「みのもんたの朝ズバッ!」の大研究(5)  異常なカネボウ化粧品絶賛報道  | 西陣に住んでます

「みのもんたの朝ズバッ!」の大研究(5)  異常なカネボウ化粧品絶賛報道 

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TBSテレビの朝のニュースショウ「みのもんたの朝ズバッ!」の大研究の第5回目は、言説に現れない隠れた言葉によって、聴き手を一定の方向へ誘導する暗示による誘導(suggestion)のケーススタディーとしてみのもんた氏の異常なカネボウ化粧品擁護について着目したいと思います。


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みのもんた氏の「みのもんたの朝ズバッ」といえば、政治家・行政機関・企業・団体に何かしらの問題が発覚すると、そのことに「不祥事(scandal)」というネガティヴ印象表現(Negative image word)[4]レッテル(label)[1] を貼り、認定して、徹底的に追及します。もちろん社会の問題点を追及すること自体は悪いことではないのですが、それがときに同情や罪悪感に訴える論証(Appeal to pity & guilt)[2] を展開するための問題の創作(The manufactured problem)[1] であったり、いわゆるスキャンダルによってセンセーションを巻き起こすイエロー・ジャーナリズムの道具として利用されている例が多々見られます。その典型的な例が2007年に発生したTBS不二家捏造報道問題です。「正確性を欠き誤解を招きかねない表現があった」とTBSが認めた「朝ズバッ」における不二家批判報道の末、不二家は経営不信となり、山崎パンの子会社となりました。このとき、みのもんた氏は不二家に対して「廃業してもらいたい」などと発言していました。


ここ約1ヶ月の間にも、このようなイエロー・ジャーナリズムは随所で認められます[4]日本プロ野球機構の統一球問題[→記事] では、加藤コミッショナーに対して、「不祥事ではない」といった会見の発言に対して、合理的な理由も述べずにイキオイで「不祥事以外の何物でもない」と述べて批判しました。自殺した小泉みつお岩手県議の報道では、すでに当人が謝罪していたにもかかわらず、事実にない悪意の発言を加えて番組で「思い上がっている!」とヒステリックに吊るしあげました。福島原発地下汚染水流出問題では、海洋の放射線量に変化がないという科学的データを報道することなしに、「太平洋が汚染される」と風評被害に繋がる言動を連発しています。柏崎・刈羽原発の安全性審査の申請に関連しては、明らかに矛盾を含んだ稚拙な論理を展開し、「廣瀬って(東電の)社長、ここに呼びなさいよ!」とヒステリックに言い放ちました。このようにみのもんた氏は、ときに問題を起こしているのか客観的な証拠がない報道対象に対しても、主観的な思い込みを根拠として、必要以上の怒りをぶつけて徹底的に吊るしあげる報道を繰り返しています。


ところが、現在美白化粧品の危険性評価の遅れによって、明確な健康被害を起こしているカネボウ化粧品に対しては、「さすがだね」「カネボウならではの素晴らしさ」「上質な企業だな」「安心だね」と、その実態とは真逆に絶賛報道を続けています。まさに暗示による誘導(Suggestion)の手法の一つである論調による暗示(Tone of Voice)[4] による異常なまでの依怙贔屓(えこひいき)発言を繰り返しています。このように度を越した特別扱いの偏愛報道は、商品の危険性に対する過小評価にも繋がりかねないと言え、極めて危険な報道と言えます。以下にその内容を紹介したいと思います。




実際の放送での音声→[youtube]




メモ2013/07/05 「肌まだらに」 カネボウ54製品回収


アナウンサー:300回線用意したフリーダイヤルの窓口が一日中鳴りっぱなしの状態、1万5000件の問い合わせがあったということです。産経新聞の記事からです。


最初に女性アナウンサーが深刻な状況を伝えます。


みのもんた氏:カネボウ54の製品の回収、美白化粧品、肌がまだらになっちゃう?はぁ~


深刻な状況を伝えているにもかかわらず、みのもんた氏のファーストタッチは、気が抜けるような「はぁ~」というコメントです。


アナウンサー:カネボウ化粧品は昨日、美白化粧品で肌がまだらに白くなるなどの被害が報告されたため、化粧品や乳液など8つのブランド54の製品を自主回収すると発表しました。(ボードに指さしながら)こちらがカネボウの自主回収の対象製品と言うことなんですが、例えば、カネボウブランシールスペリアというブランドの一部製品ですとか、とわにーブランドの一部製品、インプレスブランドの一部製品ですとか、下の方に行きますとRMKまたはSUQQUなどの一部製品のものが並んでおります。こちらおよそ25万人が使っていましておよそ45万個がまだ家庭内にあるとみられています。共通していることとしては、いずれもロドデノールと言うカネボウ独自で開発した美白成分が含まれているものであるということなんですが、吉川さんこれはビックリしましたね。


