2012年10月27日 吉祥寺MEG『ジャズオーディオ愛好会』 B.M.C編 | UNTITLED

2012年10月27日 吉祥寺MEG『ジャズオーディオ愛好会』 B.M.C編

昨日の27日土曜日、吉祥寺MEGで毎月恒例のイベント「メグ・ジャズ・オーディオ愛好会」が開催されました。


今回はオイラが愛用しているパワーアンプのメーカーB.M.Cの特集ということで、行かないわけにはいきません!

ちなみにオイラのB.M.C導入記はコチラコチラ





イベント開始40分前にはMEGに到着。

店内を覗いてみると、機材のセッティングがおおよそ済んでいるようで、B.M.Cの機器で駆動されているAvantgatde DUOが鳴りまくっていました。


MEGオーナーの寺島さんとジャズ・オーディオ愛好会会長の中塚さんにご挨拶。

おぉ!後席にはジローさんも!


皆さんにご挨拶を終え、せっかくだからド真ん前の席に座ろうかな・・・と思ったものの、なんだか気が引けて(笑)その隣の席に陣取ることに。



で、改めて鳴っている音を聴いてみると、普段のMEGの音とは全く違う!

奥行き、幅共にとても広がりがあり、鮮烈!

ジャズっぽい、黒くドッシリとした音か・・・?といえば違うんだけれど・・・ヤバイ、これは久しぶりに「オーディオ楽しい!」と、軽くではあるけれど感激してしまう音でした。


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寺島さんが目配せをしてきたので言ってみると、

寺「後藤さん、これ(アンプ)持ってるんでしょ?どうよ?」と。
後「そうですねぇ、ウチで使っているのはアンプだけで、今日みたいにトランスポートやDACプリはB.M.Cじゃないので一概には言えないんですけど・・・今日の音はイイですねぇ。なんだか「オーディオ楽しい!」っていう音で。」
寺「そうなんだよねぇ。低音がどうとか、そういう音じゃなくて、オーディオの楽しさって言うのかねぇ、素晴らしいんだよねぇ。欲しくなってきちゃったよ!」

おぉ!?
ここに新しいB.M.Cオーナー誕生か!?(笑)

それにしても、マズイじゃないですか・・・こんな音を聴いたら・・・DAC1 Preが欲しく鳴っちゃう!!
ムズムズするぅ~~~っ!!

特に、現在私の家のオーディオはプリアンプが故障していて、ここ最近オーディオを楽しめていないのです。

そんな中、こんな音を聴かされたら・・・・・ヤバイ事この上ない!!




しばらくしてオーディオ評論家の林正儀さんも高校教師時代の教え子(オーディオマニアに育てた?)とその後輩の青年を引き連れて到着。


気付けば開始前に席のほとんどは埋まり、さすがMEGのジャズ・オーディオイベントは盛況だなぁ・・・と実感いたしました。



ちなみにB.M.Cに興味津々になった寺島さん、イベント前にもかかわらず林さんと真剣にB.M.Cの製品群の前に陣取ってあれやこれやと話をしていました。

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さて、今回のイベントで使用されるB.M.Cの製品はコチラ。

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B.M.C CD Player 『BDCD1.1』

今回はこのBDCD1.1をCDトランスポートとして使用します。
トップローディングのベルトドライブ式で、ベルトドライブ式と言えば日本ではC.E.C.が頭に浮かんできますが、このC.E.C.のベルトドライブ式CD機器はB.M.Cの社長カルロス・カンダイアス氏が開発をしていたとのこと。
本日の講師である輸入代理店Axissの室井社長はイベント中、「内周と外周で回転数を変えなければいけなかったり、選曲時に特殊な回転制御をしなければいけないCDプレイヤーをベルトドライブで開発するのがどれだけ大変なことか!」と熱く語っておりました。

