エンジンルームを見るとその車、いやそのメーカーの思想を感じ取ることができます。高級車であればエンジンカバーが付いているので内部を見ることは難しいですが・・・。
特に横置きのエンジン車の場合はエンジン以外の補機類やバッテリー、そして配線や配管を見てあまりにも汚いレイアウトである場合にには開発者のその車に対する思い入れは低く、無理矢理エンジンルーム内に収めましたという印象を受けますね。
私の印象では・・・。
ドイツ車⇒フランス車⇒イタリア車⇒日本車
この順にエンジンルームのきれいさを感じることができます。特に今の日本車のエンジンルームは見た目が汚いです。バッテリーの配置をはじめ、縦横無尽に伸びる配管や配線そしておまけにボンネットの開け閉めはダンパーではなく、相変わらずつっかえ棒です。
各メーカーの思想とはいっても特別難しいことではなく、エンジンの気持ちになっているかということです。適切な量の空気をいかにスムーズに吸入するかにはじまるエンジンルームのレイアウトの意義を無視し、空いている場所に無理矢理配置したとしか思えない車が多いのです。
そうなるとエアクリーナーの形状が複雑化し、インテーク側の配管が急激に曲げられるような配置になるのです。こうなれば内部で空気の渦が発生し、抵抗になるほか嫌な音も生じます。それを防ぐために余計な吸音材で対処するという悪循環にになります。
今の日本車を見ると、車のパッケージにおけるエンジンの重要性を無視していますね。見えない部分にはスペースもコストもかけない、つまり燃費さえよければ何でもよいという思想にになるのです。
このような積み重ねが走りにも影響し、その不具合を電子制御に頼って改善するという対処療法をしていると感じます。電子制御なんていうものは最後の最後の対処療法であるべきで、走りの基本は車自身の骨格と足廻りで決定していくべきなのです。その上流過程でエンジンルームのレイアウトが決まるのです。目的はエンジンの力を最大限発揮する部品のレイアウトと重量配分です。
これらを誤るとステアリングを切った時に感じるフロントの違和感やエンジンの応答遅れを感じることになるのです。
EVに完全移行することなんてかなり先の話です。まだまだエンジン車が大半を占めるでしょう。だからこそ魅力ある車を取捨選択して乗る方が楽しいのではないでしょうか?