「幸福の計算式」 | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?/阪急コミュニケーションズ

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★★★☆☆


結婚初年度の満足度=2500万円
子供が生まれた初年度の満足度=31万円
離婚初年度の苦痛=98万円
配偶者の死別初年度の苦痛=3800万円
友人に毎日会うことの年間の満足度=49万円

など。

読み終わって思ったことは、幸福度は人によって結構異なりそうだ、と言うこと。

上記データ以外にも、例えば子供が生まれた翌年から5年間は幸福度がマイナスになると言う結果も出てましたが、個人的には違和感あります。

本書が言いたいことのひとつは、一般的なイメージよりも、子供がいないことはそんなに不幸じゃないし、離婚はそんなに辛いことじゃないよ、と言うこと。

幸福かどうかはその人の気の持ちようだと思います。






以下、備忘




「人は金持ちになりたいのではない。他人より金持ちになりたいのだ」(ジョン・スチュアート・ミル)

金持ちは貧乏人より幸せだが、すべての人の収入が増えても全体の幸福度は上がらない(イースタリンの逆説)

幸福度は自身の収入だけでなく他人の収入にも左右される。

人は順位というものに大いに関心を持つ。

スポーツカーに乗るのは目的地に早く着けるからではない。見せびらかしたいから。




「成功は幸せの鍵ではない。幸せが成功の鍵なのだ」(アルベルト・シュバイツァー)

幸せな人は、仕事、人間関係、健康、の3つの領域でより成功するという証拠がある。

仕事について、楽しい気分と創造性のレベルに相互作用があるほか、幸せな人は休んだり、すぐ疲れたり、他の従業員に不満をぶちまけたりしない。

幸せな人は、結婚相手を見つけることにおいても成功確率が高い。

幸せになるとますますボランティア活動に熱心になる。

幸せな人は、交通事故によって死ぬ確率がとても低い。

幸せな人は、病気になる確率が低い。病気になった後もかなり長く生きる。




「お釈迦様は、過去にこだわるな、未来を夢見るな、現在の心に集中しなさいとおっしゃいました。この世ははかなく、幸福にしてくれるものにしがみつけば、将来、不幸になります。心がすべてなのです。考えた姿にあなたはなるのです」(著者の母)

釈迦によれば、幸福にしてくれるものを失うと、人は苦しむ。幸福を追求すること自体が苦しみ。欲望とは飽くことを知らないもの。究極の幸せとは中道を行くこと。

欲望が苦しみを生むこと、幸福とは必要が十分に満たされた心の状態にしかすぎず、心は努力と時間を費やせば鍛えられるものであること、そして、それを説いた釈迦は常に正しかったのだということを、幸福度のデータによって導かれた結果が実質的に証明したのだ。
それこそが、すべての根本的な真実なのだろう。 




「幸福とは、望んだものを手に入れることではなく、もっているものを望んでいる状態のことだ」(ラビ・ハイマン・シャハテル)





■興味深い、職業の満足度ランキング(1972-2006年、アメリカで調査)
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◇参照:橘玲さんの書評

◇参照:「読むだけで心がラクになる22の言葉」
幸せになるために必要な才能。「今の自分に上手に満足すること」と「あきらめないで、目の前の楽しいことを追いかけてゆくこと」。向上心が強すぎると、自分に満足できず幸せを感じられない。ワクワクする未来に向かって行動しなくなると、人生は退屈に見えてくる。このバランスをどうとるか。