中核市人口45万人の命をすでに自殺で奪い、さらなる収奪強化で命奪う消費税増税法は廃止を | すくらむ

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 現行5%の消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%へと2段階でアップする消費税増税法が民自公3党などによって先ほど強行可決されました。


 消費税増税が貧困と自殺の激増をもたらすことは昨日のエントリーでも指摘しました。 強行された「社会保障と税の一体改革関連法」がこのまま実施されるようなことがあれば、人の命を奪う消費税増税に加えて、社会保障の解体によっても多くの人の命が奪われることになります。消費税増税で低所得者ほど多く収奪される上に、社会保障も解体してしまうのですから、社会問題化している貧困と格差は一層激しく広がり、14年連続3万人超で自殺者45万人と中核市人口をすでに消失している深刻な自殺の現状をさらに悪化させずにおかないでしょう。


 消費税増税法は成立しましたが、消費税増税を実行させるわけにはいきません。消費税増税中止、消費税増税法の廃止を求め、近い将来、いや近いうちに実施される衆議院選挙など国民の審判を通じて、消費税増税を断念させる必要があります。


 そして、消費税増税法とともに「一体改革」として強行された「社会保障制度改革推進法」も廃止させなければなりません。


 民自公3党が密室談合で決めた「一体改革」の中の「社会保障制度改革推進法」というのは「社会保障解体法」にほかなりません。


 消費税増税は民主党の政権公約違反、総選挙マニフェスト違反ですが、「社会保障制度改革推進法」も公約違反、マニフェスト違反のオンパレードです。民主党マニフェストにあった「後期高齢者医療制度の廃止」も「最低保障年金の実現」も「社会保障制度改革推進法」によって完全に投げ捨てられました。なにより、「社会保障制度改革推進法」は、すべての国民の生存権保障という社会保障の基本原則を「自己責任原則」に変質させるものです。


 衆議院の「社会保障と税の一体改革に関する特別委員会」(6月22日)で、自民党の鴨下一郎議員が、「社会保障制度改革推進法」には、「自民党の哲学が十分にこの中に貫かれている」と発言しています。


 社会保障についての「自民党の哲学」とは何でしょうか? 自民党の綱領の中に次のように書かれています。


 (日本人は)「他人に頼らず自立を誇りとする国民である」「国民生活に再配分し、結果として国民の自立心を損なう社会主義的政策は採らない」「家族、地域社会、国への帰属意識を持ち、自立し、共助する国民」(を目指す)


 そして、この自民党綱領の解説で伊吹文明衆院議員は、「国民生活に政府が関与する政策を恒常的にやると、人間は弱いものですから、自立と自助の心根がなくなります」と書いています。


 さらに分かりやすく言っているのが自民党・橋本聖子参院議員です。7月11日の参院本会議で「子ども・子育て新システム」に対する自民党の代表質問で要旨次のように述べています。


 新制度は、当然、家庭教育を中心とする制度でなくてはならない。間違っても、子どもをあずけやすくする、親に楽をさせる、そういう制度であってはならない。


 自民党は、子どもは家庭で育てるということを基本としてきた。それは、親を尊敬する心、人を尊敬する心の根幹を育てるのが家庭教育だからだ。家庭教育こそが社会や国を支える根幹になると言っても過言ではない。


 子育てには苦労があって当然である。子どもは社会で育てるなどといって、子育ての苦労をなくし、親を楽にさせてあげるという政策は、親を尊敬しない子どもをつくり、国家を衰退させる道にほかならない。


 ――以上を見て分かるように、「自民党の哲学」というのは、「社会保障は国家を衰退させる道にほかならない」から、「社会保障解体」「自己責任社会づくり」が必要だというものです。片山さつき参院議員による生活保護バッシングは「自民党の哲学」を体現しているのです。


 こうした「自民党の哲学」が貫かれている「社会保障制度改革推進法」の「基本的な考え方」は、国民の自立を支える「家族相互」「国民相互の助け合い」です。社会保障を「国民の自立」を基本にして「家族」などの「助け合い」に置き換えることを基本にするというのです。国の責任で「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進」をはかるとした憲法25条に根本から反します。


 消費税増税とともに社会保障を解体する「一体改革」は、低所得になればなるほど収奪されバッシングされるという弱者いじめによって、究極の自己責任社会づくりを進めるものです。


 消費税増税と社会保障解体という「弱者いじめの日本社会づくり」 を、政府とマスコミをあげて進めておいて、命さえ奪ってしまう「子どものいじめ問題」だけが解決するわけがありません。


 『朝日新聞』は命を奪う「弱者いじめの日本社会づくり」 を一貫して扇動しておきながら、一方で「いじめられている君へ」という連載を行っています。『朝日新聞』のサイトを見ると「いじめられている君へ」と一緒に「いじめている君へ」という以前行った企画もアップされていました。この「いじめている君へ」の中から、野球解説者・村田兆治さんの「自分であやまる勇気もって」 の一節を『朝日新聞』はじめ、消費税増税と社会保障解体という弱者いじめの日本社会づくりを 扇動しているマスコミに最後に贈りたいと思います。


 いじめている君へ

 自分であやまる勇気もって


 自分の言葉や行動が、どんなふうに受け止められているか、相手の様子を注意してほしい。そして、これはひどいことをしたのだと気がついたら、すぐ、あやまってほしい。それが勇気です。(中略)


 相手の気持ちをあまり考えなくなってきている。それから、あやまらなくなってきているようです。残念です。(中略)


 自分がひどいことをしても、それに気づかせてくれる友だちが少ないのかもしれません。だから、自分の力で気づくようになってほしい。自分の意思であやまることができるようになってほしいのです。(中略)本当の勇気をもってください。


 ――この村田兆治さんの「自分であやまる勇気もって」を、消費税増税と社会保障解体を扇動しているマスコミ宛に変換すると次のようになります。


 消費税増税と社会保障解体で弱者いじめをしている マスコミへ
 自分であやまる勇気もって


 マスコミの扇動もあって進められている消費税増税と社会保障解体が、どんなふうに国民の生活――とりわけ低所得者層の生活――にあらわれるか、そしてその結果として日本経済・財政そのものも悪化させることに注意してほしい。そして、これはひどいことをしたのだと気がついたら、すぐ、あやまってほしい。それが勇気です。自分の力で気づくようになってほしい。自分の意思であやまることができるようになってほしいのです。本当の勇気をもってください。


(byノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)