花王 メリット ピュアン モイスチャー 地肌クレンジング コンディショナーの解析 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
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化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

今回は花王さんのメリット ピュアン モイスチャー 地肌クレンジング コンディショナーを@取り上げます。

同シャンプーは既にこちらで取り上げました。
前編後編

積極的に若い層をターゲットにしてきたメリットピュアンシリーズですが。
メリットと言えば伝統的に医薬部外品でしたが、コンセプトをシンプルにするためかピュアンはそれも捨てて、ただの化粧品になっています(^_^;)

特に今回はお題は、コンディショナー。
メリットと言えば伝統的に、シャンプーの相方は「リンス」と決まっているのです(^_^;)
決してコンディショナーではなかったのです。
なぜなら、たぶんですけど。「リンスのいらないメリット」というリンスインシャンプーが今でも売ってるから(^_^;)
これが「コンディショナーのいらないメリット」に改名しない限り、メリットリンスはメリットコンディショナーになれないです。たぶん。

しかしピュアンではしがらみを捨てているので、最初から、メリット ピュアン モイスチャー 地肌クレンジング 「コンディショナー」という商品名です。
またピュアンにはリンスインシャンプーというアイテムはありません。シャンプーとコンディショナーのみの@商品構成です。

と説明してきてなんなのですが。
使ってみるとメリットピュアンコンディショナーは、メリットリンスと何だか良くにているのです。
細かい使用感についてはシャンプー前編のエントリーに書いてしまったのでそちらを見ていただくとして。
このエントリーでは、メリットリンスとメリットピュアンコンディショナーの処方を並べて比較しつつ解析していこうと思います。
メリットは医薬部外品なので、同じ原料でも名前が違っている時があるのですが(法律で決まっているのです)
共通成分には○印をつけたので、それを参考にしてください。

では処方を整理します。


まずワックスから見ていきましょう。
両方ともステアリルアルコールですね。リンスのワックス税雲としては一般的な物です。

次にコンディショニング剤です。
ここは、ピュアンコンディショナーがステアロキシプロピルジメチルアミンですね。
メリットリンスのほうは医薬部外品なので多少名前は変わっていますが同じ物です。

ステアロキシプロピルジメチルアミンはちょっと変わったリンス基剤ですね。
クラシエさんのエントリーでも書きましたが、むかしステアラミドプロピルジメチルアミンという変わったリンス基剤が流行ったのです。
資生堂ツバキやアジエンスが出始めた頃の話しです。
が、使用感の良いリンスを作るのは難しく、大部分の会社は使用を止めてしまったのですが、一部の会社はこのステアラミドプロピルジメチルアミン自体を改良しながら使い続けているのです。その内の1社が花王さんというわけ。
また、ステアラミドプロピルジメチルアミンを改良したのがピュアンに配合されているステアロキシプロピルジメチルアミンというわけです。
ステアロキシプロピルジメチルアミンは一社のみが生産しているわけではありませんが、参考としてミヨシ油脂さんのカタログのリンクを上げておきます。
これによると、ステアロキシプロピルジメチルアミンは髪のまとまり感や、髪への吸着量が大幅にアップしてるみたいですね(実験は羊毛でやってます)。

次は油剤ですね。
ピュアンコンディショナーは4成分配合されてますが、全てシリコン油ですね。ちょっと残念です。
ちょっと変わっているのが(ビスイソブチルPEG-15/アモジメチコン)コポリマーで、吸着力の高いアミノ変性シリコンとしっとり感の高いポリエーテル変性シリコンがブロック共重合した直鎖状のポリマーで両者の性質を併せ持つ素材とのことです。
油剤は意外に共通し得分は少ないですね。
しかし、メリットリンスと較べてワックス、コンディショニング剤、量の多い油剤が同じなのでやはりどこか似た処方になってしまいますね。

次は保湿剤です。
ここも特に書くことは二ですね。
目立つのは乳酸ですが、これはコンディショニング剤のステアロキシプロピルジメチルアミンを中和するために配合されている物です。
ステアロキシプロピルジメチルアミンは何らかの酸で中和されてはじめてコンディショニング効果が発揮されるのです。

あとステアロキシプロピルジメチルアミンは、コンディショナーを作るには若干乳化力が弱くて粘度が出にくい。そこを安定化させるため、増粘剤のヒドロキシエチルセルロースと、乳化剤のセテアレス-7
とセテアレス-25が配合されているようですね。
保湿剤の結構違う部分もあるのですが、コンディショナーとしての骨格が同じなので、使用感などはあまり変わらないです。

ひとつ気になるのは防腐剤らしい防腐剤が入っていないことです。
メリットリンスにはフェノキシエタノールがはいっているからわかるのですが、ピュアンには無し。
エタノール配合量も、配合順番から考えて、防腐でいる程多くないです。
ピュアンシャンプーの時も書きましたが、やはりベンジルアルコールの防腐力を利用しているようですね
海外なら例はあるのですが、日本の商品でベンジルアルコールで積極的に防腐している商品を初めて見ました(@_@)

有効成分のグリチルリチン酸ジカリウムはピュアンシャンプーでは医薬部外品でも無いくせに配合されてましたが、」コンディショナーでは配合されていませんね。

こんなところです。
ステアロキシプロピルジメチルアミンを使っているところは、処方を作る側から見ると面白いのですが、
まだ使ってるんだーとか、意外にまとものが作れるんだー、という意味で(^_^;)
普通の人にはあまり面白くないですね。
面白いのはベンジルアルコールによる防腐ですね。
これについては、私もまだまだ検討中。やはり花王さん侮れない・・・。


本項は以上です。