化粧品犬です。
先日のエントリーで行ったシャンプーの解析が、比較的評判良かったようなので、今度はコンディショナーを解析してみます。
今回のサンプルはこちらです。
資生堂TSUBAKI(ツバキ) ダメージケア コンディショナー
あえて赤ツバキでなく白ツバキなのは、私がこちらの方が好きだから(^_^;)
裏面の表示は以下の通り。
水、ソルビトール、ジメチコン、ステアリルアルコール、イソペンチルジオール、ベヘントリモニウムクロリド、DPG、セタノール、アミノプロピルジメチコン、水添ポリイソブテン、アルギニン、ステアルトリモニウムクロリド、ポリシリコーン-13、PEG-90M、ツバキ種子油、加水分解コンキオリン、アスペルギルス/ツバキ種子発酵エキス液、水添ポリデセン、イソプロパノール、ミリスチン酸イソプロピル、サリチル酸、セトリモニウムクロリド、BG、トコフェロール、シリカ、BHT、安息香酸Na、フェノキシエタノール、香料、赤227、黄4
早速、解析してみます。
いつものように原料を整理します。
コンディショナーは、昔風に言うところのリンスです。
コンディショナーを取り上げるのは初めてなので、今回はコンディショナーを少し詳しく処方の面から説明します。
コンディショナーの基本構成は、ワックス成分をコンディショニング剤で乳化したものを骨格として、そこに油剤や保湿剤や増粘剤や防腐剤などを加えたものです。
必須なのはワックス成分をコンディショニング剤であり、突き詰めるとこの2原料でコンディショナーは作れます。
上記の表もこの考えに沿って、ワックス成分、コンディショニング剤、油剤、防腐剤、保湿剤などに整理して書いてあります。
基本となるワックス成分、コンディショニング剤には使える原料の種類はあまり多くなく、そのあとの油剤、保湿剤に色々な原料を使用する事で、処方や製品のバリエーションが作られていくことが多いです。
また今回は取り上げてないですが、トリートメントは基本的にはコンディショナーと同じ処方骨格を持っていて、そこにオイル成分を増強したり高価な保湿剤を使用したりして、ちょっと粘度を上げたものです。
このツバキのコンディショナーで言えば、ワックス成分のセタノールとステアリルアルコールは全く普通でどんなコンディショナーもだいたい同じです。
コンディショニング剤のベヘントリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリドも全く普通です。
あえて言うなら、この3種のどれか一つを使用してもコンディショナーはできるのですが、あえて3種類を使用して効果を高めているのでしょう。
ベヘントリモニウムクロリドは特に効果が高いので人気の原料です。
ユニリーバのラックスシリーズなども、この原料を昔から使用しており、シリーズの特長を作ってます。
ただ、サロン用製品とかでは20年ぐらい前から使われている原料なので、新鮮さはないですね。
アルギニン毛髪補修アミノ酸なのでコンディショニング剤に分類しましたが、乳化機能はありません。
油剤にはノンシリコンブームは一段落と見たのかシリコン系素材が多いですね。ジメチコン、アミノププロピルジメチコン、ポリシリコーン13がいわゆるシリコンに当たります。元々資生堂さんのヘアケアはシリコンが多いので、いかにも資生堂らしい、マスに受けることを狙った処方なんでしょう。
ノンシリコン系をうたっていても、コンディショナーにはシリコンが入っていたりするブランドも多かったし、個人的には官能の良いコンディショナーにはシリコンが必要な気がします。
そもそもシリコンによる健康被害とか環境負荷とか、本当に一部の例以外は聞いたことがありません。
(一部の例というのは低分子過ぎるシリコンの使用例で、現在では規制されています)
今回のツバキコンディショナーは、ベヘントリモニウムクロリドとシリコン系素材という、絶対外れない、いわば負け無しの処方です。そこに、自社で「椿麹S」と命名した「ソルビトール+アスペルギルス/ツバキ種子発酵エキス液」を乗せることに意義があるのでしょう。
うがった見方をすれば、アスペルギルス/ツバキ種子発酵エキス液なんていう変わった原料を、資生堂さんだけで売りさばかなくてはならないので、他の冒険は避けたのかなー、と思います。
防腐剤については、シャンプーと同じ「フェノキシエタノール+安息香酸Na」だけでなく、サリチル酸やイソペンチルジオールまで添加して、意地でもパラベンを避けてますね。
サリチル酸はパラベンよりも若干使用上限が低く、使用上限0.2%なのですが、ノンパラ処方の実現にがんばっていることが分かります(^_^;)
これは資生堂さん、本気ですね。
本項は以上です。
今回はコンディショナーを初めて取り上げたので長くなりました。
読みにくくて申し訳ない。