§君の視界   前編 | なんてことない非日常

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《こちらは、「リク魔人の宝物庫」 のsei様よりいただきに自らバンジーしてきたお話です。

内容はこちら↓


1年に渡る、敦賀蓮による本気の猛アピールも虚しく、最上キョーコは相変わらずの恋愛曲解思考天然乙女のまま、ラブミー部のラスボスとして君臨し続けていた。


しかも。


敦賀蓮による「告白中だなんて思えない程、濃すぎる愛の囁きやスキンシップ」が1年間も続いてしまったが故に、それにもスッカリ慣れてしまい。


もはや、彼女を甘い言葉で動揺させることも、行き過ぎたスキンシップで赤面させることもできなくなった芸能界NO.1人気俳優敦賀蓮。


困り果てた彼の前に、またしても試練が!


宝 飾メーカーのCM出演がきっかけで、その工房に出入りしだしたキョーコ。キラキラと輝く宝飾品の世界にスッカリのめり込み、まとまった休日には海外にある 工房にまで行ってしまう始末。普段のオフにも都内の工房に通い詰め、そこのオーナーやスタッフとの交流を深めていくキョーコ。蓮がなんとか誘おうとして も、常に先約を入れられ済みなばかりか、蓮からの誘いは「挨拶の一種」としてスルー気味で。


ちっとも自分の方も見てくれないキョーコに、蓮のスネスネモードが全開に。

すっかりやさぐれた蓮に手を焼いた社はつい社長に相談してしまい。


趣旨とあっているのでしょうか?

不安ですが・・・お気に召さなかったら書き直しますのでご了承ください!!

それでは、どうぞw>




§君の視界    前編




 「・・・敦賀さん、またそんな格好で寝てたら具合悪くしますよ?」



ラブミー部にて、何やら作業中のキョーコは隣を陣取り机に突っ伏してキョーコを見ながら寛ぐ蓮に視線もくれずにそう注意した。



「・・・・うん・・・じゃあ、いつもみたいに膝枕してくれる?」



「はぁ・・・仕方ありませんね・・ただし15分だけですよ?この間みたいに社さんに見られたら変な踊りと笑いを投げかけられるんですから」



「はいはい」



蓮はこの一年、成人してから手当たり次第馬の骨を量産するキョーコに猛アタックを仕掛けていた。


しかし、始めは赤面したり挙動不審になっていたキョーコも免疫を付けたのか、蓮はこんな人だと割り切ったのか恋人ではない人物には過剰とも言える要求にも了承するようになっていた。


この膝枕も蓮が打ち上げのビンゴ大会で当てた、3人掛けとオットマン付ソファーのお礼の代わりにしたものが習慣化しただけだった。



「・・・今度は何作ってるの?」



キョーコの温もりを後頭部と左耳に感じ、蓮は頭の上で何やら必死に作り続けるものが気になった。



「あっ!?すみません、鬱陶しかったですか?」



キョーコの質問に蓮は体を反転させ、仰向けになり答えた。



「いや?でも、ちょっと気になっぶっ・・・」



その途端、キョーコは持っていた物を落とさないようにしながら手で蓮の顔を塞いだ。



「~っつ・・・だから下から見上げないで下さいっ!」



久しぶりに赤面するキョーコに気を良くした蓮は、その手首を掴んで顔からそっと離した。



「可愛いのに・・・ずっと見ていたいくらい」



すかさずの甘い言葉にキョーコは小さく息を付いて、甘い雰囲気が漂ったのを切るように持っていたモノをジャラッと動かした。



「実は先日ある宝石メーカーさんのCMに出演することになりまして」



そうキョーコがいい始めると、蓮は心の中で大きく頷いた。



(・・・知ってる・・俺も混ぜてもらおとしたら、京子だけがいいっ断ってきたところだ)



ムスッとした蓮に気が付かず、話しはじめてテンションが上がってきたのかキョーコは満面の笑顔で続けた。



「そこのオーナーさんがプリンセスローザ様を気にかけていただいて、お話をしたところアクセサリー作りのセンスがあるって言われてしまって、そこでスワロフスキーも取り扱われていたので誘われるがまま今作ってみているところなんです」



「・・・・本当に器用だね?」



キョーコの笑顔は可愛いものの、話している内容が楽しくない蓮は仰向けになっているのをやめないで、キョーコが見せてくれた造りかけのブレスレットを眺めた。
キョーコはこれ以上嫌がってもダメだと諦めて、蓮が仰向けのまま作業を続けた。



「そんなことないですよ・・・あ、そろそろ社さん戻ってらっしゃいますよ?」



「・・・・そのオーナーさんは男の人?」



キョーコの言葉が聞こえなかったかのように質問をする蓮にキョーコは首を傾げた。



「へ?・・・ええ・・・男の方ですよ?」



「・・・・ふ~ん・・・・・」



「??・・・・そんなことより社さんが・・・」



「・・・後もう少し・・」



そう言うと蓮はさらに体を反転させて鼻先をキョーコの腹部に押し付けた。



「ぎゃあ!?」



「れ~ん、そろそろ・・・!!」



タイミングよく開いた扉から顔を覗かせた社が見た光景は、蓮がキョーコに叫び声と共に膝の上から転がり落とされるものだった。





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「・・・・お前・・・なにしてんだよ・・・・・」



次の現場に向かうため地下駐車場に向かう中、落とされた弾みでしたたかに打った肘をさすりながら社に冷たい視線を浴びる蓮は不貞腐れた。



「・・・・仕方ないじゃないですか・・・ここ一年・・・頑張れば頑張るほど最上さんが俺の扱いに慣れてきたように滅多に反応してくれなくなってきたんですから・・・ちょっとぐらい意地悪したって」



「・・・なにが意地悪だよ・・・中学生かっ!?」



「それに・・・俺と話しているのに作業に夢中になるわ・・・違う男を思い出して嬉しそうに話すわ・・・・」



徐々にイライラしだした蓮に社は顔を引きつらせた。



「お・・おいおいっ、恋人でもないのにそんな風に嫉妬するなんてみっともないぞ!?」



「・・・社長から本気の恋はみっともなくなるって言われました」



(しゃちょ~~~ぉ!?何、蓮に吹き込んでるんですかぁ!?)



ぶすっとむくれる蓮に頭を抱える社は車に蓮と乗り込むと一息ついた。



「そ、それでも『俳優、敦賀 蓮』にその顔は営業妨害だからな!?とりあえずオフの時にだな・・」



「オフっていつですか?」



ひんやりとした声に社は笑顔を凍らせて手帳をめくった。



「・・・えっと・・・・・・近くて・・・・3ヶ月先に午後から半休がある・・・かな?」



蓮は一年分のため息をつくと、凍りついたままの社と共に次の現場へと車を走らせるのだった。





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