再び、こんばんは~。
活字中毒きみどんです。
私の好きな作家に、有島武郎がいる。
名作多数、その中でも特に「小さき者へ」は、今でも古臭さを感じさせない。
ちなみに有島武郎の長男は、名優・森雅之である。←これ知ったときは、びっくりした
「羅生門」は、三船敏郎より森雅之よ~!(≧▽≦)
数々の名作を残した有島武郎だけど、詩作もしている。
その中に「電車の眼が見た」という作品がある。
「電車の眼が見た」
省線の高土堤をひらめきゆく電車の眼、
その眼が見る土堤下の人の渦巻き、
かげろうの見えがくれ、
葉巻の煙が風に揺られて、
するりと横さまに飛び消える。
何んでもない、
人は睦まじく生きたがっているじゃないか。
その祈りが横さまに飛び消える・・・・・・ひらめき消える。
省線というのは、省線電車の略で、国電の旧称である。
初めてこの作品を読んだのは、20代だったけど、なんだか衝撃的だった。
「小さき者へ」同様、全く古臭さを感じさせない。
この作品に色をつけるとしたら、ちょっとグレーのかかった白。
たぶん、曇り空の午後が舞台かな、と思う。
私の、好きな詩の一つなのです。
(文中敬称略)