大自然遺産(3)涼しいマイナー洞穴三景 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

蒸し暑い梅雨時、雨天時は以前紹介した避暑地へ行きたくても行けない、という時、お勧めが洞窟での避暑。内部はひんやりとしていて、雨を気にすることもありません。



しかし観光客が大勢集まる洞窟はその熱気と喧騒で「精神的猛暑」になりかねません。そこで、地元県以外ではあまり知られていない洞窟を紹介しましょう。



(1) 河内風穴滋賀県多賀町)

名峰・霊仙山1084m)二合目を越える汗ふき峠南方に位置する石灰岩風穴。自然、戦跡、ときどき龍馬-河内風穴内の階段

入洞は有料なものの、県外には殆ど知られておらず、周辺に観光施設もありません。



面積150平方メートルで四層からなっており、随所に階段も設置されているものの、鍾乳石等は殆ど見られません。しかしひんやり感は最高。



昭和期は旧国鉄彦根駅から近江バスが運行されていましたが、今は便なし。JR彦根駅からタクシーで三十数分。



登山愛好家は風穴からそのまま歩いて汗ふき峠、霊仙山へ。ハイカーは汗ふき峠から北の廃村・榑ケ畑(くれがはた)を経て、東洋一の鱒の養殖場(200万匹)「醒ヶ井養鱒場」へ。



養鱒場からJR醒ヶ井駅への近江バスが現在運行されているか否かは不明。便がなければ一時間ほど歩くことになります。



尚、養鱒場内食堂での鱒料理はお勧め。’90年時、2,600円ほどで7品以上料理が並べられました。地酒の冷酒もあり。もちろん、釣堀で釣った魚も有料でさばいてくれます。



(2) 面不動鍾乳洞奈良県天川村)

洞川(どろがわ)温泉郷にある洞窟で夏場は19:30まで営業。自然、戦跡、ときどき龍馬-面不動鍾乳洞・羅漢窟 洞内には「天の花園」や「羅漢窟」(貼付写真)等、各所に様々の名称が付けられ、天井岩から垂れる鍾乳石や、地面から筍(たけのこ)のように伸びる石筍が見もの。



また、洞窟に生息していたと思われる日本猿、日本カワウソ、テンの化石も足元に展示されています。



洞川は避暑地の向きがありますが、修験道のメッカ、大峰山の麓に広がる温泉街。他にも複数の洞窟があり、有料で入洞できますが、面不動とは違い、修験の洞窟であるため、写真撮影は禁止。



私は最初、洞川を訪れた時、大阪から日帰りしましたが、一般的には宿泊します。大阪の近鉄阿部野橋駅から近鉄特急、奈良交通バスを乗り継いで洞川温泉バス停まで約二時間半。



山奥にあるため、一般的な温泉郷のような喧騒はありません。私は二回目に訪れた時、登山のためだったので宿泊しました。その時、日曜に泊まったのですが、投宿した「いろは旅館」では私以外に宿泊客はいませんでした。普通の温泉街ならあり得ません。



(3) 猿田洞高知県日高村)自然、戦跡、ときどき龍馬-猿田洞

坂本龍馬の脱藩道(「真・脱藩道」の方)の北側にある石灰岩の洞窟ですが、現在は未整備で照明すら設置されていません。



が、この洞窟が発見された安政五年(1858)時は見物客が一日数百人訪れ、周辺には露店が並ぶ賑わいだったと言います。



本洞、枝洞合わせると全長1,422mで、鍾乳石は少ないものの、千畳敷の大広間や深渕もあると言われています。が、未整備のため、案内板等はないものと思われます。



入洞時は事前に日高村教育委員会に届けを出すようになっていますが、私が訪れた時は扉が開いていました。開いていると分かっていれば、ヘッドランプを持参したのですが・・・。



兎に角、真・脱藩道ウォーキングがてら、少しだけ奥に入って涼むのも一興。

再踏査した日高村の真・脱藩道は拙著「長州・龍馬脱藩道」を。

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