ウィーンフィル大阪公演を聴いた。
会場は、フェスティバルホール。
曲目は、モーツァルトの交響曲35番とブルックナーの交響曲7番。
モーツァルトは、早くもなく、遅くもなく、締めるもなく、ゆるくもなく、中庸という言葉がぴったりの心地よい演奏。時々弦のエッジを効かせて、楽しませてもくれた。
ブルックナーは、美しく上品だった。
弦(特に1stバイオリン)は音が香り立つかのように湧き出て、あまりの美しさに呆然とした。木管も美しく、金管はきらびやかに鳴り響いた。合奏でも、弱奏時はもちろん、強奏時でも、決して美しさが消えない。
ティンパニは、いつもより前より(金管とチェロの間、木管の下手側横)にせり出して配置されていたが、これは音響効果より、視覚効果かな?
第二楽章の葬送の音楽のはかなさに涙し、第四楽章クライマックスの激しくもどこまでも美しい金管にしびれ、すべてが終わった後、ああ、ブルックナーはこんなにも美しい音楽だったのかとしみじみ思った。
以前、ラトル・ベルリンフィルでこの曲を聴いたときは重戦車のような重低音たっぷり迫力満点の音楽だったけれど、今回は全く違った。
私は以前から、メータは音を輝かせる指揮者だと思っていたが、それがウィーンフィルと組んで、どんな音楽が聴けるのか楽しみにしていた。それが、これほどまで相乗効果的に美しく上品なものになるのか、すごいものだと思う。
また、一生モノの演奏に出会えた。幸せだ。