再確認! 「zu」の本来の意味と、色々な意味への展開 | Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

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ドイツ語は難しい?いえいえ、実は英語よりも簡単です。挨拶・発音・数字から、ドイツ語を簡単に分かりやすく解説します。単語の増やし方、動詞・前置詞の格支配や名詞の性の学び方も解説していきます。マルチリンガルの私が、外国語一般の学習方法についても紹介します。

Guten Abend(Tag)!


先週ですが、
「目的の表現」(Finalsatz)を扱いました。

詳しくは…
「Wozu?」で尋ねられた時の「目的の表現」【Finalsatz】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11982823332.html



そこで、
今日は「zu」の使い方について改めてお話したいと思います。


何でこの話をするのかと言うと、
単語のイメージというのは、品詞が変わろうと共通していることが多いのです。
そのことを意識してもらうために、今日はお話したいと思うのです。


だから、あえて「前置詞のzu」や、「zu不定詞」などと言わないで、お話しているのです。

ただ…
今日の話はドイツ語の歴史について不確かな部分を多く含んでいる可能性があります。
もし誤りがあればご教示願えればと思います。



それでは、本題に入ります。

ドイツ語をある程度習った皆さんであれば、
3格を取る前置詞に「zu」があるのはご存じかと思います。



「zu」の持つ意味合いは、本来「到着・到達」のイメージです。


タクシーを捕まえて、駅に行きたい時、こう言いますよね。

Fahren Sie bitte zum Bahnhof!

決して、「nach」でもなければ、「auf」でもないですね。

あくまで、
までピタッと来る感じですから、これは「zu」でないといけません。


だから、道案内する時なんかも、
Gehen Sie doch gerade aus bis zur Kirche, dann nach Rechts!

「(ピタッと)教会の所までまっすぐ行って、右に行け」って言っている訳なんです。

決して、目的地に向かう途中で、教会の中に入っていく…なんてことは滅多にないはずです。
この表現であれば、教会の所まで来たら、さっと方向を右に変えるはずです。


目的地を示す前置詞のお話は、コチラをご覧ください。
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11946433237.html




この意味が発展していくと、
前置詞で「目的」を表す表現になるのです。



これは、先週扱った例文にも出たものです。

Zum Studium ist Sakura nach Deutschland gekommen.


それこそ…
「Zum Spaß」あたりは、この使い方の代表例みたいなものですし、
例示するときの
「Zum Beispiel」もそうですね。


もっと言ってしまうと、
「目的」を尋ねる場合、この「zu名詞」の、「名詞」の部分を尋ねたい訳ですから…

Wozu lernst du Deutsch?

と、「Wozu?」という「疑問詞」を立てるのです。




それに、ドイツ語の場合、「動詞の原形」を「中性名詞」としても使えますから…

Was wollen Sie zum Trinken?

なんて言い方もできる訳です。



ドイツ語の歴史の専門家ではないので、
表現として生まれた順序がどちらが先なのかは、私は存じませんが…

別に「zu+名詞(=名詞になった動詞の原形)」が許されるのであれば、
「zu+不定詞(=動詞の原形)」の形があってもおかしくないのです。


おそらく、かつて使い方の混同があったのではないか、と思われます。
(この辺のドイツ語史に詳しい方がいらっしゃったら、ご教示願えれば幸いです。)


ただここまで来ると、
さすがに元々あった「到達の意味合い」はかなり薄くなってきます。

少なくともドイツ語ではそうです。


だから、目的を表そうとしたら…

Alice ist ausgegangen, um Lebensmittel zu kaufen.

と、um」+「zu+不定詞」で明示してあげた方がいいのです。


その他、「zu+不定詞」の使い方は、こちらをご覧ください。

「zu不定詞」の本質は、主語を言う必要のない「副文」なんです。
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11801589514.html



参考までに、英語の「to不定詞」では、
この「到達」の発想は非常に重要な話なのですが…
それは「Kazuのかんたん英語」を始めた時にでもお話することにします。




ここからは余談ですが…

ドイツ語の「zu」で長年不思議に思っている意味合いがあるんです。

Mir ist zu kalt, um auszugehen.

主文の赤字の「zu」ですが、「程度が過ぎる」意味合いを表す副詞ですね。

もちろん、文中に出てきたら、意味合いはとれるのですが、
その語源について、全く確証はないのです。



おそらくは、「程度」を表す「zu」と関係があるだろうとは思っているのですが。
これは、「到達」の意味合いを視点を変えれば、分からなくはない意味合いです。

例えば…
Dortmund hat gegen den HSV 2:1 gewonnen.

この下線部「zwei zu eins」と読みます。

スポーツのスコアに限らず、
何か「比」を表す時には、この「zu」はよく使われます。





「同じ単語」である以上、意味合いにある程度共通の土台はあるものです。
「色々な品詞で使う」なんて言いますが、
それを分類したのは後世の話なんです。

だったら、
元々の単語の意味をもうちょっと大切にしてった方がいいように私は感じるのです。


これは、前つづりについても言えることだったりします。

近づくと…何が起こる? 【zu】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11623045650.html



次回は…
確認! 疑問詞+前置詞のトリック
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11992079050.html





今日はあやふやな話が多かったですが、これにて。

Tschüss!


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