「夢みるピーターの七つの冒険」イアン・マキューアン著・・・★★★☆
ぼく、夢をみているんだろうか、それとも・・。空想少年ピーターのスリリングでちょっぴりせつない秘密の冒険。ブッカー賞作家が、子供と、むかし子供だったすべての人に贈るとっておきの物語。
「このミス」一気読みフェアで、13冊連続してミステリを読んで来たがボチボチ飽きてきた。
現在の日本の情勢もあってか、殺伐とした作品ばっかり読むのはメンタル的に結構シンドイもんである。
と、言う訳で打って変わって、こころに優し~い大人の童話を読むことにしました。。。(^▽^;)
そんな事で昨日図書館を物色しに行ったら、なんと、マキューアンの童話を見つけた。
著書8冊目、1994年の作品である。
部屋に飾ってあった人形が動き出し、自分達の領分を主張する「人形」、ピーター少年が飼い猫と入れ替わる「ネコ」、妹や両親をクリームで消してしまう「消えるクリーム」の他、「いじめっ子」「どろぼう」赤ちゃん」「大人」など、ピーター少年が体験したちょっと不思議な7つのストーリーで構成されている。
子どもの頃には誰もが色んな空想を巡らせたり、この世界にちょっとした不思議を発見したりする。
しかし、成長と共にそれは徐々に減って行き、いつの間にか目の前にある現実だけに忙殺され、不思議な事など一つも無くなる。
この本は、そんな心を失くしてしまった大人たちの為に書かれた本だ。。。σ(^_^;)
自分の子ども時代に経験した事、思い描いた空想や願望を、ピーター少年にフィードバックさせて描く。
それらは、すべて善い事ばかりで無く、大人からみれば残酷な事、子どもらしからぬ事もある。
それらの経験から子ども達は必要な事を学び、愛する人を見つけ成長していく。
しかし、それは子ども達だけでなく大人たちにも必要な事ではないだろうか。
忙しい日常からの息抜きに、たまにはこんな本を読むのもいい。。。(^~^)
- 夢みるピーターの七つの冒険 (中公文庫)/イアン マキューアン
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