ちなみに、このBDCD1.1はスーパーリンクという独自のデジタル出力を持っており、「データ」「Bit Clock」「L/R Clock」「Master Clock」の4つの信号に分けて(そもそも内部的にはこれらの信号が別々に扱われている)4本のBNCケーブルで外部出力ができます。
これによって、トランスポート→DACの転送時に信号の合成、分解が不要になり、さらにMaster ClockでトランスポートとDACの時間軸を一致させることでジッター(時間軸歪み)を極限まで低減させられる・・・というわけですが、このスーパーリンクでの信号を受けられるDACはB.M.CのDACだけなので、スーパーリンクを活用としたら使用機器をB.M.Cの製品群で固めることが必要になります。



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B.M.C DAC&Pre 『DAC1Pre』

上記のスーパーリンクを受けられるDACと、音量調整機能が一緒になったのがこのDAC1Pre。
今回のイベントに参加してスゲェ欲しくなった・・・。
このDAC1Preの最大の特徴が、B.M.Cの最大の特徴にもなっている「電流伝送方式」でボリュームを調整していること。
通常のプリアンプは内部で信号を電圧←→電流に切り替えながら制御しているところ、DAC1PreとB.M.CのDIGM機能対応のアンプに接続をすることで、全ての信号を電流のみで制御し、音量に関してもパワーアンプのゲインを直接コントロールすることにより、大ボリュームでも小ボリュームでもソースの信号をロス無くスピーカーまで伝えることができる・・・と言う仕組みです。

ちなみにBNC、RCA、AES/EBU、Toslinkの4系統のデジタル入力にも対応し、USBポートもあるので、ハイエンドPCオーディオにも活用できそうです。

が・・・・そんなことはさておいて、とにかくこの、完全電流駆動方式のプリ機能が欲しい!
これで我が家のAMP S1を駆動したい!!!



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B.M.C LEF Balanced Stereo Amp 『CS2』

B.M.Cの新顔。
オイラが使っている『S1』にゲインコントロールによるボリューム調整機能を加えたプリメインアンプとして使えるヤツです。
これからB.M.Cの製品を買っていこうと思っている人には超有力な製品になるのではないでしょうか?
ちなみに、この製品の発売に伴い、『S1』と『C1』は在庫のみの販売になるそうです。

今回はこれをDAC1Pre側でゲイン制御し、『S1』と同様に使用します。



今回はこれらの機器でMEGのAvantgarde DUOを駆動します。





で、いよいよ中塚会長の号令でイベントが始まりました。

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メグ・ジャズ・オーディオ愛好会会長 中塚さんの挨拶。




今回は前述の通りB.M.Cの輸入代理店になっているAxissの社長、室井利夫さんが講師として製品を様々な角度から紹介してくれます。

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輸入代理店Axissの室井社長


室井社長、開口一番に何を言うかと思ったら「いやぁ・・・私も色々とイベントに参加をさせていただきましたけど、今日は皆さん・・・ですねぇ!」。

コレには会場大爆笑。

「いや、私もこういう雰囲気、イヤじゃないんですけどね。普段のオーディオイベントだと、クラシックのお客さんなんかが非常に多いので・・・」

この一言で「あ、室井さんって取っつきやすい人かも」と、一気にお客さんと室井さんの距離が縮まりました。


その後、「技術についてはそんなに詳しくない部分もあるので・・・」と言っていた室井社長、B.M.Cのスーパーリンクや電流駆動について詳しく、ディープにお話しして下さいますが、音楽が流れない時間に耐えきれなくなった寺島さんから「技術の話も良いんですけどねぇ、そろそろなにか(曲を)かけませんか?」と声が出たり(笑)。

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その後、新録のユニークな曲から1950年代の録音のものまで色々とかかりましたが、もう、聴く度に欲しくなって来ちゃうんだよ・・・・『DAC1Pre』・・・。


途中、ジローさんから「高域で頭打っちゃってるって言うか、歪みを感じる。」とか「ウチのデジタルアンプの方が・・・」というツッコミが入ると、その都度寺島さんが反論(?)してみたりと、いつもの丁々発止がとても楽しい。

