『渇き』 1958年・日本
ポスターを観た時に、おお、これは観なければならないと思いました。
このエロさ。
山本富士子である。
川崎敬三である。
その2人が、ご覧の状況。
セレブ主婦と大学生の不倫の恋なのである。
となれば、ああなってこうなるだろう。
もう、失禁だ。
ところが、大学生のダサさが破天荒。
時代的なものではなく、川崎敬三の持ち味だろう。
不貞なのに、ハキハキ喋る。
いつも学生服。
いつもいつも、学生服。
そんな若造に、美魔女・山本富士子セレブもメロメロ。
衣食住には困っていないのだけれど、何かが足りない・・・たぶん、男を見る目が足りない主婦。
セレブ夫は佐分利信なので、チビる。が、この人物の人間味がとてもいい!
佐分利信の名演だけではまだ、満たされない当方(アホ主婦)。
甘い恋愛はどこ行った。
川崎敬三のせいでワクワク度がゼロ。
富士子セレブもなかなかの唯我独尊で、苦笑い。
この映画にはギャグは一つも無いのに、笑いは腹いっぱいだ、もう、いらねえ。
と思っていたら、なんと・・・
島耕二監督が、猛烈にイケメン!
これはどうしたことだ、元俳優とはいえ、川崎敬三よりもあなたの主演でいいじゃないですかあ!(切実)
そんなモヤモヤであったのに、ここ最近でイチバン集中してしまい。
ああ、映画観たなあ!と充足感。
光と影のコントラスト。
オードリー・ヘプバーンの恋愛映画を観ているよう。
草原も、汽車も駅も、景色の饒舌さに舌を巻く。
恋愛モノを望んでいたA地点から、数々のズッコケを経て、大満足のB地点まで。
さすが、恋のベンチシート。
川崎敬三おそるべし。
スクリーン(秋田シネマパレ)
[関連作品]
山本富士子 『黒い十人の女』
同タイトル 『渇き。』(役所広司・2014)
↑クリック☆ありがとう!人気ブログランキングへ
にほんブログ村へ