あの。普通に。面白すぎないだろうか。
テケテケという都市伝説がある。
上半身だけの何者かに追われて、振り向くと殺されるというものだ。
足音が「テケテケ」と聞こえることから、そう呼ばれている。
そのテケテケに遭遇してしまった女子高生。
彼女は、どうなってしまうのか。
こういうホラーに必要不可欠な重要な道具。
それは、モンスターの造形と、生存への方策である。
呪詛からの逃れ方をベースとした場合、この『テケテケ』は教科書のような筋立てだ。
ホラーだけれど、モンスターパニックに近い。
それも相当な面白さ。
当時は思いっきりAKBだった大島優子が可愛すぎる。
公開当時に観ていたら100パー、ファンになっていた。
芝居が出来るアイドルであり、終盤にはドキドキした。可愛くて、だ。
いとこ役の山崎真美もグラビアアイドル出身。美人。芝居もいい。
母親役の水木薫も出番が少な目ながら、いい。日活出身の方とは知らなかった!
オドオドしているイケメン、阿部進之介もよく。
と、かように、白石晃士監督は芝居演出が行き届いている印象だ。
今作では完全にフィクションの作話法で、固定カメラ。
心象風景のカットなども入り、怪異シーンやクライマックスの見せ方にも唸る。
才気が迸っている。嬉しい。
素敵なのは、テケテケ本人のおどろおどろしさである。
『シン・ゴジラ』の特殊造形プロデューサー・西村喜廣による造形も、さすがの不気味さ。
見てしまったら終わり。
という、誰でも陥る感。
死が待っているという呪詛。
そういった都市伝説の完成品を素材にして、更なる恐怖を増幅。
神経に来る音楽もゾワゾワを高める。
上映時間は70分。
そして怖いのだ。
これを完璧と言わずして何と呼ぶ。
鉄橋で気配を感じても振り向いてはいけない。
そこには、テケテケがいるから。
当方、過ぎるほどに大人だが、肝に銘じた。
dtv
2009年・日本
監督: 白石晃士
脚本: 秋元健樹
音楽: 清水真理
出演: 大島優子、山崎真美、西田麻衣、一慶、水木薫、阿部進之介、沢柳廸子、つじしんめい、小島可奈子、螢雪次郎、長宗我部陽子
※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。