女性アナウンサーはさらに危険性を説明し、TBSの吉川美代子氏に話をふります。


吉川美代子氏:今は美白と言うものが一つの化粧品業界のブームといいましょうか、みんながこぞって新しい成分とか開発してますから使っている方はとってもショックだと思いますけど、ただ必ずしも使った方全員がそうなったわけではないので、心配だったらデパートとかスーパーのカネボウのカウンターに持ってって「お化粧品大丈夫ですか?」って聞けば大丈夫だと思いますけど。


意外なのは、吉川氏もなぜか危険性の報道に対して抑制的で、「心配だったらカネボウのカウンターに持ってって、大丈夫ですか?って聞けば大丈夫だと思います」という何の根拠もない無責任な言葉でしめています。論理的に考えて「心配だったら」という問題ではなく、「大丈夫ですか?って聞けば」大丈夫というのは、あまりにオプティミスティックだと思います。成分の蓄積による健康被害の発生が指摘されている中、たとえ症状が出てなくても、当該商品を所持しているすべての人に対して注意喚起を促して回収を呼び掛けるのが、公共の電波を使うことを許可されているマスメディアの使命であると思います。吉川氏の発言は明らかに非常識と言えます。


みのもんた氏:肌に合う合わないって言うのあるんでしょ?


吉川美代子氏:肌に合う合わないってあると思います。


みのもんた氏:(間髪入れず)でもちゃんとこうやって公表してもらえると安心だね。使うの。


ここで非常に意外な言葉をみのもんた氏が発しました。すでに被害者が出ている中で、通常のみのもんた氏であれば、公表が遅いのではとヒステリックに批判するところを「安心だね」と、しかも間髪入れずに発言しました。この発言で、みのもんた氏のこの問題に対するスタンスが明らかになったと言えます。


尾崎弘之氏:化粧品は臨床試験やってますから。薬と一緒で。安全性確認してから発売されているんですけど、やっぱりゼロにはできないですね。こういうことは。この後の対応と言うものが企業の評価に繋がるんでしょうね。


すると、尾崎氏が用意していたように臨床試験とゼロリスクについての説明をします。尾崎氏の言う通り、世の中のすべての事象は不確実性(Uncertainty)が存在していますのでリスクはゼロではありません。しばしば多くのことにゼロリスクを求めているみのもんた氏は間違っていると思います。


みのもんた氏:(間髪入れず)ちゅうことですよね。よく車でもあるじゃない。きちっとリコールしてくる。そういう姿勢って大事だよね。


ただし、今回の過度なリスク容認発言は異常です。リコールすることが大事だと言っていますが、製品のリスクが高い場合には、リコールするのはむしろ当然です。しかも女性の価値観を考えた場合、肌を車と一緒にするなと感じている人も多いのではないかと思います。


アナウンサー:今回も着払いでその対象製品を送ってもらえれば代金はもちろんお返しするとカネボウは発表しています。


アナウンサーはカネボウ化粧品の対応をアナウンスします。


みのもんた氏:(間髪入れず)さすがだね。


カネボウ化粧品はけっして「さすが」なわけではなく、当たり前の対応をしているだけです。この異常なまでの讃美とコメンテイターの危険性の過小評価には大いに疑問を持つところです。


アナウンサー:チェックしてみてください。




最初の報道から20日後、残念なことに健康被害が大きく広がりました。




メモ2013/07/24 重症2250人 カネボウ化粧品(朝日新聞)


アナウンサー:もともと発表していた数字とまったく違う数字が出てきました。対応が遅れたことから被害が拡大したとも指摘されています。朝日新聞です。カネボウ化粧品は昨日、カネボウ化粧品の美白化粧品で肌がまだらに白くなる被害が出ている問題で、6808人から症状や不安を訴える申し出があった、と発表しました。うち2200人以上は症状が重い、つまり重症ということです。カネボウ化粧品としては、使用中止を改めて呼びかけると共に、被害者を訪問して、状況の把握を続けています。ですが、現在回収を行っているんですが、いまだにおよそ90000個が回収できていない状況です。


