マリインスキー歌劇場≪エフゲニー・オネーギン≫ 京都公演の感想 2016年10月8日  |   kinuzabuの日々・・・

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京子「みなさーん、こんにちわー」

 

岡崎「こんにちは。今日はロームシアター京都で、チャイコフスキーのオペラ≪エフゲニー・オネーギン≫の公演に来ています」

 

京子「ロシアのオペラをロシアの歌劇場がやんねんな」

 

岡崎「そうですね。ゲルギエフの指揮と、マリインスキーの管弦楽がどういう音楽を紡ぎだしてくれるか楽しみです」

 

京子「歌手は知らん人ばっかやな」

 

岡崎「マイリンスキーオペラで活躍している人ばかりなのでしょう。きっと実力派ぞろいだと思います」

 

京子「ところでどんな筋やねん」

 

岡崎「えっと、少女タチアナがオネーギンに恋してふられるけど、のちに立派な淑女になったタチアナを見てオネーギンが恋し、今度はタチアナからふられる、って情けない男の物語です」

 

京子「なんでそんな話がオペラになんねん?」

 

岡崎「いやこれが、いいオペラになっているんですよ。そこがオペラの不思議というか、まずは見てみましょう」

 

 

 

(1幕から3幕まで見ました)

 

 


岡崎「いかがでしたか?」

 

京子「場面転換中の舞台のトンテンカンの音がすんごく大きかったな」

 

岡崎「まあね、場面転換って大変なんでしょうね。このホールはバックヤードも狭いし。歌手はいかがでしたか?」

 

京子「オネーギンの人は朗々としてたな」

 

岡崎「題名役のマルコフはいろんなところで活躍しているそうです。やや単調かなとは思いましたが、美声が響き渡ってすばらしかった」

 

京子「タチアナの人は声も見た目もよかったな」

 

岡崎「タチアナ役のバヤンキナ、なかなか良かったのですが、『手紙の場』で期待したほどの歌を楽しめませんでした」

 

京子「あれで?贅沢やわ」

 

岡崎「私もそう思います。最初に聞いた太い力強い声で、これはいけると思ったのですが、期待が大きすぎたのかもしれません」

 

京子「レンスキーの人は声の大きさからオネーギンに大負けしてたから、決闘で負けるのも仕方ないな」

 

岡崎「決闘の勝ち負けを声量で決めないでください。確かに、アフメドフはいいテナーなんですが、ほかの人と今ひとつ声量が小さくてかわいそうでした」

 

京子「グレーミン公爵のひとも朗々としてよかった。アリア一つだけだけど」

 

岡崎「ツァンガの歌は素晴らしかったですね。オケも含め心に響いて、聴いていて涙が止まりませんでしたよ」

 

 

岡崎「指揮や管弦楽はいかがでしたか?」

 

京子「きれいな曲がいっぱいだったな。弦も、管もよかったわあ」

 

岡崎「管弦楽はきれいでしたね。弦は泣くし、管は響く。こんなオケでこのオペラを聴けるともう最高。ゲルギエフの指揮も変にあおることなく、曲の魅力を存分に引き出していたと思います。特に、三幕の舞踏会の音楽はキラキラ輝いてました」

 

京子「チャイコフスキーっていいなあ」

 

岡崎「ほんとメロディメーカーですよね。これをしっかり演奏してくれて、本当にいい公演だったと思います」

 

 

岡崎「演出はいかがでしたか?」

 

京子「一幕ではリンゴが床いっぱいできれいだったよ」

 

岡崎「転がしたり、かじったり。床に投げつけて跳ねたりしてましたから、多くはテニスボールみたいなものだったのでしょうか?」

 

京子「オネーギンってむかつくわ」

 

岡崎「まあ、そんな役ですから・・・」

 

京子「二幕は舞踏会だったね」

 

岡崎「明るくて華やかでしたね。田舎の舞踏会という感じで、招待客の動きも面白くて、いい場面でした」

 

京子「決闘の場面は一転して荒涼としてたな」

 

岡崎「木一本倒すだけで、あれだけ雰囲気が変わるのだと思いました」

 

京子「三幕の舞踏会も華やかだったわ」

 

岡崎「二幕と違って、洗練された都会の舞踏会。背景に映っていたのはクレムリンでしょうか?」

 

京子「次は、幕の前で、オネーギンがタチアナに言い寄ってたな」

 

岡崎「こんな重要な場面をなぜ幕の前で?と思いましたが、最後に幕が開いてふられたオネーギンが荒涼とした舞台に一人取り残されたところがすごく良かったですから、まあ、これもありかなと思いました」

 

 

京子「演出で、これは!って思ったことある?」

 

岡崎「一つは幕の開け閉めですね。左右上の3つの幕を開いて、長方形を拡大して開け、縮小して閉める。結構いい効果出してました」

 

京子「おもしろかったよね。まだある?」

 

岡崎「もう一つは、タチアナが序曲で舞台下手から出てきて上手舞台脇に置いたリンゴです。別の幕では、下手から出てきてもリンゴまで行かず、そこから逃げ出した感じでしたし、三幕二場でオネーギンが持ち上げて、昔の田舎の出来事を後悔しているかのようでした。あのリンゴは、タチアナの少女時代の象徴だったのかもしれません。少女時代の一幕はリンゴでいっぱいでしたし」

 

京子「ふーん、ネタが仕込んであったのね」

 

岡崎「まあ、勝手な想像が入ってますけどね。全体としては、歌手もよかったですがでしたが、指揮と管弦楽が特にすばらしく、演出も美しい、いい公演だと思いました」

 

 

京子「あー、頭の中を三幕の舞踏会の音楽が鳴ってる~」

 

岡崎「あれは美しかったですね。オペラの管弦楽の醍醐味でしょうか」

 

京子「筋はあれだけど、舞踏会の場面が多くて華やかだったわあ」

 

岡崎「オペラでは、舞踏会とか、サロンでのパーティとか、華やかな場が出てくることが多いですよね」

 

京子「そんなオペラをまた見たいわあ」

 

岡崎「ですから、またオペラを観に行きましょう!」

 

京子「またオペラを観に行きましょーねー」