公設派遣村833人・生活保護申請325人 - 入所者に寄り添い生活再建を | すくらむ

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 「公設派遣村」(国立オリンピック記念青少年総合センター)の入所者は833人。「ワンストップの会」(年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会)を通じての生活保護申請は325人となっています。以下、「ワンストップの会」からの報告です。


 ▼4日の一般ボランティアの動員解除と3日の動きの報告、要員の募集について


 4日の行動予定が大幅に変更されたため、福祉事務所等への要員配置(4~5日)はなくなりました。大変申し訳ありません。ボランティアの大募集をかけながら、本日4日の福祉事務所等への要員配置がなくなった連絡が遅くなり、深くお詫び申し上げます。


 後で詳しく報告しますが、4日午前にオリンピックセンターを出た入所者は、次の宿泊先に向かうことになりました。そのため、福祉事務所やハローワークに4日や5日に行くことは基本的になくなりましたので、4~5日の福祉事務所等での待機行動はおこないません。


 ▼3日の経過、行動報告


 (1)生活保護申請の扱いについて、都との折衝で合意


 2日夕刻、東京都から「(渋谷福祉に大量に行くことになれば混乱するので、ワンストップの会を通してファックスした)申請書はそのまま活かして(=申請日はファックスを送った日)、本人が同意すれば他の区市に実際の手続きを移したい」という申し出があったため、その扱いについて協議してきました。その結果、3日午前8時半からの事務折衝で、以下の確認(大要)をおこないました。


 ①申請はすでにされているので、本来は渋谷が原則。行き先を変えるには、本人の納得と同意が必要。


 ②ワンストップの会を通して生活保護申請をした人の名簿をワンストップの会から提出し、東京都からは、本人の同意でその申請先がどう変わったか、最終的に誰がどこになったか、報告をもらう。


 ③申請先の市や区によって、取り扱いがバラバラにならないようにする。東京都としても速やかに手続きがされるよう徹底する。淡々と手続きをすすめる。問題が生じた場合には、ワンストップの会として都に話し合いを求めていく。(都も協議には応じる)


 ④(この合意内容および4日の移動の諸注意を徹底するため、)ワンストップの会作成の「お知らせ」を入所者に配布する。さらに、(持ち帰って検討した結果、)ワンストップの会の館内放送を認める。


 (2)午前10時から入所者集会を開催、バスでの移動学習会と個別面談も引き続き実施 生活保護申請は325名に


 4日の移動等の方法の伝達のため、午後は外出禁止令が出て部屋での待機となったため、当初予定の13時から繰り上げて、入所者集会を開催し、状況の合意内容や明日の移動についての諸注意などを伝え、了承を得ました。


 あわせて、生活保護をはじめ各種制度について、移動バスの中での学習会・個別相談を3日午前中も実施しました。その結果、これまでの通算で個別相談は500名近くに達し、ワンストップの会を通じて生活保護申請をすでに済ませた人が325名になりました。(なお、去就をつかめていない人に都が面談していたので、その中からも今後生活保護申請する人が出る模様)


 (3)本人の意思確認に手間取り、都の予定は大幅にずれ込む


 都の相談窓口の態勢の弱さもあり、利用したい制度等の意向が把握されていない人が、3日になってもかなり残されていました。そのため、内部からの電話報告によると、都の職員は3日午後も意向把握に追われて、手間取っているようでした。


 そのため、当初は午後2時とか3時と言われていた各自への行き先(宿舎と手続きに行く行政機関)等の説明は大幅にずれ込んで行きました。最後は印刷機が壊れたということで、手書きで宿舎等が明記された文書が、午後11時までに、手書きが完成した人の分は各自に配布され、間に合わなかった人には4日朝に配布されることになりました。(ただし、配布されたものは4日、5日以降の各自の宿泊先の案内のみ。手続きをする福祉事務所等については5日に当面の宿泊先に落ち着いた時点で各自に伝えられる模様。)


 (4)5日以降、入所者の多くが入る施設が「○○○○」であることが判明。 相談に応じてワンストップの会の施設内への立ち入り等が認められる


 途中で4日以降に入所者(5日からは入所者の大半)が移る施設が「○○○○」(都は施設名を公表せず)であることが判明。折衝の結果、その施設を容認する代わりに、①入所者からの相談に応じるため、ワンストップの会がその施設に立ち入れるようにすること、②その施設に福祉施設から出向いて生活保護の手続き・面談をする場合には(福祉事務所での対応と同様に、)弁護士等の支援者の立会いを認めることが確認されました。


 なお、ワンストップの会として、この施設でいいと考えているわけではありませんが、①時間的にも差し迫っており、別の施設確保を強行に迫り続けることは難しい状況にあったこと、②(外部からの立ち入りが拒否された事実上の密室で、)生保申請等の手続きがどうなっているかわからなくならないよう、ワンストップの会の相談に応じる立ち入りや立ち合いが認められたこと、③大方の人が一つの施設となるため、区市によって手続きの進行状況等に差異が生じた場合には、入所者にもその事実がすぐに分かるため、問題のある区市についての改善のとりくみが進めやすいこと、④大方が一つの施設となるため、ワンストップの会との接触も取りやすく、支援が容易であることなどから、あえて容認することにしたものです。


