686. アンタッチャブル(87)/殺しのドレス(81) | 同世代名画館DX

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昭和37年生まれの支配人です。小学校でライダースナックを川に捨て、中学で赤いシリーズに毎週熱中、高校で松田優作に心酔した世代です。50~60代の皆さん、いつかどこかで観た映画とともに、時間の旅をお楽しみください。

もう一度と言わず何度でも観たい外国映画リバイバル。

既に何回観たか分からない「アンタッチャブル」と「殺しのドレス」。ブライアン・デ・パルマ代表作選だ。


「アンタッチャブル」は、もう100点満点の映画だね。

勧善懲悪ストーリー、胸のすくアクション、息詰まるサスペンス演出、登場人物たちのドラマ、そして豪華俳優陣の演技、どれをとっても完璧だ。

この映画で颯爽と登場したナイスガイ(この頃は)のケビン・コスナー、いぶし銀のような魅力的な老警官役でオスカーまで手にしたショーン・コネリー、風貌まで変えて悪役になり切ったロバート・デ・ニーロ、そして、寡黙なガンマン役で注目を浴びたアンディ・ガルシアなど、みんな本作が代表作と言っていい。

ショーン・コネリーもこれで復活し、しばらく主演で持てはやされることになった。その陰に隠れて意外と評価されなかったけど、デ・ニーロのカポネ役こそ素晴らしいと思う。

またまた(何度目だろう)太って、頭の毛まで抜いて別人のような顔つきと体格。この1年前後に「ミッション」「エンゼル・ハート」「ミッドナイト・ラン」とか出てるのに、いつの間に太ったり痩せたりしてんだろ。最近では年取って、太ったままと言う感じだが、この頃のデ・ニーロは増減自在だった。

何と言っても、階段でのスローモーション襲撃シーンが圧巻。DVDで何度も観直すのはこのシーン。カット割りの勉強になる。こんな、誰もやらない映像遊び、これぞブライアン・デ・パルマ!

最初から最後まで、まったく飽きさせない大傑作だ。


デ・パルマ作品からもう1本となれば、これ。「殺しのドレス」

サスペンスのジャンルでも最も成功してる。エロくて、怖くて、ハラハラドキドキ。特に、エロさはデ・パルマ中で確実に一番だね。シャワーシーンばっかりだし。

デ・パルマお得意の、思わせぶりな演出で、台詞もほとんど無く、延々と見せ続けるサスペンスシーン。例えば、「ミッション・インポッシブル」であれば、トム・クルーズが宙吊りになってパソコンのデータを盗むシーンのような。

本作では、開巻間もない美術館のシーン。何か起きそな、起きなさそうな、って感じで、終いにはエッチシーンへ。そこからは、怖い怖い、サイコ・サスペンス。ヒッチコックの「サイコ」の大いにパクリだけど、この頃のデ・パルマはそんなこと構わない。

個人的には、これと次作「ミッドナイト・クロス」が同じくらい好きだ。特に「ミッドナイト・クロス」のラストシーン。これは映画史に残る名ラストだと思う。


デ・パルマ、最近はあまり名前が出ない。また、サスペンスで楽しませて欲しい。