力」をする。


必要なのは「思考」、工夫を取り入れ「やり方」を変えられること、ヒマを追求し「何か」をやりたくなること。

 

自分の頭で考えよ。スケジュールを埋めず「余白」をつくれ。両手をふさぐな、「片手」を空けよ。

 

「頑張ればなんとかなる」と思っている人は甘い。

努力でなんとかしようとする人は、「やり方」を変えなさい。

 

 

 

「99%の努力と1%のひらめき」(エジソン)

これは「努力すれば道が開ける」という意味ではなく、「1%のひらめきがなければ、99%の努力はムダになる」という意味。

 

 

「努力をしたくない」と割り切っている人は、それなりにちゃんと考えている。普通の人は「頑張ればなんとかなるかもしれない」と思っているが、これは意外と危険。

 

チャンスは突然訪れる。余裕を持っていないと、それを掴むことはできない。急にピンチになった時も、余裕がないとパンクしてしまう。ヒマは全力で作っておいた方がいい。

 

「片手はつねに空けておけ」

「努力で解決しよう」「頑張ればなんとかなる」と考えている人はつねに両手が塞がっていてチャンスを取り逃がす。片手(もしくは両手)を空けて、いつでもチャンスを掴める状態にしておこう。

 

 

自分にとっての大きな岩は何か

「この壺は満杯か?」 「優先順位」をはっきりさせよう。

 

 

言ってはいけないことを言う

世の中、みんな本音を言わない。「僕の事業は、うまくいきますかね?」と聞かれ、うまくいかないと思ったとき、「失敗しますよ」と言ってあげることが本当の優しさ。「大丈夫ですよ!」と言ってしまう方が残酷。

もし後になって間違っていれば、「あのときはごめんなさい」と謝る。そのリスクさえとれば、思ったことを言えるはずだ。

 

 

トップが下を殺しうる

「死ぬ気でやればやれないことはない」(孫正義)。このような、トップが下に「努力しろ」言うのは社会に逆効果。日本はアメリカと戦争した時、どう考えても勝てるはずがなかった。

下が頑張っても勝てないものは勝てない。正しい戦略正しい作戦かどうか、が先。

東芝の経営が傾いているが、社員の努力が足りないかというとそうではない。悪いのは経営層。

 

会社組織で、社員が努力しないと回らない会社と、ダラダラしていても回る会社があったら、きっとダラダラやって回る会社の方が安定する。

 

 

仮装通貨で儲けた人は、たまたま買っていたものが高く売れただけで何の努力もしていない。たまたま日本人に生まれたから、ソマリアに生まれるよりラクというレベルの話。努力で報われる部分は、実はものすごく少ない。

 

それでも努力神話があるのは、ごく一部に「努力できる」という才能を持った人がいて、努力して成功している人がいるから。

 

努力できる才能がなければ、いくら頑張っても正攻法で彼らに勝てない。

だから、自分にとって頑張らなくても結果が出る場所に行ったほうが、絶対にうまくいく。

 

 

多くの人は「自由意志」を大きく扱い過ぎている。

「自由意志」とは、これをやる!という意識の上で、努力によってそれを成し遂げるような力。

お金儲け、ダイエット、受験、等で失敗した場合、「あなたの意志が弱いから」と言われてしまう。

 

努力、遺伝子、環境、どれか1つが100%ということはない。

しかし、成功したスポーツ選手や起業家は「努力100%」のバイアスが染みついている。

「成功した秘訣は何ですか?」「死ぬほど努力したからです」。こんなやり取りが繰り返される。

僕のように「たまたまです」と言ってはメディア受けしない。

 

本書では「たまたまうまくいった」という正論を出したうえで、「何かちょっとでも考え方によって変えられた部分」として1%の努力という落としどころを探っている。