男性アナウンサーが適正に健康被害の状況を説明します。


みのもんた氏:女性にとっては、大変なニュースですよね。


逢坂ユリ氏:そうですね。肌は女性にとって命ですから。で今のところまだお役所が出てきてね、強制的に回収するっていう状況ではないですけれども、これインパクトが大きいですし、海外にも結構輸出してるんですね。とりわけ台湾に凄く人気があって、まだ台湾からは被害が出てないんですね。カネボウと言えば、7~8年前に粉飾で事件があって、で今一生懸命信頼を回復しようとしていたんですね。で、今カネボウと言えば、売り上げが1900億円くらいあるんですが、今回の対象商品って言うのは50億円なんです。で、それは売り上げ全体に対して2.6%なんですけれども回収費とかいろいろかかってきますでしょ。これは結構時間がかかるんじゃないかというふうに見てますね。


逢坂氏は、「肌は女性にとって命」と言いながら、なぜか今回の問題によるカネボウ化粧品の経済的打撃について説明します。一般的な視聴者にとって重要なのは、カネボウ化粧品の経営状態ではなく、女性の健康被害のはずです。また、「台湾から被害が出ていない」というのは完璧な誤報です。翌日には台湾で累計5万個の返品が報告されています。逢坂氏は、おそらくカネボウ化粧品を使っていないので人ごとなのでしょう。


みのもんた氏:でも僕なんかはね。これちゃんと解決してほしいねと思うけれども、事実を隠ぺいしないできちんと対応してるって言うのはやはりカネボウならではの素晴らしさじゃないんですか?


「事実を隠蔽しないからカネボウは素晴らしい」とみのもんた氏は絶賛していますが、これだけ健康被害が大きければ事実を隠蔽するなど不可能あり、みのもんた氏の論理は破綻しています。こんなひどい論理破綻をきたしていながらも、なぜ無理やりカネボウを絶賛するのかわかりません。


逢坂ユリ氏:そうですね。早期に回収しますと。それなりの人員を置いてあのまぁ対応していきますということも早々に言っていらっしゃいますので、そういうところで早く信頼を回復していっていただきたいと思いますね。


ここで逢坂氏は、みのもんた氏の発言に認められるカネボウ化粧品擁護のスタンスを感じたのか、カネボウ化粧品の回収を「早期回収」と、根拠なしに「早期」という形容詞をつけて呼ぶとともに、被害者のことには全く触れずに「早く信頼を回復していっていただきたい」とカネボウ化粧品サイドの立場でコメントしています。


みのもんた氏:やっぱり企業のなんていうかこう、上質な企業だなというのがわかりますよね。そういう意味ではね。


ここでまたみのもんた氏がカネボウ化粧品を極めて不自然に「上質な企業」と呼びます。


野村修也氏:むかしジョンソン&ジョンソンと言う会社がですね、薬害を出した時に素早く回収をして素早く対応をしたことでまた信頼の回復に向かったという話があるんですよね。そういう意味でもカネボウもこういうところでしっかりとした姿勢を示してほしいと思いますね。


野村氏のコメントにも唖然とします(笑)。おそらくみのもんた氏の発言の空気を読んだ発言であると思われます。なぜこの問題については、一切被害者の気持ちに立ったコメントがないのか極めて異常と言えます。いつも理性的なように振る舞っている野村氏が、みのもんた氏のスタンスに沿って、これほどまでに問題の本質をついていないみのもんた氏を迎合するコメントを出すとは笑ってしまいます(笑)。




そして同じ朝日新聞のニュースソースでこの日二回目のセッションです。




メモ2013/07/24 重症2250人 カネボウ化粧品(朝日新聞)


アナウンサー:カネボウ化粧品は、カネボウの美白化粧品で肌がまだらに白くなる被害が出ている問題で、6000人から症状や不安を訴える申し出があった、と発表しています。そのうち2000人以上が重症であるということなんです。使用中止、改めて呼びかけています。また、被害者を訪問しまして、状況の把握も続けているんですが、今回問題となっているのは、美白有効成分ロドデノールというものを含んでいる美白化粧品であるということです。


前のセッションと同じようにアナウンサーが事の深刻性を説明します。


みのもんた氏:逢坂さん、恐いですね(笑)