にしても、こういう「雑」なやりとり、室井社長はハラハラしながら、あるいはイライラしながら聞いていたかな?顔には出さしてなかったけど(笑)。




ちなみに、「高域で感じる歪み」に関しては、頭の位置を壁際から離して聞いていたら感じなくなったそうです。




そんなわけで、まずは前半戦終了。

ここまでの感想は・・・・・パワーアンプ単体で使っても相当なポテンシャルのあるアンプだというのは一聴して分かりますが、この組み合わせで聴くと、中~高域のヌケ、解像度、ステージの広がり共に段違いに向上していて・・・・・



・・・・・『DAC1Pre』欲しい・・・・・・・・・






ちなみに、『S1』を使っていて「これってこんなもの?」と思っていた以下の現象に関しては、他のロットの製品でも発生している現象で、故障や動作の問題になるようなものではないとのことでした。

・電源投入後のカウントダウンが終わり、ゲイン値が0~66まで上昇する際に、右側のメーターだけが反応して振れる。

室井社長に確認したところ、「あぁ、これですね、今日持ってきたCS2でも発生するんですよ。メーターが敏感なんでゲイン上昇に反応しちゃってるみたいなんですけど、最終的にそれをキャンセルしてスタンバイ完了になるんですよ。」とのこと。

なるほどぉ。
まぁ、故障じゃなくて良かった。
故障なんて事になったら、またあの40kgのアンプを箱詰めして2階から下ろして・・・とか、気が重くなるところでした(笑)。




で、休憩時間をはさんで後半戦へ。


中塚会長から、高音質CD制作でお馴染みのティートックレコーズが10日に発売した3.11の被災各地で録音をした作品『未来への扉』の紹介。
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今CDのために書き下された「未来への扉」を5県12会場で録音し、1枚のCDに納められています。
被災地から世界への感謝の気持ちを歌う・・・ということで、利益は全て「国連人口基金」、「認定NPO法人アジア教育友好協会」、「NPOピースウィンズ・ジャパン」、「FREE THE CHILDREN JAPAN」、「認定NPO法人世界の子供にワクチンを日本」の5団体に寄付されるそうです。
「3.11被災地への寄付」ではなく、「3.11被災地からの寄付」ということで、ご興味のある方は是非。
CDは全国CDショップやAmazon等で購入できるそうです。



さて、後半戦はアクセサリー特集です。

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B.M.CとAvantgarde DUOとの組み合わせはそのままに、ケーブルを換えたりインシュレータを使用して、音がどのように変化するかを試します。


Axissと言えば、ハイエンドオーディオケーブルメーカー「Transparent」の代理店でもあります。
どのくらいハイエンドかというと、一番高価な「OPUS MM2」というシリーズのスピーカーケーブルは、2.4mのペアで430万円だったりします。
もはや「おバカ」を軽く通り越してしまっているレベルです。

このTransparentのケーブルの特徴は、やはりケーブルに付いている黒い箱でしょう。
この箱の中にはネットワークが仕込まれており、ケーブルに電気が通ると発生するノイズや、ケーブルがアンテナのようになり外部から受けてしまうノイズを除去する仕組みになっていますが、ブラックボックスなのでどんな回路が入っているのかは不明です。

このTransparentのケーブルは私自身も愛用しており、プリアンプ→パワーアンプのケーブルには「Music Link Ultra」を、パワーアンプ→スピーカーには「Reference XL」を使用しています。


前半戦ではB.M.Cの各機器、スピーカーとの接続にTransparentの「Music Link Super」と「Music Wave Super」を使用していましたが、後半戦は1ランク上の「Music Link Ultra」と「Music Wave Ultra」を使用して鳴らしてみることに。

この際、一番エントリーラインの「Music Link Plus」や「Music Wave Plus」で鳴らしてみましょうか・・・という室井社長に対して、「安い方はいいから高い方を聴きましょうよ!」という声が盛大だったので(笑)、「Plus」の試聴はやめて、いきなり「Ultra」で聴くことになりました。