 (5)館内放送は結局、午後10時半過ぎからに


 以上のような状況のため、館内放送は結局10時半過ぎからおこなわれました。東京都の説明に続き、ワンストップの会からも、生保申請の渋谷集中からの変更と4日の移動等の諸注意をおこないました。また、放送にあわせて、ワンストップの会のお知らせも、東京都から各部屋に配布されたはずです。


 移動先の施設が「○○○○」になることに不安の声や連絡が遅れたことにいら立ちが募っていた状況から、館内放送では特に、行き先は仮の宿であること、不満があってもまずは移動しよう、協力してまずは家を見つけて生活再建のルートに乗ろう、ワンストップの会も引き続き支援することを強調しました。


 (6)午後11時15分から都庁で記者会見


 東京都の記者会に続き、ワンストップの会も午後11時15分から、都庁の記者クラブで緊急に記者会見をおこない、前出した状況について報告しました。


 なお、その際、状況の評価を聞かれたので、①昨年と違い、公的に宿泊施設等が準備されたことは大きな前進と評価していること、②しかし、その中身について言えば、相談窓口の状況などいくつもの問題点を残したのではないか。もっと入所者に暖かく接してほしかった。③今後、福祉事務所などに出向き、生活再建のとりくみがはじまるが、その際にはもっと入所者に寄り添い、暖かい対応をしてほしい。④ワンストップの会としては今後も支援を継続して、1日も早く生活再建のめどが立つように援助していきたいなどの話をしました。


 ▼今後の予定等


 (1)入所者は本日、オリンピックセンターを出て、移動することになります。当初はバスで福祉施設等に送り届け、そこで手続きをして、その後に次の宿舎に移動という話でしたが、(手続きの遅れ等もあったのでしょうが)複雑なルートになるため、4日は基本的に、次の宿泊施設(カプセルなど8施設程度)に移動するだけになりました。4日は10時ぐらいからバスが順次出発すると思われますが、行き先のカプセル等のチェックインの時間の関係で、バスの中で時間つぶしという例も出るようです。


 (2)さらに4日のカプセルホテルは結局、4日のみ使う施設になり、5日からは大部分の人が「○○○○」(都は施設名を公表せず。女性や夫婦、病弱などの理由のある人などが別施設)に集められることに変わりました。よって、5日も移動が優先され、「○○○○」に移動した段階で、各自に手続き等に行く福祉事務所などが告げられる模様です。(すぐに伝えることができないわけではないようですが、混乱を避けるため、各福祉事務所への徹底や伝え間違いがないよう、移動を優先させた措置になった模様。)


 なお、「○○○○」は当面2週間程度を想定しているようですが、アパート等を決定できるかという期間を考えると、延長を求めていくことや、人数の減り具合によってはもっと交通の便の良い施設・宿への移動を求めていくことが必要になると考えられます。(ワンストップの会としてもこうした相談に関わってきた複数の不動産屋を配置)


 (3)よって、実際上は6日から福祉施設やハローワークに出向いて生活再建の手続きを進めることになりますが、「○○○○」は辺鄙な場所にあるため、○○駅までのチャーターバスの運行がおこなわれます。また、福祉事務所からも出向いてきて、その施設で手続きをおこなうことも検討されています。(実際に、どれだけの福祉事務所が出向いてくるのかは未定・不明)


 (4)こうした状況を受け、ワンストップの会としては、今後も支援を強化していくことを確認し、当面、以下の行動を確認しました。


 4日09時~ オリンピックセンター前での、激励・送りだし行動
 4日    オリンピックセンター以外の入所者・相談者へのフォロー活動
 5日昼~  「○○○○」前での、激励行動(ようこそ行動)
 5日~   「○○○○」に入所した人からの求めに応じた、
        施設内に立ち入っての個別相談・支援
 6日~   福祉施設が「○○○○」に出向いてきた場合には、その場でも立会いなどの支援活動。福祉事務所に出向く場合も同様に
 11日    大相談会(大部分が○○○○に宿泊になったので、
       当初発表から場所を変える可能性有。
       場合によっては2カ所で開催)


 よって、5日以降は「○○○○」施設にいける人のローテーション体制、800名規模の相談に応じる体制が必要です。


 弁護士等の専門家と労組役員などで体制を組みますので、行けると言う人はいつ行けるか、日程を必ずご連絡ください。(総務的な仕事もあります。)


 なお、突如行ってはダメです。入所者の要望に応じて体制を組みますので、可能な日程をまずはご連絡ください。800名近い方の相談への対応ですから、かなりの人数が必要なことは確かです。積極的に参加を募っていただくと助かります。


《連絡先》年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会
       代表 宇都宮健児(弁護士)、略称:ワンストップの会
       TEL:080-3432-9023 または 090-6944-1636
       Email:
hakenmura@mail.goo.ne.jp