逢坂ユリ氏:恐いですね。やっぱり女性にとっては衝撃が大きい話ですよね。まぁ今回これカネボウ全体の売上1900億のうち、この商品が50億円なんですけど、今45万個回収していて、そのコストを5000円と計算しても相当なものでありますから、今後のやっぱり信用がちょっとreputation回復するところのコストも併せて結構億単位の出費になると思いますね。ただ会社としては、重症の人も含めてきちっと治療費とか交通費とかそういったものも保障していきますということをおっしゃってるので・・・


相変わらずカネボウ化粧品サイドに立ったコメントをします。


みのもんた氏:でもこうやってきちっと対応してくれれば安心は安心、逆にね。


みのもんた氏は「安心」を繰り返します。


アナウンサー:その45万個のうち36万個まで回収できているんですが、まだ9万個が家庭内にあると見られていますので。


みのもんた氏:症状が出ない方もいるわけね?じゃあね。


みのもんた氏はハザードを語らずにオプティミスティックな点を強調します。


アナウンサー:もちろんそうです。そして逆に使うのやめれば治るとされているですが、治らない方もいらっしゃるそうなんです。


みのもんた氏:そういうの会社がちゃんと責任持ってくれるんだもんね。こういう対応してくれると安心だね、逆にね。


被害者を完全に無視した異様な報道と言えます。


アナウンサー:もちろん治療費なども支払うと、朝日新聞からお伝えしました。




2日後、健康被害の状況はさらに深刻となります。




メモ2013/07/26 「人前に出せない」 カネボウ「白斑」患者の声


みのもんた氏:カネボウ美白化粧品、白斑症状。広がる被害、実は10の国と地域でも自主回収が始まりました。


ナレーター:美白を意識する女性が増える中、大手化粧品メイカー、カネボウの製品を巡る健康被害が相次いでいます。


カネボウ化粧品:率直に申し上げてこれは大変多い数です。発症された全ての方に深くお詫び申し上げます。


ナレーター:今週火曜、カネボウ化粧品は、美白効果を謳った製品を使ったところ、白斑と呼ばれる肌が斑らに白くなる症状が出たとの申し出が6808件にのぼったと発表しました。そのうち2250人が、白斑の大きさが直径5cm以上になるなど重い症状を訴えているということで、8つのブランドの54製品、併せて45万個の自主回収を進めていて、すでに8割を回収しました。


一般女性の声:いいと思ってるのに使ったら点々できたら怖いですね。


一般女性の声:ちょっと信用できないですね~。他の買おうかなってちょっと考えます。


ナレーター:不安が広がる中、病院には症状を訴える人が次々と治療に訪れています。


医者:やはり、ちょっと時間はかかります。


ナレーター:47歳の女性。両手両足に白斑の症状が出ています。異常を感じたのは去年9月。カネボウの化粧品を使い始めて2年が経ったころでした。


女性:白いこういうのが、ちょっとずつでき始めてきまして、それとともにかゆみを伴いまして、あとひざ下も実は化粧水をつけていたんで、ちょっとあまり人前に出せないんで常に厚手のストッキングはいてスカートはくしかないんですが」


ナレーター:目の周りが白くなってしまった女性もいます。今月12日にこの騒ぎを知るまで2年3ヶ月にわたり毎日朝晩2回化粧水を使い続けていました。


女性:間違ってサングラスかけて日焼けしてたの?とか、男性には気持ち悪がられたりとか、怒りと言うかショックの方が大きい。


ナレーター:特殊な紫外線を使った治療を行っているこの病院では・・・

医者:増えてきてますね。治ってきている事例もあります。


ナレーター:こうした被害は国内にとどまらず海外にも広がっています。カネボウ化粧品によりますと、問題の美白化粧品は海外で2011年春以降、推定で37万本を販売していて現在10の国と地域で自主回収が進められています。このうち台湾では・・・こちらの段ボールの山、中身はすべて返品されてきた商品です。その数およそ5万個。現地の販売代理会社は、28万個が市場に出回ったとして回収を呼び掛けています。品質が売りの日本製品のトラブルに現地の女性の間にも動揺が広がっています。


台湾女性:信頼が下がりました。


台湾女性:日本製品はきちんと管理されている印象でした。なぜこんなことが起きたのかと・・・


ナレーター:原因と思われているのは、カネボウが独自開発した美白有効成分のロドデノールです。カネボウは詳しい原因は調査中だとしていますが・・・


専門家:フェノール性化合物ですね。これは白斑を引き起こすということが報告されています。今回のですね、ロドデノールですね、これもやはりフェノールの性化合物ですね。皮膚局所での蓄積性が疑われる。


