2010-03-02 09:11:34

海外進出企業の17.6%が「内部留保のほぼすべて換金が容易」-内部留保は雇用に容易に使える

テーマ:大企業・内部留保の社会的還元を

 この間、大企業の内部留保についてのエントリーをあげてきましたが、2週間ほどで300ものコメントが寄せられています。批判的なコメントで多いのは、「内部留保は設備などの固定資産になっているから容易に現金化できない。だから、雇用や賃金には使えない」という日本経団連と同じ主張です。なかには、「固定資産になっている内部留保を取り崩せというのは、そこで働く労働者を路頭に迷わすことと同じだ」などというものまであります。


 もう何度も紹介しているのですが、過去エントリーで「大企業の内部留保の4割強は雇用維持に活用可能 - ほんの一部の取り崩しで雇用を守れる」 ことを詳細に証明していますし、「トヨタもキヤノンも内部留保を使うが雇用には使えない? -10年で2倍増の内部留保こそ“埋蔵金”」 の中でも以下のように説明しています。


 そもそも、企業の内部留保を2008年度の財務省「法人企業統計」で見ると、内部留保のうち現金及びすぐに現金化できる「換金性資産」は、大企業で54.9兆円、全企業で184.4兆円もあります。



 内部留保の「換金性資産」の中身を見ると、「現金・預金」は大企業35.5兆円・全企業143.1兆円、「流動性資産の有価証券」は大企業11.5兆円・全企業24.4兆円などがあります。



 過去エントリー「経済危機打開のための緊急提言 - 内部留保を労働者と社会に還元し内需拡大を」 で指摘しているように、非正規労働者の正規化に必要な資金は7.7兆円ですから、実際に「現金・預金」で溜め込んでいる内部留保143.1兆円のたった5%に過ぎないのです。(※ここまで過去エントリーからの引用)


 繰り返しますが、実際に「現金・預金」で溜め込んでいる内部留保143.1兆円のたった5%を使うだけで「非正規労働者の正規化」も可能だと私たちは主張しているのです。


 『日本経済新聞』(2008年7月12日付)は、「大企業が6期連続の増益で積み上げた手元資金は08年3月期末で46兆7,000億円。かつてないカネ余り状態が続いている。成長企業は資金を投資に振り向け、資金余剰の成熟企業は配当や自社株買いで資金を市場へ返す。こうした当たり前の資本政策を実践できるか。企業に問われているのは、哲学のある株主配分だ」としています。日経ですから株主配当に使えと主張していますが、実際に「かつてないカネ余り状態」「資金余剰」=現金として使える内部留保の存在は指摘しています。実際に、トヨタもキヤノンも内部留保を取り崩して株主配当には使っているのです。


 最後に、経済産業省からの委託で、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、2008年12月に発表した「我が国の国際租税制度に関する調査」報告書の中で、「内部留保残高で換金が容易な資産割合」を調査していますので紹介します。(※この報告書の調査対象企業は、東洋経済新報社の「海外進出企業総覧2008年版」に掲載されている全企業で、2008年9月にアンケート調査したものです)


 調査項目を正確に書いておくと、「内部留保残高で換金が容易な資産割合〈問〉内部留保残高について、そのうち金銭及び金銭に換金が容易な資産等の額はどれくらいの割合を占めますか」というものです。


 これに対する有効回答企業数は552社。そのうち、「内部留保のほぼすべて換金が容易」と回答した企業は97社(17.6%)、「9割程度換金が容易」は20社(3.6%)、続けて「8割程度」は17社(3.1%)、「7割程度」は24社(4.3%)、「6割程度」は13社(2.4%)、「5割程度」は35社(6.3%)、「4割程度」は17社(3.1%)となっています。内部留保を4割以上換金が容易とする企業は223社(40.4%)となります。とりわけ、「内部留保のほぼすべて換金が容易」と回答した企業が17.6%と2割近くあることも驚きです。(※ちなみに「わからない」などと回答した企業が168社(30.4%)もあったことも紹介しておきます。それとネット上には報告書の現物を見つけられませんでした)


 以上、「内部留保は設備などの固定資産になっているから容易に現金化できない。だから、雇用や賃金には使えない」などという主張が、まったくのウソであることが、企業みずからの回答で証明されました。


 そして、過去エントリーの「富士通総研が内部留保急増で「日本の賃金は他の先進国の半分に」「最賃引上げが最大の成長戦略」と指摘」 「『フィナンシャル・タイムズ』が内部留保の大幅削減こそ日本経済成長の最重要な要件と指摘」 「内部留保の還元でデフレ脱却・非正規の正規化・最低賃金引き上げ・サービス残業根絶」 などで、何度も紹介してきたことですが、内部留保を社会的に還元することでデフレを脱却して、下の表にあるように、内需は264兆円拡大、国内生産は424兆円拡大、付加価値は231兆円拡大、税収は41兆円拡大するのですから、企業にとっても大きな経済効果が生まれるのです。

すくらむ-内部留保


(byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)



