「アッラ～、アクバル」（アッラーの神は偉大なり）
１日5回、モスク（イスラム寺院）からアザーンと呼ばれる礼拝を呼びかける
アラビア語による読誦が街中に響き渡ります。
これはイスラム教徒たちに礼拝の時間がやってきたことを知らせています。
イスラム圏を旅された方なら、一度はこの日本人にとってはエキゾチックとも
言える読誦を聞かれたことがあると思います。
私もこれを聞くとイスラム圏に来たことを強く実感します。
本日の礼拝時刻や日の出・日の入り時刻が書かれています。
上の写真の表は一部ウルドゥー語ですが、イスラム用語やアザーンの文言は
すべてアラビア語です。読み上げる人はその美声を競い、この拡声器から
モスク近辺のイスラム教徒へ発信します。
（以下、アザーンの原文 アラビア語）
اَللهُ أَكْبَرُ
أَشْهَدُ أَنَْ لَا إِلاهَ إِلَّا اللهُ
أَشْهَدُ أَنَّ مُحَمَّدًا رَسُولُ اللهِ
حَيَّ عَلَى الصَّلاةِ
حَيَّ عَلَى الفَلاحِ
اَلصَّلاةُ خَيْرٌ مِنَ النَّوْمِ
اَللهُ أَكْبَرُ
لاَ إِلاهَ إِلَّا اللهُ
アッラーは偉大なり（Ⅹ４回）
アッラーのほかに神は無し（Ⅹ２回）
ムハンマドはアッラーの使徒である（Ⅹ２回）
礼拝に来たれ（Ⅹ２回）
成功のために来たれ（Ⅹ２回）
（日の出前のみ）祈りは眠りに勝る（Ⅹ２回）
アッラーは偉大なり（Ⅹ２回）
アッラーのほかに神は無し（Ⅹ１回）
日の出前の祈りの時（ファジュル）のみ唱えられる「祈りは眠りに勝る」と
いう文言が面白いですね。
ヒンドゥー教徒が多数派のインドにおいて、イスラーム文化はその多くが
ムガル時代に築かれました。デリーやハイデラバードの街では
今でも多くの歴史的なモスク（イスラム寺院）が見られます。
上の写真はデリーにあるイスラム寺院「ファティプリ・モスク」で撮影しました。
インドのような多宗教国家では、異教徒間の共存共栄は永遠の課題
です。実際、これらの問題がインド・パキスタンの分離独立、カシミール紛争、
先日のようなテロを引き起こしている一因でもあります。
今年もテロが頻発しましたが、複雑なインド社会において宗教、民族、
カーストを超えた人々の融和による安定がずっと続くことを願います。
マドラサ（イスラムの神学校）にて 洗濯をする神学生
（2008年11月 デリー・ファティプリモスクにて）