ケーブルを「Super」から「Ultra」に換えると、解像度と全音域の音の繋がりが素晴らしく、いがらっぽさや尖った感じは皆無になりました。
コレには隣に座っていたMEG常連のS藤さんは「換える前の方がメリハリがあって良かったなぁ」とポツリ。
そういう意味では、SuperよりもUltraの方が色付けがないのかも。
しかしもう、ここまで来るとどちらが良いではなくて、完全に好みのレベルでしょう。


そしてお次は電源ケーブルの交換です。

前半戦はなんと!B.M.Cの製品に最初から付いているダメ電源ケーブル(笑)が全ての機器に接続されていました。
どのようにダメかというと、要するにオーディオ専用の電源ケーブルではなく、パソコンを買うと付いてくるあの黒い電源ケーブルなので、ノイズ対策などはほぼ皆無。通電すればOKと言う代物です。
このダメ電源ケーブルをオヤイデの電源タップに繋いで使用していました。

で、本当はそれら全ての電源ケーブルをTransparentのものに変えて試聴したかったところですが、今回はTransparent最高の電源アイソレーター「PIMMX」1台を使って各機器に給電し、音の違いを確かめてみることに。
残念ながら電源ケーブルはそのまま(涙)。

まずはPIMMXからBDCD1.1とDAC1Preに電源を供給してみることに。
なにせPIMMXは2つしか給電用のコンセントがないので、全ての機器に同時に給電することは出来ません。

で、音は変わったのか?

変わりました。

盛大に変わったわけではありませんが、無音状態からの音の立ち上がりがよりスムーズになり、デジタル臭さが影を潜めて耳にスーッと入ってくるような音に変わりました。
このあたりは特にボーカルの「声」でより顕著に感じることができ、声が出る直前の息づかいが更にリアルになりました。
1950年代の作品でも、まるで現在進行形でレコーディング現場のフィードバックを聴いているような錯覚に陥ります。


次は「CS2」に給電。

個人的にはさっきの変化の方が大きかったかな。
今回は声よりもピアノのタッチが際立ってきたようです。


そして「DAC1Pre」と「CS2」に給電。

今回の試聴ではコレが一番良かったかも。
コレを聴くと、さっきの「BDCD1.1」と「DAC1Pre」に給電したときは、ジャズらしい「インパクト」が若干薄くなってしまっていた感じがします。
今回の場合は、楽器や声のメリハリが出つつ、それぞれの音の繋がりが非常にスムーズ。
寺島さんも思わず「これが一番イイね。」とニンマリしていました。




いよいよ後半戦最後の製品。

インシュレータやオーディオラックを製造しているメーカー「finite elemente」の最上級インシュレータ「CERABASE classic」と、エントリーモデルの「CERABASE compact」。

セラミックのボールをステンレス削り出しのトップとベースで挟み究極のメカニカルアースで排振するという代物。
「CERABASE classic」はやや大型で、4個使用時には耐荷重500kgにもなり、オーディオラックの下に敷いて使う人も多いのだとか。


今回は「CERABASE classic」を「CS2」の下に敷き、「CERABASE compact」を「BDCD1.1」に3点支持で使用(寺島さんのリクエスト)。

音の粒立ちが良くなって、寺島さんが好きな「ゾリッ!」っとした感じが試聴で使用したCDソースに潜んでいたことに初めて気付きました。

やはりインシュレータ、効きますねぇ・・・。


でも・・・やっぱりインシュレータではなくて「DAC1Pre」だなぁ・・・・



イベント終了後、笑顔のジローさんから「マズイの聴いちゃったねぇ」と声をかけられましたが・・・確かに、これはマズイ!!

いよいよ今週末は国内最大級のハイエンドオーディオイベント「インターナショナルオーディオショウ」が東京国際フォーラムで開催か・・・



・・・・いよいよヤバイなぁ・・・





・・・でも、まずはその前に壊れたMcINTOSHの「C45」を修理に出さないと・・・