お湯は、「沸かしている」のか、「沸いた」のか言い分けられますか? 【Zustandpassiv】 | Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

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ドイツ語は難しい?いえいえ、実は英語よりも簡単です。挨拶・発音・数字から、ドイツ語を簡単に分かりやすく解説します。単語の増やし方、動詞・前置詞の格支配や名詞の性の学び方も解説していきます。マルチリンガルの私が、外国語一般の学習方法についても紹介します。

Guten Abend (Tag)!


昨日は、「助動詞」+「受動態」という話をしました。

詳しくは、コチラをご覧ください…
「助動詞」+「受動態」 語順と時制は大丈夫? 【das Passiv】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11755790979.html



今日の本題に入る前に、
Sakuraの音読をしてくださいね。

【Lektion 11-2】 Was wird gekockt?
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11755145814.html



今日は、「受動態」でも、ドイツ語独特なものについて、お話します。

今日の話は、非常に重要です。

今から2つ文を出します。
それぞれ、ニュアンスを読み取ってみてください。



A: Wasser wird gekocht.

B: Wasser ist gekocht.



(  ゚ ▽ ゚ ;)

あれ、何固まっているんですか?
使っている単語自体は非常に簡単ですよね。

それでは質問です。

「A」と「B」どちらのお湯をインスタントコーヒーに注いだらいいでしょうか?

これ間違うと、「ぬるいコーヒー」を飲まないといけないかもしれません。



え?「B」の「sein」+「Partizip II」って、「完了形」違うの?

確かに、「自動詞」だったら、一部その形になりますが、
「kochen」は、他動詞ですから、「現在完了」って訳でもないんですね。

「現在完了」について詳しくはコチラ。
「往来」や「存在」を表すときは「sein」で! 【完了形 Perfekt 2】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11639929480.html




実は「B」も、「受動態」の一種なんです。


え?「werden」+「Partizip II」が、「受動態」じゃないの? (?_?)

確かに、「受動態」の基本の形ですよ。
でも、その形だけではないんです。

コチラをよくご覧ください。

「受動態」=「~される」という感覚はちょっと違います 【das Passiv】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11750229408.html

最後の方に書きましたが、
ドイツ語では、
「sein」+「他動詞のPartizip II」も「受動態」の1つなんですね。



そして…
受動態の「時制」をちゃんと言い分けられますか?
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11750274300.html


コチラの途中の説明で、こんなん書いています。

Die Zwiebel und die Karotte werden fein gehackt.

ドイツ語の発想に従ってそのまま訳せば…
「タマネギとニンジンが」「細かく刻む行為を受ける」状態に「なる
と言っている訳です。


「受動態」で「werden」を使った時は、
「行為をその時点で受けている」ことになるんです。



だから、
A: Wasser wird gekocht.

だと、
「水が沸いている途中」なんです。

T-Falの湯沸かし器の中で、まだ水がブクブクいっている状態なんです。

だから、「A」のお湯を注ぐと、ぬるいコーヒーを飲まないといけなくなります。(爆)




それでは…
B: Wasser ist gekocht.

だと、どういう意味合いかというと…
「水が(今はもう)沸いたと言っているのです。

ドイツ語の発想に従ってそのまま訳せば、
「水が」「沸く行為を受けた」状態で「ある
と言っているのです。

「受動態」で「sein」を使うと、
行為を受けた(後の)状態」なんです。


T-Falの湯沸かし器のスイッチが切れて、お湯を沸かし終わった状態なんですね。
これなら、熱いコーヒーが飲めそうです。



同じように…
Zwiebeln und Karotten sind fein gehackt.

となると、もうタマネギもニンジンも、「みじん切りが終わっています。」
後は、炒めるだけです。


この「B」のような「sein」を使った受動態は、よく見かけますよ。


例えば、
Der Platz ist besetzt.
Alle Plätze sind schon ausgebucht.
Alles ist schon vorbereitet.


…といった、日常的な場面でも使いますし、

Die Altstadt war im Zweiten Weltkrieg zerstört.
Einige Goethes Werke waren im 19. Jhd. ins Japanisch übersetzt.

*Jhd.=das Jahrhundert(世紀)

…といった、過去の話でも使えますしね。


実は、この「受動態」の2つの形は、名前があるんです。

A: Wasser wird gekocht.
werden」+「Partizip II」=「(das) Vorgangspassiv」

B: Wasser ist gekocht.
sein」+「(他動詞の)Partizip II」=「(das) Zustandpassiv」


これを直訳すると、
「A」は、「経過の受動態」
「B」は、「状態の受動態」

…といった感じになります。

これ、「B」は「状態受動」という訳をたまに見かけますが、
「A」の訳は見たことがないんです。
これだと、どういう対比で「状態受動」と言っているのか、分からないのです。


要は、
A:「werden」+「Partizip II」 ⇒ 「行われている行為」を表す。
B:「sein」+「(他動詞の)Partizip II」 ⇒ 「行われた結果」を表す。


と言うことなのです。



次回は…
受動態が存在しない動詞があるんです。
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11759330578.html



それでは、今日はこれにて。


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