『フィナンシャル・タイムズ』が内部留保の大幅削減こそ日本経済成長の最重要な要件と指摘 | すくらむ

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 「企業による過剰な内部留保と投資機会の減少が組み合わさったことが、構造上の根本的問題になった」


 「日本経済の分野別に貯蓄と投資(収入と支出)のバランスを見ていくと、何が起きたのかよく分かる。1990年にはほとんど全分野で収支のバランスがとれていたが、そこへバブル崩壊の危機がやってきた。その結果の長期的影響が、日本の民間部門による巨額黒字の蓄積だった。しかし家計貯蓄は減りつつある。つまり、経済が「成長しなくなった」後、GDPに占める企業の内部留保が割合を増し、投資が減ったのが、民間黒字の最大の原因だ。そしてこの巨額民間黒字は資本流出と財政赤字という形で相殺されている」


 「企業による過剰な内部留保と投資機会の減少が組み合わさったことが、構造上の根本的問題になったのだ」


 「日本は今、内需主導の成長実現を目標としなくてはならない。最重要な要件は、企業貯蓄の大幅削減だ」


 「日本は寝ぼけた経営陣の手から資本を取り上げなくてはならないのだから、日本こそ企業支配権の市場が必要だと言いたい。経済界の既得権益に恩義のない日本の新政権は、企業行動を変えさせる政策をいよいよ採用するべきだ」


 上の文章は、すべて『フィナンシャル・タイムズ』(2010年1月13日付)に掲載された「長年苦しんだ日本から世界は何を学べるか」という記事に書かれているものです。(※全文はこちら→

http://news.goo.ne.jp/article/ft/business/ft-20100122-01.html  )


 ちなみにウィキペディアの『フィナンシャル・タイムズ』の説明は、「経済新聞として定評があり、ニュースの信頼性も高い。世界の企業の時価総額をランキングするフィナンシャル・タイムズ・グローバル500を毎年発表し海外では非常に有名である。本社はロンドンにあるが発行部数はイギリス国外の方が多い」とあります。


 その「経済新聞として定評があり、ニュースの信頼性も高い」と言われている『フィナンシャル・タイムズ』が、企業の内部留保を大幅に削減することが、内需主導で日本経済の成長を実現する最重要な要件だと指摘しているのです。


すくらむ-内部留保提言3


 ついでに参考資料として、上の表のように、内部留保が急増したのは1999年度以降で、その後、2008年度までの10年間に、209.9兆円から428.6兆円へ、218.7兆円増と、2倍以上に膨張した。売上高に対する水準も、15.2%から28.4%へ、13.2ポイントも上昇しています。

すくらむ-内部留保提言4


 内部留保を種類別に見ると、上の表のように、この間の増加額が大きかったのは、「繰越利益剰余金」、「積立金」、「資本準備金」および「その他資本剰余金」の順となっています。
(byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)