どのくらい古めの映画かといいますと、まず、ネット上でポスターが見つからない。
しかし、2014年にジャニーズ事務所が舞台化している。
アイドルが、です。どんな喜劇なんだろう!
え・・・これを・・・ジャニーズ・・・が!?
当方、途端にジャニーズファンになりそう。
伝説のコメディアン、榎本健一主演の舞台の映画化。
まるで、芸達者を揃えたオーケストラじゃないか!
監督はコンダクターだ、どうですか。
喜劇役者という生き物は、今では絶滅危惧種レッドコード。
彼らが、スクリーンいっぱいに弾けて笑わせに来てくれる。
演劇論イジリあり。
皮肉も効いており。
大衆芸能なめんなよというその姿勢。
それを、演劇の人も一緒にやってますから凄い。
三木のり平、フランキー堺、オシャマンベ由利徹、おいちゃん森川信、最近になってよく見るのでまだ生きてるみたいなイケメン南利明が、ワーワーやります。
笑わせる技術のお手本。
共通しているのは、身軽さ!
観客の喜怒哀楽を揺さぶる映画において、1番難しいのは笑いだ。
それをいとも簡単そうに。
新しさに拘るミス新派・水谷良重が怖い。
藤木悠はやはり、新井浩文に激似。
コメディ畑の青柳信雄監督は、映画的な部分よりも、舞台場面が最高に愉快。
いっそ、舞台をまるまる映画にしている思い切りの良さだ。
旅まわり一座が、都会の最先端な演出家に出会って花開いていく、お芝居話。
宝塚映画製作なので、華やか。
贅沢衣装で、ウエスタンあり、時代劇あり、歌舞伎あり。
その勢いや傾向は、初期の劇団新感線を思わせる。
ああもう、こんなに面白い勧進帳は初めて観た。
笑いすぎて屁が出るから、お願いやめて。
舞台あるあるのアクシデント対応は、三谷幸喜も思い出す。
スベりも大ウケもある1本。
こういう、役者の力量を見せ切ってくれる喜劇映画って減ったなと。
いや、喜劇が減ったなと。
いや、喜劇人が減ったなと。
そう思うのは、目にする場と機会がとんと減ったからだ。
喜劇は、廃れていってよい文化だとは全く思わない。
ひな壇で内輪話に終始するお笑い番組にも事情があるのだろうけれど。
今こそがんばれ、テレビの人たち。
スクリーン(秋田・週末名画座シネマパレ/Twitter)
1962年・日本
監督: 青柳信雄
原作: 菊田一夫
出演: フランキー堺、三木のり平、八波むと志、水谷良重、高島忠夫、榎本健一、由利徹、森川信、南利明、藤木悠、藤田まこと、内田朝雄
[関連作品]
フランキー堺⇒青べか物語
由利徹⇒孫悟空/006は浮気の番号
南利明⇒006は浮気の番号/喜劇役者たち 九八とゲイブル
※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。