コメント

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1 ■処置なし

あれだけ方々で批判されてるのにまだ分かりませんか?
どうして有利子負債の存在を無視するのですか?
会社運営の元手として流動資産と合算するものです。
だから、トヨタにしても、決して金が余ってるわけじゃないんです。
http://www.toyota.co.jp/jp/ir/financial_results/2009/semi/yousi.pdf
(こう言っても、また無視されるんだろうけど。)

非正規を正規化できないのは、問題がまったく別のところにあります。
雇用リスクが大きいので、そうしたくてもできないんです。
派遣切りにあった人たちだって、3年ルールがなければ、切られずに済んだ人も多いんですよ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%AE%E8%A7%A3%E9%9B%87%E8%A6%8F%E5%88%B6%E7%B7%A9%E5%92%8C%E8%AB%96

2 ■無題

『FT』が言ってるのは、株主権利を強化することで、企業に留保させずに投資にまわさせようという趣旨なんで、あなたの主張とは180度違います。

どれだけ反貧困叫んでも、非現実的な提言ばかりするのなら、何の意味もないですよ。

3 ■いったい??

労組は日本の癌だということがよくわかるエントリーです。

大企業に非難を集中させ、本当の問題である「労労対立」から目をそらさせようとする。

絶対額ではなく、流動比率とか当座比率とかを比べなよ。
いい加減、勉強しろ。
有利子負債もあることをしらんのか。

4 ■無題

換金はできるでしょう。使えるのかは話が別です。

某氏の書いてあるURL先を見たことはありますか?
(見ていればこんな記事は書けません)
ノックオン氏は、他人の意見を取り入れたり、様々な情報を集約したり、考える能力がなく、一方的な自分に有利な情報だけを抜粋して記事を書いており、非常に社会に対してミスリードした有害情報を出しているのです。理解したらいかがですか?

5 ■教育の程度

お前は母親から
「人のものを盗んではいけません」
という教育を受けなかったのか?

「(株主は)人に施しをしろ」というのなら、
国労一般がまず身銭を切って人に施しをしろよ(笑)

お前らの給料も、元をたどれば株主と労働者と経営者が生み出した付加価値だろっ。

6 ■施し?そんな気は毛頭ございませんw

1 ■無題

正規・非正規労働者相互の連帯で誰と闘うの?
その理屈だと公務員以外の人と闘って、増税するしかないw
原資は今のままで、正規が譲歩して同一労働同一賃金にするなら話は分かるけど、そんな気はさらさらなさそうだし。

nanasi 2010-02-04 18:16:48 >>このコメントに返信
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10450498156.html

7 ■とてもわかりやすい記事だなと思ったので早速僕のブログでリンクをー

ただコメント欄の「有利子負債」というのがちとわからなかったが、もっと具体的にどのような内容なのかをご説明してもらえると嬉しいのですが・・

かっての西武グループのように、一円も税金を納めないために、借金を重ねて土地買収や新規事業をみたいなことなのか・・

それとも、まだ多くの隠れサブプライムローン関連のが残っていると言われてる隠蔽された不良債権のようなものなのか・・

それともトヨタグループで顕著だった、関連会社やグループ企業を利用したそれらの間の取引きで闇金を作りだしたり、赤字を装う・・といった内容なのか・・

8 ■今がチャンス!

おい国労。リコール問題で株価が落ちている今がチャンスだ!

お前らがトヨタ株を買い占めて役員を入れ替え、内部留保を取り崩して雇用改善するんだ!お前らの日々の主張が実現するんだ、うれしいだろ!

今が千載一遇のチャンスだ。やり方まで教えてやったんだから必ずやり遂げろよ!これでやんなかったらただのチキンだな(笑

9 ■無題

>おい(笑
 国労って元国鉄の労組だぞ。バカだろ?。

10 ■失業、ホームレスは自己責任ではない 1

神の見えざる手という有名な言葉があって、経済は市場の自由な運動に任せておけば需要と供給の関係でおのずから最適な位置に落ち着くのだということのようですが、でも供給と需要は全然別のものじゃないか、おコメを百俵作った人がそれを売りに出したがそのコメを必要とする人には金がなくて、コメは売れ残り人は餓死するでは最適な状態とは言えないのではないか、というと、そういうことではなくて、セーの法則、もしくは販路の法則というのがあって、供給それ自体が需要を生み出す、のだそうです。これは経済学上ではあたかも物理学におけるエネルギー保存の法則といえるものなのだそうで、どういうことかというと…
ある樵が山林地主に一万円をはらって木を切り出し、二万円で材木屋に売った。それを家具職人が三万円で買い、テーブルを作って四万円で売りに出した。各人の収入はそれぞれ一万円で、四人の収入の総計は四万円である。左側には四万円の収入があり、右側には四万円の商品がある。
 もし樵の取り分が五千円であれば三万五千円の総収入に対して三万五千円の商品になり、材木屋が自分の収入を一万五千円にすれば四万五千円の総収入が四万五千円の総商品に対することになる。さらに一人の商人が現れてそのテーブルを買い五万円で売るとしても同じで一方に五万円の総収入があり反対側には五万円の商品がある。総収入の額と総商品の額は常に等しい。この二つは違うことができない。だから収入のすべてが支出されればすべての商品が売り切れる。
 これは非常に優れたシステムで、もし商品が売れ残るとすればそれはその商品が市場にとって不要なものだったからであり、必要な商品である限り必ずそれが売り切れるだけの収入がおのずからもたらされていることになる。
 ただしここで肝腎なのは「収入のすべてが支出される」ということで、