ナレーター:カネボウ化粧品によりますと、白斑を訴える相談は2011年から39件寄せられていたと言います。しかし担当者が化粧品による症状ではないと判断して医師を紹介する対応にとどめ、経営陣には伝わっていませんでした。社長が被害を把握したのは、皮膚科医から報告を受けた今年5月。しかし調査に時間がかかったため、今月4日の緊急会見まで公表されることはありませんでした。首や顔など広い範囲に重い白斑症状が出た40代の女性は、カネボウの対応の遅れが被害の拡大を招いたのではないかと憤りを感じています。


女性:1ヶ月くらい前に手(の症状)が出始めたですね。もっと早く止めていたら多分こんなに大きな騒ぎにもならなかったし、患者も増えなかったと思う


ナレーター:カネボウ化粧品は、当該商品を使って白斑を発症したお客さん全員が完治するまで責任を持って対応するとともに、原因究明・再発防止に努めるとしています。


みのもんた氏:まぁ八塩さん一言いかがですか?


八塩圭子氏:これ本当にショックですね~!あのこの当該物質が入っている化粧品はもってなかったんですけども、それでもカネボウ製品はたくさん使っていたので、そのカネボウ製品全体に対する信頼が揺らいでいるって言う状況ですよね、今。


アナウンサー:しかも日本のみならず、アジアで多く販売されているということで影響も広がっています。被害状況として肌が斑に白くなるなど、つまり白斑症状が出たとの申し出は、6800人を超えています。そのうち重い症状の方が2250人と言うところです。自主回収進めていますが、いまだに2割ほどは回収できていません。カネボウ化粧品としては、当該商品を使い、白斑を発症したお客さん全員が完治するまで責任を持って対応するとともに、原因究明・再発防止に努めるとしています。


みのもんた氏:なるほどね。




以上の一連のやりとりからわかるように、カネボウ化粧品の対応の遅れを指摘する女性もいることからカネボウの対応は必ずしも「早期回収」と言うものではなかったと考えられます。実際、社長が被害の実態を認識したのが5月ですからそれから健康被害の公表まで約2ヶ月かかっているわけです。このことは、みのもんた氏の基準で言えば、日本プロ野球機構の統一球と同じように隠蔽なのではないでしょうか?


そもそもなぜ社長が事態を把握して2ヵ月後に公表したカネボウ化粧品は「素晴らしい上質な会社」なのに、事態を把握してすぐに記者会見を行った加藤コミッショナーの行動は「不祥事」なのでしょうか?ちなみに加藤コミッショナーはファンに健康被害を与えているわけではありません。


そして、明らかに専門家から指摘があって健康被害を知りつつも2ヶ月間公表しないで健康被害者を増やしているカネボウ化粧品は「事実を隠蔽などしない上質な会社」なのに対して、1ヶ月かけて地下水の移動について科学的調査を行って事実を確認した東京電力は「事実を隠蔽したどうしようもない会社」なのでしょうか?ちなみに今回の地下水流出は少量であり、港湾外に被害を及ぼしていないことは科学的データによって証明されています。


7月26日までの段階で、健康被害の件数は6808件、そのうち2250人が重症と言われています。震災の避難者については、毎日のように人数が書き込まれたボードを見せながら国に対して怒りをぶつけるみのもんた氏が、カネボウ化粧品の健康被害者についてはまったく楽観視していて、被害者よりもむしろカネボウ化粧品を心配しているというのは、明らかな偏向報道であると考えます。




メモメモメモメモメモ




最後に、「朝ズバッ」が得意とする併記による暗示(Juxtaposition)[4] の手法と基本的に同じことになるので非常に不本意ですが、そのことをことわった上で(ことわったことがけっしてエクスキューズにはなりませんが)、あえて以下に重要な統計データを示して、この記事の結びとさせていただきたいと思います。


電通発表の[2012年の日本の広告費] によれば、もっとも広告費が多い業界は化粧品・トイレタリー業界です。また日経広告研究所[有力企業の広告宣伝費2011年度] によれば、2010年度、2011年度に日本で2番目に広告費が多かった企業は花王です。ちなみに、カネボウ化粧品は花王の子会社です。

[TBSテレビのウェブサイト] によれば、会社の売り上げの柱は広告収入で、地上波に投下される広告費は減少を続けて困っているようですね。