龍三と七人の子分たち

『龍三と七人の子分たち』 2015年・日本 


たーのーしーいー!
ヒーヒーもうだめもうやめて笑いが止まらん屁が出そう!
笑いシぬ寸前。
ほぼ昇天。

文字通り、腹を抱えて笑ってしまった。
一応は当方もイイ歳をしたババアなので、周りの空気は読む常日頃。
しかし、今作に限っては、静寂を好むお客様はご遠慮いただきたい。(暴言)

劇場もドッカンドッカンとウケているから、心置きなく笑える幸せ!
笑ってナンボだ。
だって、熟練の俳優たちが本気で笑わせに来てるのだから。
笑い声が、プロに対する拍手なのだから。

緩急も素晴らしく、一瞬、心配になるわけだ。
その観客の動揺を逃さずに繰り出す笑いはもはや、武器。
ジジイたちが手にする凶器にも似た、笑いの刃物。(やわらか仕様)

エンドロールはもちろん、今でも思い出し笑いの連続。
クレイジーなジジイたちに、胸躍らせてナンボだコノヤロウ。


藤竜也がビートたけしちゃんに見える。よくぞ、ここまでと感慨深い。
近藤正臣のオトボケ顔。この人は本当にいい。
マック品川徹の手の震え。
ステッキ樋浦勉の腰の震え。
五寸釘・伊藤幸純のヨボヨボっぷり。
カミソリ吉澤健の狂気な目。
神風・小野寺昭の、デンカの面影まるで消えてる問題。
そしてだ、中尾彬ああああ!

彼らジジイが猛烈に上手い。カンペを読んでいるとは思えない。

若者側も、勝村政信が相変わらずの俊足で、矢島健一が相変わらずの小物感で、ヤスケン安田顕には感涙で、下條アトムはジジイ側じゃないのかマジか・・・

北野武監督の、これは新たな境地と言っていい。
これまでのコメディ作品はグズグズ。ひどい。でも好き。
そこに、長年培ったヤクザ映画ノウハウをブッコんだ。
北野ワールドの融合である。そして昇華だ。


元ヤクザたちが再結集。
ガキと戦うジジイのハッスル。
ヤクザ脳だから。
なんだかんだ、クズだから。

クライマックスからラストにかけて、呼吸困難に。あ、当方が、です。
だって、あの物体の使い方の上手さといったら!

そして、高齢化社会への回答もここにある。
家族や若者からバカにされる様子は、実に腹立たしい。
って、当方も同じことをしているのだすみません。

ジジイたちを猛然と応援したくなる。
DVDになったら、劇場に行けなくなった映画好きのジジイとババ・・・あ、もとい、我が両親に観せてやりたい。

(※笑いの量は主観です)



映画 スクリーン

[関連作品]
北野武 『ソナチネ』『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』『みんな~やってるか!』『監督・ばんざい!』



↑面白かったらクリック☆ありがとう!人気ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
にほんブログ村へ

blogramで人気ブログを分析