11 ■失業、ホームレス、葉自己責任ではない 2

このとき、収入の一部が支出されずに貯蓄に回されるとするとその分の商品が売れ残ることになり、その商品が売れればもたらされるはずの収入が実現しないことになる。そこに発生する貧困の量は貯蓄の量と等しい。使われずに残った貯蓄は世界の反対側に自分と等しい量の「実現しなかった収入」・貧困を生み出す。
一方で、貯蓄するということはもう消費に金は使わない、消費財はいらない、と市場がいっているわけなのだからそれだけ資本財、生産財に資源を振り向ける余裕を手に入れたのだともいえる。
資本主義の初期においてはブルジョワジーという偉大な種族がいて利潤をすべて投資に次ぐ投資に振り向け資本財、生産財を拡充し世界を豊かにしたというふうに昔習った記憶があるのですが、今の日本はカネ余りとか言って投資に振り向けられずに漫然と溜め込まれたままになっているのだそうで、するとその巨大な貯蓄の分だけ消費が不足し、実現されない収入・巨大な貧困が生まれる。
もはや投資に次ぐ投資で事業を拡大した偉大な種族が滅びてしまった現在、国づくりがあらかた終わってしまったといわれる現在では、この巨大な貯蓄を何とかするには、貯蓄している人に何とかものを買ってもらうとか、軽いインフレ状態にして今使わなければ損をするぞと脅かすとか、貯蓄分は税金で没収するぞといって強制的に支出させるとか、それでも使わなければ本当に没収して国が代わりに使ってやるとか、多く貯蓄する富裕層からあまり貯蓄のできない貧困層に所得を移転するとか、または、使わないで貯めこむだけの人がいるなら、貯めないで使う人がいればいいわけだから誰かが巨大な赤字を出して借金経営の事業をするとか、とはいってもそれだけの赤字に耐えられるのは民間にはいないだろうから国が赤字財政で何かをするとか、またはそもそもカネがしまいこまれてしまっているのだからその不足分のカネを印刷するとか、が必要になる。
投資しきれないほどの貯蓄が眠っているということはそれだけのお金を持つ資格と能力のない人の手にお金が集まっているということであり、一方にはお金がなくて失業、ホームレス、餓死、自殺が発生しているということは現在の貯蓄のシステムが重大な欠陥を抱えていということだ。失業、ホームレス、餓死、貧困…は自己責任ではない。

12 ■Re:失業、ホームレス、葉自己責任ではない 2

>shnさん
個人の1,500兆もある貯蓄が諸悪の根源って事ですね。
良く分かりました。

13 ■貯蓄が諸悪の根源・・という理由は?

お金だけが自然界のどれとも違って、死滅してゆくどころか利子を生んで増殖してゆく点にあるのではないのだろうか?
具体的には、金持ちに有利な最近のデフレのように、お金をもっているほど貨幣価値が上がって、土地等を以前の何分の一のお金で買い叩くことが可能になる等・・
それへの対策はデフレを根絶するか、高税しかないのかもしれない。

14 ■公務員改革も実行しよう

OECD の分析によれば、公務員の雇用には次のような変化がみられると
している。第1に、いくつかの国では公務員の終身雇用を保障する法規定
が廃止され、公務員も一般的な雇用法制の下に置かれるようになった。

OECD の報告書では、各国が終身雇用から任期付きあるいは契約による雇用
に移行した理由を、労働市場の変化だけでなく、各国政府が将来の財政逼迫
に備えて雇用の弾力化を進めているためであるとしている。また、
OECD 諸国は公務員の個人的パフォーマンスを
評価するようになってきている。

http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis180/e_dis179.pdf

15 ■笑いごとではなくなってしまった都市伝説みっつを論破する

笑いごとではなくなってしまった都市伝説みっつを論破する
http://news.livedoor.com/article/detail/4639664/

16 ■サルでもわかる配当政策

サルでもわかる配当政策
http://news.livedoor.com/article/detail/4613462/

17 ■無題

kggという名前で偽物が出てきたので、
名無しでいこうかなっと。

まぁ、たぶん反論できないので
こんなことしかできないのでしょう。
子供だなぁ~。
まぁ、子供だから知恵がないのでか。
でも、子供な事するわりには、長い文章も書くね。

ちなみに、私と文体が違うし、私はよく漢字を間違えるので、もう少しそのへんをマネるといいかもね。

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